ラムズイヤー(スタキス)は、ふわふわとしたシルバーの葉が特徴的な多年草です。
初夏には紫やピンクの花を咲かせ、葉はハーブやドライフラワーとしても利用できるため、自宅でも育ててみたいと思っている方も多いのではないでしょうか?
しかし、ラムズイヤーは日本の高温多湿の気候にはあまり適していないので栽培には注意が必要です。また、放っておくと増えすぎて困ってしまうことも少なくありません。
そこでこの記事では、ラムズイヤーの育て方について詳しく解説します。特に、株分けの方法やタイミング、増えすぎを防ぐための栽培方法についてご紹介します。
ラムズイヤーとは
ラムズイヤーは観葉植物としてもハーブとしても人気の高い植物です。ここでは、主なの特徴と特性、原産地と生育環境についてご紹介します。
主な特徴と特性
ラムズイヤーは、葉がラム(子羊)の耳のような形をしていることからその名前がつけられました。
葉は銀灰色で切れ込みが深く入っており、触るとふわふわとした毛が生えているのが特徴です。
葉の形状や色合いが美しいため、観葉植物としても人気がありますが、葉には特有の香りがあり、その香りはハーブとしても利用されます。さらに、葉には抗菌作用があり、古くから傷口の消毒に使われてきました。
ラムズイヤーは、料理にも使われることがあります。その特徴的な風味と食感は、サラダやスープなどの料理にアクセントを与えることができます。また、天ぷらとしても食べられ、サクサクとした食感が楽しめます。
原産地と生育環境
ラムズイヤーはヨーロッパを原産地とする多年草です。日本では、北海道や本州の冷涼な地域で栽培されています。
日当たりの良い場所を好みますが、直射日光には弱いため、半日陰の環境が適しています。また、湿度が高い場所でも育ちやすく水はけの良い土壌を好みます。
耐寒性があり冬季でも枯れることなく成長するため、寒冷地でも栽培が可能です。育て方は比較的簡単であり、初心者でも育てやすい植物です。
ラムズイヤー栽培に適した環境づくり
ラムズイヤー(スタキス)は日当たりと風通しの良い場所での栽培が適していますが、半日蔭でも育てられるハーブです。
日当たりの良い場所で育てるとよく花を咲かせるので、半日陰で育てると花が少なくなる可能性がありますが、シルバーリーフとしての魅力は十分に楽しめます。
ラムズイヤーは寒さに強いので、冬場であっても半日陰でも問題なく育てられます。
用土づくりや水・肥料の与え方のポイントは次のとおりです。
用土づくり
土は中性〜弱アルカリ性で水はけが良いものを好みます。
鉢植えの場合は、赤玉土6:腐葉土3:軽石1の割合で混ぜたものか、市販のハーブ用培養土を使います。地植えの場合は、植え付けの1週間前くらいに苦土石灰を混ぜて耕しておきます。
水やり
ラムズイヤーは少し乾燥気味に育てることで元気に育ちます。
地植えの場合は、根が定着したらその後の水やりはほとんど必要ありません。鉢植えの場合は、土が乾いたタイミングでたっぷりと水をあげてください。ただし、真夏は昼に水をあげると外気で水が温まり根腐れしやすいため、朝か夕方にあげましょう。
肥料の与え方
ラムズイヤーは少しの栄養でも丈夫に生長するため、肥料は控えめで大丈夫です。あらかじめ、元肥として緩効性化成肥料を混ぜておくとよいでしょう。
地植えの場合は追肥は特に必要ありませんが、鉢植えの場合は3〜5月または9月中旬〜10月頃に液体肥料を与えます。肥料の与えすぎはかえって根や葉を傷めてしまうため、与える量に注意しましょう。
種まき時期と方法
ラムズイヤーの発芽温度は15℃〜20℃程度なので、種まきは、春(4月~5月頃)もしくは秋(9月~10頃)が適期です。
涼しい地域なら春に種をまくとよく育ちます。目安としては桜が散るころに種をまくと発芽させやすいです。
種まきの手順は以下のとおりです。
- 育苗ポットかジフィーポットに種まき用の土を入れる。
- 中心に穴をあけて数粒種を蒔く。
- 種を薄く土で覆う。
- 霧吹きで湿らせる。
- 土が乾かないよう水やりをして管理する。
