コバルトセージは青紫色の美しい花を咲かせる多年草で、葉にはハーブとして使える香りがあります。
耐寒性も耐暑性も強く育てやすい植物ですが、適切に育てないと倒れてしまったり花が咲かないこともあります。
また、地下茎が伸びて増えていくので地植えの際には注意が必要です。
この記事では、コバルトセージを元気に育てるための方法や増やし方、栽培時の注意点についてまとめています。
コバルトセージ栽培に適した環境づくり
コバルトセージは、日当たりと風通しが良い場所が適しています。日光が十分に当たると花色が鮮やかになります。また、風通しを良くすると病害虫の予防にもなります。
鉢植えの場合はベランダやテラスなどで育てることができますが、夏場は直射日光が強すぎると葉焼けを起こすことがあるので、午後から日陰になるように工夫しましょう。
地植えの場合は花壇やロックガーデンなどで育てることができますが、株が大きくなるので他の植物との間隔をあけて植え付けると良いでしょう。また、冬場は雪や霜に当たらないように注意が必要です。
用土づくり
コバルトセージは、水はけと水もちのバランスがよい中性~アルカリ性の土壌を好みます。
酸性が強い土や過湿を嫌うので、その点を考慮した土を使うのが望ましいでしょう。
鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:バーミキュライト2の配合土か、ハーブ用の培養土を使います。水はけをよくするには、砂やパーライトを足してあげるとよいでしょう。
庭土には事前に苦土石灰を混ぜ込み、中和しておき、植え付け1週間前になったら堆肥を混ぜます。水はけが悪いときは、川砂も加えて水はけを良くするようにします
水やりと肥料の与え方
コバルトセージは多湿を嫌うので、水やりは控えめにします。土が乾いたらたっぷりと水を与えるのが基本です。
鉢植えの場合は、鉢の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいまで水やりをします。地植えの場合は、根付いてからは自然の雨水で十分です。夏場は乾燥に注意し、冬場は過湿に注意します。
肥料はあまり必要ありません。生育が悪いときのみ、春か秋に緩効性肥料を少量与えます。肥料が多いと草丈が伸びて倒れやすくなり花も少なくなるので、肥料は控えめにしましょう。
種まき時期と方法
コバルトセージは、3〜4月もしくは9〜10月が種まきの適期です。この時期は、コバルトセージの発芽適温である気温20℃前後になるからです。
種まきの方法は次のとおりです。
- 育苗ポットにバーミキュライトや赤玉土を入れる。
- 種を3~4個、重ならないようにしてまく。
- 上から薄く土を被せる。
- 土が乾燥しないよう霧吹きで水を与えながら管理する。
- 1~2週間で芽が出るので適度に間引きする。
- 1ヶ月ほどして苗が十分に育ったら鉢や庭に植え替える。
ただし、コバルトセージの種は発芽率が低いため少し多めに種まきしておく必要があります。
生長力が強く丈夫な植物ですが、種から育てる場合は発芽率に注意してください。
地植え時期と方法
コバルトセージの地植え時期は、春と秋が適しています。暖地なら秋でも植え付けが可能です。
日当たりと水はけの良い場所を選びましょう。具体的な方法は、以下のとおりです。
- 植え付けの2~4週間前に、苦土石灰を掘り起こした庭土に混ぜる。
- 植え付けの1週間前に、堆肥を庭土に混ぜる。
- 株同士の間隔を20~30cm空けて苗を植える。
- 根元をしっかりと土で覆い、水やりをする。
数年後には株が大きくなるので、植え付けの際は他の植物との間隔をあけておくようにします。
鉢植え・プランターで育てる方法
コバルトセージは草丈が高くなるので、鉢植えより地植え向きではありますが、鉢植えでも育てることは可能です。
鉢植えの場合は、以下の点に注意しましょう。
- 鉢は6号~8号のものを選ぶ。
- 水はけの良い鉢底石(軽石)を鉢底に入れる。
- 水はけの良い土を入れる。(草花用の培養土やハーブの土が向いています)
- 用土が乾いたらたっぷりと水やりをする。
- 肥料は春と秋に緩効性肥料を与える。
- 夏までに2~3回剪定する。
- 冬越しは地上部分を切り戻しておく。
