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スイートマジョラムの育て方|種まき・冬越しや鉢植えでの栽培方法

2024年5月24日

スイートマジョラムはオレガノの仲間で、甘くスパイシーな香りがするハーブです。

料理の風味付けやハーブティーに利用できるだけでなく、花言葉は「常に幸福」という素敵な植物なので、自宅で育ててみたいという方も多いと思います。

スイートマジョラムは丈夫で育てやすいハーブなので初心者にも育てやすい性質がありますが、高温多湿に弱いことと冬越し時に注意が必要です。

また、種まきのほか挿し木や株分けで増やすことができるので、徐々に数を増やしながら楽しむことができるハーブです。

この記事では、スイートマジョラムの育て方や栽培方法について詳しく解説します。種まきや冬越し、鉢植えでの栽培方法などについて、参考にしてみてくださいね。

スイートマジョラム栽培に適した環境づくり

スイートマジョラムは地中海沿岸・北アフリカが原産地で、日当たりがよく水はけのよいアルカリ性の土壌を好みます。

高温多湿や寒さに弱いので、風通しをよくして蒸れや霜を避けることが大切です。

用土づくり

庭植えの場合は土壌が酸性の場合は苦土石灰をまいて中和しておきます。鉢植えの場合は、市販の草花用培養土やハーブ用培養土を使うか、赤玉土と腐葉土を6:4でブレンドして苦土石灰を少量加えた土を作ります。

水・肥料の与え方

乾燥気味に管理する必要があるので、庭植えの場合は根付けばほとんど降雨だけで十分です。鉢植えの場合は土の表面が乾いてから2~3日後にたっぷりと水やりをします。鉢皿に水が溜まったままにしないように注意しましょう。

あまり多くの肥料は必要ありません。植え付け時に元肥として緩効性化成肥料を施します。切り戻しや収穫の後には、液体肥料か緩効性化成肥料を追肥します。

種まき時期と方法

春に種まきをする場合は、春(3月~4月)か秋(9月頃)に行います。秋植えの場合は直まきか鉢まきが適しています。

霜が降りる可能性がある場合は、育苗箱や平鉢などを使って室内で発芽させるとよいでしょう。

種まきの手順は以下のとおりです。

  1. 育苗箱や平鉢に水はけのよい土(赤玉土(小粒)や市販の草花用やハーブ用培養土など)を入れる。
  2. 土を平らにして重ならないように種をまく。(1cm程度の間隔を空けると良いです)
  3. 種の上に薄く(1cm以下)土をかぶせる。
  4. 霧吹きなどで優しく水を与えて土を湿らせる。
  5. 育苗箱や平鉢にビニールなどをかぶせて保温する。
  6. 日当たりのよい場所に置く。
  7. 土が乾いたら水やりをし、ビニールが曇ったら空気穴を開けて換気する。
  8. 1週間~2週間ほどで発芽するので、発芽したらビニールを外して日光に当てる。
  9. 本葉が6枚から8枚になったら植え替える。

それほど難しいこともなく発芽させることができるので是非挑戦してみてくださいね。

地植えの時期と方法

スイートマジョラムは、春(3月~4月)か秋(9月~10月)に地植えすると良いです。ただし、高温多湿や寒さに弱いので気温や湿度にご注意ください。

地植えの方法は次のとおりです。

  1. 日当たりと風通しの良い場所を選ぶ。
  2. 植え付け時に元肥として緩効性化成肥料を施す。
  3. 穴を掘り、苗を植える。
  4. 複数の株を植える場合は株間を30cmほど空けて植える。
  5. 手で軽く土を押さえて固める。
  6. たっぷりと水やりをする。