本葉が数枚出たら生育のよいものだけを残して間引き、本葉が5~6枚くらいになったら鉢や地面に植え替えます。
地植え時期と方法
ラムズイヤーは、日当たりがよく風通しの良い場所に地植えするとよく育ちます。ただし、高温多湿を嫌うので夏場は鉢植えにして涼しい場所に移動させると良いでしょう。
寒さには強いので、暖地なら地植えしたまま越冬可能です。
ラムズイヤーは酸性の土壌を嫌うので、地植えにする場合には、1週間程前に適量の苦土石灰を混ぜ込んで土壌を中和させておくようにします。
また、水はけのよい土壌を好むので、斜面の低い位置よりは高い位置に植えるか、平地なら少し土を盛って周囲より高くした場所に植えると良いでしょう。
複数の苗を植える場合は、20cm程度の間隔を取って植え付けるようにします。植え付けた後はたっぷりと水やりをしましょう。
鉢植え・プランターで育てる方法
ラムズイヤーは、地植えだけでなく鉢植え・プランターでも育てられるハーブです 。
鉢植え・プランターで育てる場合は、以下の点に注意しましょう。
- 6〜8号鉢程度のサイズのものを準備する。
- 鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れる。
- 培養土を半分くらいまで入れる。
- 苗をポットのまま鉢に仮置きして高さを決める。
- ポットから苗を出し、軽く根鉢をほぐして植え付ける。
- 鉢底からたっぷりと流れ出すまで十分に水を与える。
培養土は、赤玉土(小~中粒)7:腐葉土3の配合の土に苦土石灰を少し混ぜたものか、市販のハーブ用培養土を使います 。ラムズイヤーは水はけの良い土壌を好むので、水はけが悪い場合は赤玉土や軽石などを混ぜて改良しましょう。
置き場所は、日当たり風通しのよい場所に置いて管理します。日当たりが悪い場所では、花つきが悪くなったりヒョロヒョロとか弱い茎葉が茂って草姿が間のびしたりするので注意しましょう。
表面が産毛に覆われているせいで蒸れやすいため、長雨が続く時期は軒下など雨の当たらない場所に移動すると良いです。
また、真夏の高温多湿の環境を苦手とするので、風通しのよい半日陰など涼しい場所で管理するようにします。寒さには強いので、暖地なら戸外で越冬できます。
植え替え時期と方法
ラムズイヤーを鉢植えで育てる場合は、植え付けをしてから2年~3年を目安に植え替えをするとよいでしょう 。
植え替えの時期は春か秋が適しています。実際の植え替え手順は次のとおりです。
- 古い鉢から苗を取り出す。
- 根が鉢に張り付いている場合は、鉢を軽く叩いてほぐす。
- 根の部分についた古い土を取り除く。
- 根が絡まっている場合は、優しくほぐす。
- 根腐れや病気の兆候がある場合は切り取る。
- 新しい鉢に苗を植え付ける。
- 鉢底からたっぷりと流れ出すまで十分に水を与える。
新しい鉢は、古い鉢よりも一回り大きいサイズのものを選ぶようにしましょう。
ラムズイヤーの花が咲く時期と香り・花言葉
ラムズイヤーは、5月~7月に茎の先端に紫色の小さな花を穂状に咲かせます。
花はドライフラワーとしても人気があり、ポプリやリースなどのクラフト素材にも使われます。
花は、ほのかにパイナップルのような香りがします。しかし、香りを楽しむというよりはその質感を生かしてグランドカバーや寄せ植えに利用されることの方が多いです。
ラムズイヤーの花言葉は、「あなたに従う」です。この花言葉は、羊の耳に似た葉っぱからつけられた名前が、羊飼いに付き従う従順な羊を連想させることに由来しています。自己主張せず優し気な存在感のラムズイヤーにぴったりの花言葉といえるでしょう。
花後の処理
花が終わったら株元で花茎を剪定しましょう。これは、花茎が枯れて株を圧迫したり、種が飛んで増えすぎたりするのを防ぐためです。また、花茎をドライフラワーにしたい場合は、開花まもないうちに剪定した方が美しいドライフラワーに仕上がります。
ラムズイヤーの葉もドライフラワーとして利用できます。その場合は、葉を重ならないようザルに並べて乾燥させます。乾燥させた葉に精油を振りかけて香り付けすると、ポプリとして楽しめます。
