冬の寒さに負けない美しい花を咲かせる蝋梅(ロウバイ)。その香りと色から、日本のお正月に欠かせない植物として親しまれています。
蝋梅には毒性があったり花が咲かない時期が長いことから「蝋梅は庭に植えてはいけない」と言われることがあります。また、花言葉は怖いと言われることもあります。
こうしたことから蝋梅を植えてみたいという方でも心配になってしまうかもしれませんが、適切な管理を行えば問題なく育てられる植物なので、安心して育ててほしいと思います。
この記事ではそんな蝋梅の育て方や考えられるデメリットとその対策、鉢植えでの育て方についても紹介します。
蝋梅は庭に植えてはいけない5つの理由
蝋梅を庭に植えてはいけないと言われる理由は、主に以下の5つが挙げられます。
- 毒があるため
- 根が広がりやすいため
- 花を咲させづらいため
- 鳥害にあう可能性があるため
- 剪定が難しいため
それぞれの理由と対策についてもう少し詳しくお伝えしていきます。
毒があるため
蝋梅の実には強い毒性があります。
アルカロイドの一種カリカンチンが含まれており、誤って食べたり触れたりすると中枢神経系に影響を与えて、強直性痙攣や呼吸促迫などの中毒症状を起こす可能性があります。
庭に植える場合は小さな子供やペットが誤って口に入れることの無いように注意が必要です。
根が広がりやすいため
蝋梅の根は広範囲に渡って広がる性質があるため、これにより他の植物の生育が阻害される可能性があります。
また、場合によっては敷石などの庭の構造物、建物の基礎や地下の配管設備にダメージを与えかねません。
そのため、周囲の状況を十分に考慮して適切な場所を選定することが重要です。
花を咲かせづらいため
蝋梅は、種から育てると5年以上、苗木からでも開花までに数年は必要な植物です。
花を鑑賞することが主な目的で植える場合は、長い間待つ必要があるほか、剪定の時期や方法を間違えると花芽がつかなくなったり、花が咲かなくなったりする可能性もあるので注意が必要です。
鳥害にあう可能性があるため
蝋梅は特にヒヨドリが花や蕾を好んでつついて、せっかく花を咲かせたのに食べられてしまう可能性があります。
蝋梅の花を食すヒヨドリ pic.twitter.com/HIrzocRhv1
— おはる (@oharu0408) January 12, 2023
また、好んで鳥が集まると糞や鳴き声が周囲の迷惑になることがあるので、蝋梅を植える場合は場所にも気を付けておきたいところです。
剪定が難しいため
蝋梅の剪定は難しく、タイミングや剪定方法を正しく行わないと生育に影響を及ぼしてしまいます。
来シーズンの開花へ影響が出ることもあるため、正しい時期に正しい方法で剪定をする必要があります。
蝋梅を庭に植える際に気を付けるべきこと
蝋梅を庭に植えてはいけないと言われる理由はありますが、植える際に気を付けることで、必ずしも植えるのを諦める必要はありません。
蝋梅を植える際に気を付けるべきポイントをまとめます。
- 子どもやペットが実を食べないようにする
- 正しい時期と方法で剪定を行う
- 鳥害対策を行う
それぞれの方法について補足をしていきます。
子どもやペットが実を食べないようにする
子どもや犬猫などのペットが誤って蝋梅の実を食べないようにする必要があります。
物理的に囲いをするなどするのが有効です。
正しい時期と方法で剪定を行う
初めてだと難しく感じますが、正しい方法を知ることで適切な剪定を行うことができます。
剪定を行う時期と方法については剪定の項をご参照ください。
鳥害対策を行う
蝋梅の鳥害対策としては、以下のような方法が考えられます。
- 防鳥網を張る
- 鳥の置物や風鈴を置く
- 別の場所に鳥の好きな餌を置く