乾燥した晴天が続く場合に限り、水やりを行う程度が適しています。

鉢植え・プランターで育てる方法

スイートマジョラムは、地植えだけでなく鉢植えやプランターでも育てることができます。ただし、高温多湿や寒さに弱いので、気温や湿度に注意してください。

植え付け時期は地植えと同じく、春(3月~4月)か秋(9月~10月)に行うのが適期です。

鉢植えやプランターで育てる際のポイントをまとめると、次のとおりになります。

ポイント 補足
鉢植え・プランター選び 水はけのよい素材を選びます。サイズは6~7号鉢に1株が目安です。
用土 水はけのよいややアルカリ性の土を好むため、市販の草花用やハーブ用培養土を使うほか、赤玉土(小粒)と腐葉土を6:4でブレンドして、苦土石灰を少量加えた土を作ると良いでしょう。
植え付け 鉢底に鉢底石を約2cm並べ、培養土を鉢の深さの8分目まで入れて平らにならします。苗の根元から上部の葉を残して、茎を水平に伸ばして植え付け、最後にたっぷり水を与えます。
管理 乾燥気味に管理するのが良いので、土の表面が乾いてから2~3日後に水やりをします。

植え替え時期と方法

スイートマジョラムの植え替えは以下の時期を目安に行います。

  • 鉢植えの場合:鉢が根でいっぱいになったら
  • 地植えの場合:周りの植物が賑わい出して日当たりや風通しが悪くなったら

適期としては、5月か9~10月で、冬越しに備えて10月までに済ませるようにしたいところです。

基本的には地植えや鉢・プランターへの植え付け時と同じ方法で構いませんが、鉢やプランターのサイズは1回り大きなものにすることと、新しい用土を使う点にご留意ください。

スイートマジョラムの花が咲く時期と香り・花言葉

スイートマジョラムは、6月~7月に白い小さな花を咲かせます。花序は苞が連なった球状で、コブのような形をしています。

この花序の形から、英名は「結び目のあるマジョラム」という意味のknotted marjoramとも呼ばれます。

スイートマジョラムの花には、「常に幸福」「恥じらい」「赤面」という花言葉があります。これらの花言葉は、古代ギリシャ・ローマ時代に、新婚の二人の幸福を願ってスイートマジョラムの花冠を作ったという風習に由来します。花冠を付けた花嫁の姿が恥じらいや赤面を表していると考えられています。

また、花だけでなく、葉にも甘くスパイシーな香りがあります。この香りは、乾燥させても落ちず料理や香水などに利用されます。特に料理では、肉や野菜など様々な食材と相性がよく風味を引き立ててくれます。

室内での育て方

スイートマジョラムは、半耐寒性で寒さにやや弱いハーブです。霜が降りるような冬は、鉢植えにして室内の窓辺で育てるとよいでしょう。

基本的な育て方は鉢・プランターでの育て方と一緒で構いませんが、室内では日照不足になりやすいので、日当たりのよい窓辺に置きます。

冬でも新鮮な葉を収穫できますが、暖かい窓辺では徒長して倒伏しがちになるので、こまめに収穫すると良いです。

害虫ではハダニがつくことがあります。鉢植えでは乾燥期に発生しやすいので、定期的に葉裏をチェックして、発見したら殺虫剤を散布するなど対処しましょう。

剪定(摘心・切り戻し)する方法と目的・時期

スイートマジョラムは、枝葉の過密による蒸れや風通しの悪さを防ぐために、ほぼ年中収穫を兼ねた剪定が必要です。

よく生長した株の大きさに合わせて半分から3分の1程切り戻すことで、開花や結実による栄養の消耗を防ぐ効果も得られます。

摘心・切り戻しのポイントは次のとおりです。

ポイント
摘心 草丈が15cmほどに生長したら枝先を摘みとっていきます。これによって左右にわき芽が伸びてくるので、株張りがよくなります。
切り戻し 梅雨入り前、収穫を兼ねて枝を切り戻して風通しをよくします。混み合っている部分を中心に、枝数を半分ほどに減らしていきます。これにより高温多湿によって枯れてしまうことを防ぐ効果があります。

摘心や切り戻しは、スイートマジョラムの健康的な生長と香り高い収穫のために重要な作業です。適切なタイミングと方法で行ってください。

収穫時期と方法

スイートマジョラムは、葉や茎、開花前の蕾を収穫して料理やアロマに利用できるハーブです。

収穫時期と方法は次のとおりです。

説明
収穫時期 主に葉や茎を使う場合には年中収穫が可能ですが、開花直前の5月初旬が最も香りがよくなる時期です。
収穫方法 茎の長さ半分程の位置で切って収穫します。大株になれば、株元5cm程残して収穫できます。まだ子株の場合には、茎を残して葉や開花前の蕾だけを優しくしごき取るように収穫することをおすすめします。