ラムズイヤーの花が咲かない原因と対策
ラムズイヤーは初夏に紫やピンクの小さな花を咲かせますが、日当たりや水やり、肥料の管理によっては花が咲かないこともあります。
花が咲かない原因と対策について以下にまとめました
日当たりが悪い場合 | 日当たりと風通しが良い場所での栽培が適しています。日光が足りないとヒョロヒョロと徒長するので注意しましょう1。日当たりの良い場所に移動させるか、切り戻して再生させましょう。 |
水やりが多すぎる場合 | 多湿を嫌うため、水はけが良い場所に植え付けましょう1。鉢植えは、土が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水をやりましょう2。ラムズイヤーの葉は水に濡れすぎるとしみができるので、なるべく葉には水をかけないようにしましょう |
肥料が多すぎる場合 | 特に肥料を必要としない植物ですが、成長不良時には緩効性の肥料を与えるとよいでしょう3。鉢植えの場合は、3~5月の間と9~10月の間に液体肥料を施すと安心です3。葉ばかり繁ってくるようなら、肥料分が多すぎるかもしれません2。その場合は、肥料を控えてみましょう。 |
ラムズイヤーの葉っぱの育て方
ラムズイヤーの葉っぱは、ふわふわとしたビロードのような手触りが特徴的です。葉っぱには香りがあり、ハーブとしても利用できます。
ラムズイヤーの葉っぱを育てるには、
- 日当たりと風通しの良い場所に植える
- 適切な土づくりをする
- 肥料を与える
こうした基本的な条件を満たすことが必要になります。
また、葉っぱを増やすには株分けや挿し木で増やすことも可能なので、育てると同時に増やすことも検討してみてはいかがでしょうか。
室内での育て方
ラムズイヤーは日当たりと風通しの良い場所で育てるのが理想ですが、室内でも育てることは可能です。
室内で育てる際の注意点を以下にまとめました。
日光が十分に当たる窓際に置く | 日光が足りないと徒長してしまうので、室内でも日光が十分に当たる窓際に置きましょう。ただし、真夏の西日が長時間当たる場所は避けるようにします。また、風通しが悪いと病害虫にかかりやすくなるので、定期的に窓を開けて空気の流れを良くしましょう。 |
水やりのタイミング | 乾燥に強く、水やりが多すぎると根腐れや葉焼けの原因になります。室内では乾燥しやすいので、土が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えましょう。 |
水はけの良い土壌づくり | 多湿を嫌うため、水はけが良い土壌を用意しましょう。酸性の土壌も苦手なので、苦土石灰を混ぜ込んで中和させます。鉢植えの場合は、ハーブ用か草花用の培養土を使うか赤玉土6:腐葉土4:軽石1の割合で混ぜた土で育てるのが良いです。 |
水耕栽培する方法
ラムズイヤーは水耕栽培でも育てることができます。
水耕栽培のメリットは、土がないので衛生的であることや水やりの手間が省けることなどが挙げられます。ラムズイヤーは乾燥に強い植物ですが、水に浸けても根腐れしにくいので、水耕栽培に適しています。
ラムズイヤーの水耕栽培の方法は、以下のとおりです。
【挿し木で増やす場合】
挿し木で増やしてそのまま水耕栽培することができます。
挿し穂を直射日光の当たらない明るい場所に置き、水が汚れたら取り替えます。1ヶ月ほどで根が出てくるので、そのまま水耕栽培を続けることができます。
実際の手順については挿し木で増やす方法をご参照ください。
【鉢植えや地植えから移す場合】
すでに鉢植えや地植えされているラムズイヤーも、水耕栽培に移すことができます。その場合は、土から掘り上げて根を洗い、土を完全に落とします。その後は、挿し木と同じように透明なガラス瓶などに水を入れて浸します。
ただし、鉢植えや地植えから移す場合は、根が傷んだり落ちたりする可能性があるので、注意が必要です。
剪定・切り戻しする方法と目的・時期
ラムズイヤーの剪定・切り戻しに適した時期は、3〜5月もしくは9〜10月です。剪定を行う主な理由は、以下のとおりです。