ただし、鳥害対策にはメリットとデメリットがあるので、環境や好みに合わせて適切な方法を選んでみてください。
蝋梅の毒の致死量
前述したとおり、蝋梅の果実や種子にはアルカロイド系の有毒成分が含まれています。
主な毒性物質はカルコンやフラボノイド誘導体とされており、これらが体内に入ると様々な中毒症状を引き起こす可能性があります。
蝋梅の正確な致死量(LD50値)については、残念ながら詳細な科学的研究データが限られています。これは実験的な毒性試験がヒトに対して倫理的に実施できないことや、動物実験のデータも網羅的ではないためです。
なお、動物実験では日獣会誌には以下の記述が掲載されています。
マウス,ラット,ウサギに致死性や強い興奮作用を示すことが分かっており,半致死量(LD50)はそれぞれ順に,44mg/kg,17mg/kg,8mg/kg であった。
引用:日獣会誌
もし蝋梅の果実や種子を誤って摂取した場合は、以下の対応を取ることが重要です。
- すぐに医療機関(ペットの場合は獣医師)に連絡する
- 可能であれば摂取した量や時間を伝える
- 自己判断で無理に吐かせようとしない
- 医療機関の指示があるまで飲食物を与えない
万が一の事態になってから慌てることのないように、事前に対処方法を知っておくことが大切です。
蝋梅を庭に植えるメリット
庭に植えてはいけないと言われることがある蝋梅ですが、植える場所や剪定方法などを気をつけることで、いくつものメリットがあります。
ここでは蝋梅を植えるメリットとして、この3点をご紹介します。
- 早春の香りと花を楽しめる
- 低木でシンボルツリーに適している
- 切り枝や盆栽にも使える
それぞれのメリットについて少し補足をしていきます。
早春の香りと花を楽しめる
厳しい寒さの中で咲く蝋梅は、庭に春の訪れを告げる貴重な花木です
真冬から早春にかけて咲く黄色い花は、一輪一輪は小さいものの、ロウ細工のような繊細な花が枝いっぱいに咲き誇る様子は見事です。
特筆すべきは、その芳香の強さと質の高さです。甘く清々しい香りは庭全体に漂い、散歩の途中で足を止める近所の方も多いでしょう。
低木でシンボルツリーに適している
蝋梅は最終的な樹高が2-3メートル程度と、一般的な庭木としては扱いやすいサイズに収まります。
枝振りの美しさと、幹の年輪を重ねた風格は、庭のシンボルツリーとして申し分ありません。
落葉後も枝の配置が美しく、冬でも絵になる姿を見せてくれます。また、コンパクトなサイズながら存在感があるため、小さな庭でも主役として活躍できます。
切り枝や盆栽にも使える
蝋梅は切り枝として活用できる点も大きな魅力です。
花の咲いた枝を切り取って花瓶に活けると、室内にも早春の香りを運んでくれます。
また、樹形の美しさと小さな葉を活かして盆栽仕立ても可能です。盆栽にすることで、ベランダや窓際でもコンパクトに育てることができ、香りと花を間近で楽しめます。
蝋梅の代わりに検討したい冬の花木5選
冬の庭を彩りたいけれど、蝋梅の植栽に不安を感じる方には、魅力的な代替植物がたくさんあります。
ここでは、蝋梅の良さを持ちながらも、より扱いやすい冬の花木を5つご紹介します。
ジャスミン(マツリカ)
冬咲きのジャスミンは、蝋梅に負けない芳香と可憐な白い花が魅力です。特に「ウィンタージャスミン」は12月〜2月に開花し、黄色い小さな花を次々と咲かせます。
ジャスミンの主な特徴
- 香りが強く甘い
- つる性で壁面や垣根に誘引可能
- 比較的早く成長し、蝋梅より短期間で見栄えがする
- 耐寒性に優れ、多くの地域で育てやすい
- 毒性が蝋梅より低く、ペットや子供のいる家庭でも比較的安心
ウィンターコスモス
正確にはコスモスの仲間ではありませんが、名前の通り冬に花を咲かせるこの植物は、明るい花色と育てやすさが特徴です。