以上が、コバルトセージを鉢植え・プランターで育てる方法です。地植えができない場合は上記の方法で育ててみてくださいね。
植え替え時期と方法
コバルトセージの植え替え時期は、春と秋が適しています。
生長力が旺盛で根が回りやすいので、鉢植えの場合は2~3年に一度植え替えをしましょう。地植えの場合は植え替えは不要です。
コバルトセージの植え替え方法は、以下のとおりです。
- 一回り大きな鉢を用意する。
- 鉢底石(軽石)と用土を入れる。
- 鉢から抜いた株についた土を1/3ほど落として軽く根をほぐす。
- 根が絡まっている場合は切り落としても構いません。
- 株を入れて、隙間に土を入れる。
- 根元をしっかりと土で覆い水やりをする。
以上が、コバルトセージの植え替え時期と方法です。
コバルトセージを室内で育てる際の注意点
コバルトセージは、日当たりと風通しが良い場所が適しているので、室内で育てる場合は窓際やベランダなどに置きましょう。
西日にも耐えますが、直射日光が強すぎる場合はカーテンなどで遮光してあげると良いです。
コバルトセージは耐寒性が強いため屋外で冬越しすることができますが、室内で冬越しする場合は、低温多湿にならないように注意が必要です。花が終わったら株元でばっさりと切り戻しましょう。冬場は地上部分が無くなりますが、春になると株元から芽吹きます。
剪定・切り戻し・摘心する目的と方法・時期
コバルトセージを剪定・切り戻し・摘心する目的は、草姿を整えて花数を増やすことにあります。
生長力が強く、放任しておくと茎が伸びすぎて倒れやすくなったり風通しが悪くなって病気になる原因にも繋がります。剪定(切り戻し・摘心)することで、枝数を増やし通風を確保し、花つきを良くすることができます。
コバルトセージを剪定・切り戻し・摘心する方法は、以下のとおりです。
適期 | 目的と方法 | |
剪定 | 株の形や庭のバランスに合わせて行う。 | 樹木の大きい枝の芽を残さずに切り落としたり、通風や採光を妨げているような込みすぎた枝を切り取ったりします。コバルトセージは草丈が高くなるので鉢植えより地植え向きですが、地植えでも大きくなりすぎる場合は剪定が必要になることがあります。 |
切り戻し | 梅雨や夏前や開花後 | 伸びた茎(枝)を短く切り詰めて、株の形を整えたり、咲き終わった花穂を取り除いたりします。切り戻しは、傷んだ茎や込みすぎた茎を取り除くときや、開花後に花穂ごと茎を切るときに行います。 |
摘心 | 春か秋 (定植後にしっかり根付いたら) |
茎の先端の芽(頂芽)を摘むことにより、茎の側面にある芽(脇芽)の生長を促します。また、一定の高さで止めたい場合や枝数を増やしたい場合にも行います。 |
耐寒性と冬越しの方法
コバルトセージの耐寒性は強く、屋外で冬越しすることができます。ただし、鉢植えの場合は、根が凍らないように注意が必要です。鉢を発泡スチロールや新聞紙などで包んだり、鉢底に敷くものを厚くしたりするとよいでしょう。
コバルトセージの冬越しの方法は、以下のとおりです。
- 花が終わったら、株元でばっさりと切り戻す。
- 地植えの場合は自然の雨水以上の水やりは行わない
- 鉢植えの場合は土が乾いていたら水やりを行う。
以上が、コバルトセージの耐寒性と冬越しの方法です。
冬越しの際は、強剪定をして株を休ませて翌年の芽吹きを促します。冬場は地上部分が無くなっても根は生きているので春になると株元から芽吹いてきます。
夏越しは蒸れと水切れに注意する
コバルトセージは耐暑性が強いため、特別な夏越しは必要ありませんが、真夏の蒸れと水切れには注意が必要です。
鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。地植えの場合は降雨に任せますが、乾燥して水切れするようなら水やりをします。直射日光が強すぎる場合は、カーテンや遮光ネットなどで遮光してあげましょう。
コバルトセージは地下茎からも芽吹く
コバルトセージは、冬に地上部が枯れても根が生き残り春になると再び芽を出す宿根草です。
この植物は、地下茎からも芽吹くことがあります。地下茎とは、地中に横に伸びる茎のことで、栄養や水分を貯めたり、新しい芽や根を出したりする役割があります。
これを切り離して植えることで増やすこともできます。