- 花茎が伸びすぎて見栄えが悪くなるのを防ぐ
- 茎や葉が密集して風通しが悪くなるのを防ぐ
- 根腐れや病気の発生を防ぐ
- 花後の株の回復を促す
ラムズイヤーの剪定・切り戻しの方法は、以下のとおりです。
- 花茎が伸び始めたら、咲く前に切り落とす(種採取をする場合は除く)
- 茎や葉が重なり合っている部分を選んで間引くように切る
- 花後に草丈が1/2〜1/3になるよう切り戻す
次にラムズイヤーの冬越しの方法についてお伝えしますが、冬越しの準備としても剪定や切り戻しは必要となります。
耐寒性と冬越しの方法
ラムズイヤーの耐寒性は-10℃ほどまではあるので、寒冷地以外では屋外で越冬できるほど寒さに強い植物です。
失敗なく冬越しをするためには、以下の2つのポイントに注意しましょう。
剪定・切り戻し | 冬になると古い葉が枯れてしまいます。枯れた葉は株元から取り除き、風通しを良くします。また、花後や枯れた部分があるときには、剪定や切り戻しをして株を整えます。 |
マルチング | 寒さに強いですが、凍結や乾燥には弱いです。地植えの場合は、敷きワラや落ち葉などでマルチングをして凍結対策と保湿対策をします。鉢植えの場合は、鉢底から水が抜けるようにしておきます。 |
ラムズイヤーは北海道でも冬越しできる
ラムズイヤーは-10℃ほどまでは耐寒性があるのでほとんどの地域で越冬できますが、北海道では-20℃以下になることもあるため、屋外での冬越しは難しいので屋内に取り込む必要があります。
室内では窓際など明るくて涼しい場所に置き、水やりは乾燥したら少量ずつ行うようにします。
春になって雪が融けたら外に出して庭へ地植えしても良いですし、鉢やプランターのまま屋外で栽培を続けても構いません。
ラムズイヤーの増やし方
ラムズイヤーは種まきの他にも、
- 挿し木
- 株分け
この2つの方法でも増やすことができます。それぞれの方法については次にご紹介します。
挿し木で増やす方法と時期
挿し木を行うのは、生育がよい3~5月か9~10月が適期です。
手順は次のとおりです。
- 元気な茎を先端から10cmほど切り取る。
- 先端の葉を5枚程残し、土に挿す部分の葉を落とす。
- 大きな葉は半分~2/3程切り落とす。
- 30分程水揚げ(水に浸す)する。
- 切り口を斜めにカットする。
- 挿し木用土(赤玉土など)に挿し穴を開ける。
- 空けた穴に茎を挿す
- 直射日光の当たらない明るい日陰で管理する。
新芽が出てきて発根してたことが確認できたら、庭や鉢などに植え替えます。
株分けで増やす方法と時期
株分けの適期も挿し木と同様に3~5月か9~10月です。
手順は次のとおりです。
- ラムズイヤーの株を土から掘り上げる。
- 地下茎をハサミで切り分ける。
- 切り分けた株を新しい場所へ植え付ける。
- たっぷりと水やりをする。
切り分けるときは、新芽や茎、新しい根が均等に分かれるようにします。
ラムズイヤーが増えすぎるのを防ぐ方法
ラムズイヤーは地面を這うように茎を伸ばして広がっていく植物です。
グランドカバーとして利用する場合はその特徴が活かされますが、場合によっては増えすぎてしまうこともあります。そんなときは、以下の方法で対処しましょう。
剪定する | 生育旺盛な時期になると茎が伸びすぎて他の植物のスペースを侵すことがあります。3~5月か9~10月に茎の先をカットしたり、込み入ったところを間引くようにカットしたりしてコンパクトに仕立てます。 |
株分けする | 根が張って株が大きくなると花付きが悪くなったり、株の中心が枯れたりすることがあります。その場合は、2年に1回程度の頻度で株分けをして若返らせます。 |
花茎を切る | 花が終わると種を飛ばして自然に増えます。種から増やしたい場合は問題ありませんが、そうでない場合は咲く前に花茎を切り落とすとよいです。花茎はドライフラワーにもできるので、捨てずに活用しましょう。 |
これらの方法でラムズイヤーの生育をコントロールして、増えすぎて困ることのないようにしたいですね。