ウインターコスモスの主な特徴
- 11月〜3月頃まで長く咲き続ける
- ピンクや白の明るい花色で庭を華やかに
- 日当たりがよければ育てやすい
- 一年草から多年草まで品種が豊富
- 種からも育てられ、コスト面でも優れている
冬咲きクレマチス
クレマチスの中でも冬に咲く品種は、蝋梅の代替として素晴らしい選択肢です。「アーマンディー」や「シルホサ」などの品種が冬季に美しい花を咲かせます。
冬先クレマチスの主な特徴
- 12月から3月頃まで花が楽しめる
- 白や淡いピンクの清楚な花
- つる性で誘引しやすく、空間を有効活用できる
- 蝋梅より強健で病害虫に強い傾向がある
- 花つきがよく、初心者でも成功しやすい
ミツマタ
日本原産の花木で、早春に黄色い花を咲かせます。蝋梅に似た雰囲気を持ちながら、扱いやすい植物です。
ミツマタの主な特徴
- 2月〜4月頃に黄色い花を咲かせる
- 独特の枝ぶりが美しく、葉がない時期も観賞価値がある
- 香りがよく、蝋梅ファンにも満足いただける
- 日本の気候に適応している
- 和風庭園にもマッチする雰囲気
- 生育が比較的早く、3〜5年で見応えのある姿になる
サンシュユ(山茱萸)
早春に咲く黄色い花と秋の赤い実が魅力の落葉低木です。四季折々の表情を楽しめる点が蝋梅にはない魅力です。
サンシュユの主な特徴
- 3月頃に小さな黄色い花が集まって咲く
- 秋には赤い実がなり、二季楽しめる
- 紅葉も美しく、年間を通じて観賞価値がある
- 丈夫で育てやすく、日本の気候に適応している
- 蝋梅より成長が早く、結果を待ちやすい
これらの植物は、蝋梅のような冬の花の魅力を持ちながらも、育てやすさや管理のしやすさで優れています。
特に初心者の方や、安全性を重視される方には、これらの代替植物から選ぶことをおすすめします。
蝋梅の実は取った方がいい理由
たまに「蝋梅の実は取った方が良いの?」と聞かれることがありますが、蝋梅の実は取った方がいいというのは本当です。
蝋梅の実には毒があるので、食べたり誤って摂取したりしないようにすることも理由の一つですが、実を長く付けると樹の体力を奪ってしまうことからも早めに取る方が樹の好影響を及ぼします。
鳥害を防ぐのにも役立ちます。
蝋梅の花言葉は怖いと言われる理由
蝋梅の花言葉は「ゆかしさ」「慈しみ」「先導」「先見」です。
これらの花言葉は、蝋梅が冬の寒さに耐えて早春に咲くことから、先駆者や先見者としての資質を表しています。
また、蝋梅の香りは心を和ませる効果があるとされており、ゆかしさや慈しみを感じさせるとも言われています。
しかし、花言葉には怖い説もあります。それは、「死」「死別」「死後の世界」です。
この花言葉は、冬枯れした木に咲くことから、死や別れを連想させるというものです。また、蝋梅の香りは霊界と繋がるという伝承があるため、死後の世界を示唆するとも言われています。
まとめ:蝋梅は庭に植えてはいけない理由と適切な育て方
蝋梅は庭に植えてはいけないと言われる理由には、毒性や開花の難しさなどがあります。
しかし、これらの問題は食べたりしなければ影響がないものや、剪定や鳥害対策をすれば解決できるため、絶対に植えてはいけないと言うほどのデメリットとはなりえません。
強いて言えば剪定が難しいですが、専門の業者に依頼すれば、それほど大きな問題にもなりません。
むしろ蝋梅を庭に植えるメリットは多く、冬に美しい花が咲き香りも良いので、庭木として魅力的な植物なので前向きに検討してみて欲しいと思います。
蝋梅の剪定を行ってくれる業者としては様々ありますが、お庭レスキュープロさんだと1本あたり550円~というお手頃な価格で対応してくれるので、まずは見積もりを取ってみるのも良いでしょう。