以上がスイートマジョラムの収穫時期と方法です。収穫したスイートマジョラムは、そのまま使うか、乾燥させて保存することができます。

スイートマジョラムの使い方についてはこちらのページで詳しくお伝えしています。

夏越しの方法と注意点

スイートマジョラムは、高温多湿の環境が苦手なハーブです。夏越しには、以下のような注意点があります。

やること ポイント
切り戻し 梅雨入り前に収穫を兼ねて枝を切り戻して風通しをよくします。これを行わないと、高温多湿によって枯れてしまう可能性があります。
鉢移動 鉢植えの場合は雨の当たらない軒下などに移動します。直射日光が当たらないように日陰に置くと、水分の蒸発が抑えられます。
水やり 乾燥気味に育てることが基本ですが、夏場は気温が高く水分の蒸発も早いので用土の表面が乾いたら水やりをします。ただし、鉢皿に水が溜まったまま放置しないように注意します。

耐寒性と冬越しの方法

スイートマジョラムは、半耐寒性で寒さにやや弱いハーブです。暖地では戸外での冬越しが可能ですが、その他の地域では室内に取り込むか一年草として扱います。

冬越しには、以下のような方法があります。

植え付け場所 ポイント
鉢植えの場合 10月中に鉢上げして、日当たりのよい窓辺に置きます。水やりは乾かし気味にして根腐れに注意します。暖かい窓辺では徒長して倒伏しがちになるので、こまめに収穫します。
庭植えの場合 霜が降りる程度の気温には耐えられるため、関東地方以西ではマルチング(株元をわらなどで保護する)すれば、タネをまいて2回目の冬からは庭で冬越しさせることもできます。ただし、厳しい寒さには弱いので寒冷地では一年草として扱います。

スイートマジョラムの増やし方

スイートマジョラムは、種まき以外にも

  • 挿し木で増やす方法
  • 株分けで増やす方法

この2通りの方法で増やすことができます。

それぞれの方法による増やし方と適した時期についてご紹介します。

挿し木で増やす方法と時期

スイートマジョラムを挿し木で増やすのは5月頃が適期です。

挿し木の手順は次のとおりです。

  1. 枝を5~10cmほどの長さに切る。
  2. 赤玉土(小粒)など挿し木用の土に挿す。
  3. 半日蔭に置く
  4. 根が出るまで土が乾かないように水やりをする。

株が十分に生長したら、鉢や地面に植え替えます。

株分けで増やす方法と時期

株分けで増やす場合でも5月頃が適期です。

具体的な手順は次のとおりです。

  1. 株にナイフなどで切り込みを入れて分ける。
  2. 切り分けた株をそれぞれ鉢や地面に植え付けます。
  3. 水をたっぷり与えて根付かせる。
  4. 通常通り管理する。

スイートマジョラムは丈夫なハーブなので、多少根が傷んでも簡単に根付くので、株分けはそれほど難しいことはありません。

まとめ:スイートマジョラムの育て方のポイント

スイートマジョラムは、日当たりと水はけのよい場所で育てることがポイントです。種まきは春か秋に行い、挿し木や株分けは5月頃に行います。

水やりは乾燥気味にし、肥料は控えめに与えます。梅雨時期には風通しをよくして蒸れを防ぎ、冬は霜よけをしてください。

スイートマジョラムは、香りや風味が豊かなハーブです。自宅で育てれば、料理やハーブティーに使ったり、ポプリや花冠にしたりと楽しみ方がたくさんあります。

  • この記事を書いた人

「ハーブ民」編集部

北海道でハーブ苗の販売を行っている合同会社リンクウィットのハーブブログ編集部。 「初心者にもわかりやすく・楽しく」をモットーに、ハーブの魅力や育て方をハーブ愛MAXでお伝えしています! 姉妹サイト「ハーブティータイムズ」も楽しく運営中^^

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