収穫時期と方法
ラムズイヤーは、葉や花を食用やドライフラワーとして利用できるハーブです。
収穫時期と方法は以下のとおりです。
葉の収穫
葉は寒い冬を除けばいつでも収穫できます。収穫するときは、株元から切り取るか葉の付け根を摘むようにします。
花の収穫
花は5~7月頃に開花するので、花茎を株元から切り取ります。ドライフラワーにする場合は、開花まもないうちに切り取ると美しいドライフラワーに仕上がります。
種の収穫
種は自然に飛ばして増えることもありますが、種まきで増やしたい場合は種を採取します。収穫するときは、花茎の先端部分を袋などで覆って振って落とします。
種はすぐにまかない場合はそのまま使用し、保管する場合は茶封筒などに入れて冷蔵庫の野菜室で保管します。
ラムズイヤーの使い方については、こちらのページで詳しくお伝えしています。
種取り方法
ラムズイヤーは、種まきで簡単に増やすことができます。種取り方法は以下のとおりです。
時期 | 花が終わった後に種ができるので、8~9月頃が種取りの適期です 。 |
方法 | 花茎の先端部分に小さな種が付いているので、種が飛ばないように袋やネットなどで覆っておきます 。種が乾燥して茶色くなったら、袋やネットを外して花茎を切り取ります 。切り取った花茎を袋の中で振って種を落とします。 |
保管 | 冷蔵庫の野菜室で保存すると良いでしょう。保存期間は約1年程度ですが、新鮮な方が発芽率が高いので早めにまくことをおすすめします 。 |
ラムズイヤーにつきやすい虫と害虫対策
ラムズイヤーは目立った病害虫の害は少ない植物ですが、風通しが悪いとアブラムシがつくことがあります。
アブラムシは茎や葉に吸着して植物の栄養分を吸い取り、成長を阻害したり、ウイルス病を媒介したりする害虫です。
アブラムシに対する対策としては、以下の方法があります。
予防 | 弱った植物につきやすいので、適切な水やりや肥料などで健康的に育てることが大切です。また、アブラムシの天敵であるテントウムシやカマキリなどの益虫を呼び込むために、花壇にはさまざまな花を植えるとよいでしょう。 |
発見 | 小さくて目立ちにくいので、こまめに葉の裏や茎の付け根などをチェックしましょう。アブラムシがついていると、葉がひどく巻き込んだり蜜露という甘い液体が出たりします。 |
駆除 | アブラムシが少量の場合は、水やぬるま湯で洗い流したり手でつぶしたりして駆除しましょう。多量の場合は、薬剤を使って駆除する必要があります。市販の殺虫剤や自然由来の木酢液などを選んで、葉の裏などにもしっかりと吹きかけましょう。 |
ラムズイヤーがかかりやすい病気の予防と対策
高温多湿の状態が長く続くと、うどんこ病を発症することがあります。うどんこ病は葉の表面が真っ白になってしまい光合成が出来なくなる病気です。
うどんこ病に対する対策としては、以下の方法があります。
予防 | 湿気が原因で発生するので、風通しの良い場所に植えることが重要です。また、水やりは株元にだけ行って葉に水をかけないようにしましょう。雨水がたまらないように斜面や高台に植えるか、土を盛って高くするとよいでしょう。 |
発見 | 葉の表面に白い粉状の菌糸が出現することで判別できます。初期段階では小さな斑点として現れるので、早めに発見して対処しましょう。 |
対処 | 感染力が強く広がりやすいので、感染した部分は早急に切り取って処分しましょう。市販のうどんこ病用の薬剤などを葉の表裏に吹きかけて対処すると良いです。 |
ラムズイヤーの育て方に関するQ&A
ここでは、ラムズイヤーの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。
- しおれる原因は?
- ラムズイヤーに似た植物は?
- 毒性はある?
- 枯れそうな時の復活方法
- ラムズイヤーシルバーカーペットも同じ育て方で良い?
上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。
しおれる原因は?