種から育てるよりも早く花が咲きますし、親植物と同じ特徴を持ったコバルトセージを育てられるというメリットもあります。
ただし、意図しないところに地下茎が伸びて増えていく可能性もあるのでその点にはご留意ください。
コバルトセージの花言葉
コバルトセージの花言葉は「尊敬」「知恵」「家庭の徳」「燃ゆる想い」です。
コバルトセージはセージの一種で、セージに近い花言葉が付けられたと考えられます。
セージは古くから薬草や香辛料として使われ、不老不死や長寿をもたらす力があると信じられていました。また、セージを家の庭に植えると家族が健康で幸せになるというイメージもありました。
コバルトブルーの美しい花は、燃えるような情熱や愛情を表現することもできます。
コバルトセージの花期と咲かない時の対処法
コバルトセージの花期は晩夏から秋にかけてですが、正常に生育していないと花が咲かないこともあります。
コバルトセージが咲かない時の原因としては、以下のようなものが考えられます。
主な原因 | 対処法 |
日当たりが悪い | コバルトセージは日当たりと風通しが良い場所が適しています。日陰や蒸れた場所では花付きが悪くなります。日向や西日にも耐えるので、明るい場所に移動させましょう。 |
肥料が多すぎる | コバルトセージは肥料をあまり必要としません。肥料が多すぎると草丈が伸びて倒れやすくなり、花数も減ります。肥料は春と秋に緩効性肥料を与える程度で十分です。 |
剪定をしていない | バルトセージは茎がよく伸びるので、放任すると伸びすぎて倒れやすくなります。夏までに2〜3回切り戻しておくと、脇芽が増えて花数が多くなります。草丈も抑えられるので、開花の時期に倒れることもありません。 |
コバルトセージが倒れる理由と対処法
コバルトセージが倒れる理由は、茎が細くて長く伸びることにあります。
茎がよく伸びるので、放任すると1mを超えて開花の頃には倒れやすくなるうえ、茎が細いので花が咲く頃には草姿が乱れてしまいます。
コバルトセージが倒れないようにするには、夏までに2〜3回切り戻すことがポイントです。6月から8月初旬にかけて2〜3回短めに切り戻すと、脇芽が出て枝数が増え、たくさんの花が咲きます。草丈も抑えられるので、開花の時期に倒れることもありません。
また、背丈が高くなってきたら支柱を立てるなどの対策をするとよいでしょう。
コバルトセージの増やし方
コバルトセージは、以下の3つの方法で増やすことができます。
- 挿し木
- 株分け
- こぼれ種
それぞれの増やし方について詳しくお伝えしていきます。
挿し木で増やす方法と時期
3~5月か9~10月が挿し木の適期です。
茎を先端から10~15cm切り取り、上から2~3枚の葉を残して切り落とします。
切り口を1時間ほど水につけたら、湿らせたバーミキュライトや赤玉土に挿し、日陰で管理し土が乾かないように水やりをします。
約1ヶ月ほどで発根するので、鉢に植え替えます。
株分けで増やす方法と時期
春か秋に、株の外側にある若い部分を切り取ります。(根がついていることを確認してください)
切り取った部分を鉢に植え付けます。用土は水はけと水持ちの良いものを選びます。水やりは土が乾いたら行い、日陰で管理します。
新しい芽が出てきたら、日当たりの良い場所に移します。
こぼれ種でも増える
コバルトセージの種は花が終わった後に茎の先端にできます。
種を収穫しても良いですが、そのままにしていてもこぼれ種で増えることがあります。
茎を切り取って乾燥させ、種を取り出して保存して、適期に種まきをする方が増える確率は高まるかもしれませんが、放っておいても増えていきます。
まとめ:コバルトセージの育て方のポイント
コバルトセージは青紫色の花と香りのある葉を持つ多年草で、日当たりと水はけの良い場所で育てると元気に咲きます。
冬越しする場合は、鉢植えなら室内に入れるか霜よけをすることが大切です。地植えなら、株元に土や落ち葉をかぶせるか、マルチングをすることがおすすめです。
また、地下茎から新しい芽を出す性質があるため、春に分株や挿し木で増やすことができます。
コバルトセージは繰り返し咲く花なので、定期的に枯れた花を摘むことで美しさを保ちます。
上手に育てて、青紫色の美しい花を楽しみたいですね。