ラムズイヤーがしおれる原因は、主に以下の3つです。
- 水やりの不足
- 高温多湿
- 寒さ
この中でも特に高温多湿の状況に注意が必要です。蒸れやすい環境では、根腐れやうどんこ病などの病気にかかりやすくなり、枯れこむことがあるためです。
風通しの良い場所に植えることや、株を切り戻して蒸れを防ぐことが大切です。
鉢植えの場合は、雨の多い季節は雨の当たらない場所に移動させるなど対処しましょう。
ラムズイヤーに似た植物は?
ラムズイヤーはふわふわとしたシルバーの葉が特徴的な多年草ですが、他にも似たような植物があります。
その中から、3つの植物を紹介します。
リクニス・コロナリア (フランネルソウ)
ラムズイヤーと同じく白い毛で覆われた葉を持つ植物です。花色は紫やピンクで、初夏に咲きます。日本では二年草扱いで、湿気に弱いので注意が必要です。
シロタエギク
ラムズイヤーと同じキク科の植物で、白い葉っぱが印象的です。耐寒性が高く、通年で植え付けや種まきができます。
ヒューケラ
ラムズイヤーとは違う科の植物ですが、白だけでなく赤やグリーンなど色とりどりの葉っぱを持ちます。カラーリーフとして人気があり、耐暑性・耐寒性も高いです。花もピンク色でかわいらしいです。
これらの植物は、ラムズイヤーと同じように寄せ植えや花壇のアクセントとして楽しめます。白い葉っぱやフワフワの触り心地が好きなら、ぜひチェックしてみてください。
毒性はある?
ラムズイヤーの葉にはタンニンやサポニンなどの成分が含まれており、過剰摂取すると胃腸の不調を引き起こす可能性がありますが、人間や動物に対する毒性は報告されていません。
食用にするという話もありますが、現在では観賞用として人気があります。
また、アレルギー体質の人は白い毛に触れるとかぶれることもあるので注意が必要です。
ガーデニングやクラフトなどで楽しむ際には、手袋を着用したり、摂取しないように気をつけましょう。
枯れそうな時の復活方法
ラムズイヤーが枯れそうな時には、以下の方法を試してみましょう。
- 水やりを控える
- 日陰に移動する
- 切り戻す
- 植え替える
土壌が酸性化していると根が弱って枯れやすくなります。鉢植えの場合は毎年、庭植えの場合は2~3年に一度、植え替えを行ってあげましょう。植え替える際には株分けも同時に行ってあげるとよいです。
枯れそうな時は早めに対処する必要があります。
ラムズイヤーシルバーカーペットも同じ育て方で良い?
ラムズイヤーシルバーカーペットは、ラムズイヤーの品種の一つで産毛が密についてシルバーの葉色がより白いのが特徴です。
花は咲かせず葉だけを楽しむタイプの植物です。
基本的にはラムズイヤーと同じ育て方で良いですが、以下の点に注意してください。
日陰に移動する | 日当たりが強すぎると葉が焼けてしまうことがあります。真夏の直射日光は避けて、半日陰の場所に移動させましょう。 |
切り戻す | 横に広がるように生長します。株が密集すると蒸れて枯れやすくなるので、定期的に切り戻してあげましょう。切り戻した部分から新しい芽が出てきます。 |
まとめ:ラムズイヤー(スタキス)の育て方のポイント
この記事では、ラムズイヤー(スタキス)の育て方についてご紹介しました。ラムズイヤーは日当たりと風通しの良い場所で水はけの良い土を使って育てることが基本です。
また、株分けを定期的に行って株の生育を促進し、風通しを良くすることが重要です。株分けは4〜6月もしくは9月〜10月が適期で、1〜3株毎に分割して新しい場所に植え付けます。
ラムズイヤーは病害虫の害は少ないですが、アブラムシやうどんこ病に注意しましょう。アブラムシは水圧で洗い流したり、天然由来の殺虫剤を散布したりします。うどんこ病は梅雨前に切り戻したり、雨が当たらない場所に移動したりします。
ラムズイヤーは寒さに強いですが、凍結対策として敷きワラなどでマルチングするとよいでしょう。春になったら枯れた葉を取り除きましょう。
以上が、ラムズイヤーの育て方についてのまとめです。ふわふわとしたシルバーの葉と可愛らしい花を咲かせるラムズイヤーをぜひお庭やベランダで育ててみてくださいね。