妊娠中や産後、肌のトラブルに悩む女性は多いと思います。妊娠線やシミ、乾燥や炎症など、肌が敏感になる時期には市販の化粧品や薬に頼りたくないという気持ちもありますよね。
そんな時におすすめなのが、カレンデュラオイルです。カレンデュラオイルとは、カレンデュラ(キンセンカ)という花の成分を植物油に浸出させた天然のオイルで、肌に優しい効果がたくさんあります。
この記事では、カレンデュラオイルの作り方と効果について詳しくご紹介します。顔のシミや会陰への効果・使い方もお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
カレンデュラオイルの主な成分と特徴
カレンデュラオイルに含まれる主な成分と期待できる効果についてまとめました。
カロテノイド | 抗酸化作用や色素沈着を防ぐ作用があり、肌の老化やシミを予防する効果 |
ステロール | コレステロールを下げる作用があり、血液循環を改善して肌に栄養を届ける効果 |
ルティン | 眼精疲労回復や血管強化などの作用があり、目や肌の疲れを癒す効果 |
粘液質 | 保湿や保護などの作用があり、肌に水分や油分を与える効果 |
多糖類 | 免疫力を高める作用があり、肌のバリア機能を強化する効果 |
カレンデュラオイルは、これらの成分があることから、肌に優しいオイルと言えます。特に敏感肌や乾燥肌、傷ついた肌などにおすすめです。
自宅で作るカレンデュラオイルの作り方
カレンデュラオイルは市販されているものもありますが、自宅で育てたカレンデュラを使って作ることもできます。
ここでは、カレンデュラオイルを自宅で作る方法についてご紹介します。
必要な材料と器具
カレンデュラオイルを自宅で作るためには、以下に挙げる材料と器具が必要です。
- カレンデュラの花(ドライでもフレッシュでも可)
- 植物油(オリーブ油やホホバ油など)
- 保存瓶(遮光性のあるもの)
- フィルターやザル(花びらを濾すため)
これらの準備が整ったら、実際にカレンデュラオイルづくりを始めていきましょう!
作り方の手順
カレンデュラオイルの作り方の手順は次のとおりです。
- 保存瓶にカレンデュラの花びらを入れる。
- ドライの場合は瓶いっぱいに、フレッシュの場合は半分くらいに入れるようにする。
- 植物油を加えて花びらが完全に浸かるようにする。
- 空気が入らないようにふたをする。
- 陽の当たる窓際に置いて2週間から1ヶ月ほど置く。(太陽の熱で成分が抽出されやすくなる)
- たまに瓶を振って油と花びらを混ぜる。
- フィルターやザルで油を濾して花びらを取り除く。
- 清潔な保存瓶に移し替えて完成です。
作業自体は難しいことはありませんので、オイルづくりに挑戦してみてくださいね。
注意点とコツ
カレンデュラオイル作りの注意点とコツは次のとおりです。
- フレッシュの花びらを使う場合は水分が少ないものを選ぶ。(水分が多いとカビや酸化の原因になる)
- 植物油は酸化しにくいものを選ぶ。(例えばオリーブ油やホホバ油などがおすすめ)
- 保存瓶は煮沸消毒して清潔にする。
- 保存瓶は遮光性のあるものを選ぶと酸化を防げる。
- 陽の当たる窓際に置くと良いが、直射日光は避ける。
- 冷暗所で保存する。(保存期間は6ヶ月から1年程度)
カレンデュラオイルを作る際は上記の点に注意することで失敗することなく作ることができるでしょう。
カレンデュラオイルの使い方と効果
カレンデュラオイルは、さまざまな用途で使うことができますが、主な使い方としては以下の方法が挙げられます。
- 顔への使い方
- 妊娠線への使い方
- ヘアケアに用いる際の使い方
- 会陰マッサージに使う方法
- アトピーケアのための使い方
以下に、それぞれの使い方と効果をご紹介します。
顔への使い方
カレンデュラオイルは、顔に塗ることで肌のトラブルを改善する効果があります。特にシミやニキビ、乾燥肌などにおすすめです。
シミ | カロテノイドが色素沈着を防ぎ、肌のターンオーバーを促します。シミの原因となるメラニン色素の生成を抑える効果もあります。 |
ニキビ | 抗炎症や抗菌作用があり、ニキビの炎症や感染を防ぎます。また、皮脂の分泌を調整する効果もあります。 |
乾燥肌 | 粘液質や多糖類が保湿や保護作用を持ちます。肌に水分や油分を与えてしっとりさせます。 |
カレンデュラオイルの顔への使い方は以下の通りです。
- 洗顔後、化粧水などで肌に水分を与えます。
- カレンデュラオイルを手のひらに数滴取り、手のひらで温めます。
- 顔全体に優しくマッサージするように塗り込みます。
- 余分なオイルはティッシュなどで拭き取ります。
ぜひカレンデュラオイルを試してみてください。
妊娠線への使い方
妊娠中は、お腹や胸、太ももなど妊娠線ができやすい部分にカレンデュラオイルを塗ってマッサージします。
これによって、皮膚の伸びやすさを高めて裂けにくくする効果があります。
妊娠線ができてしまった場合は、カレンデュラオイルを直接塗ってマッサージすると、皮膚の修復を促進して色素沈着を防ぐ効果があります。
注意点としては、カレンデュラオイルは、妊娠中や授乳中でも安心して使える天然のオイルではありますが、万が一肌に合わない場合は使用を中止して医師に相談するようにしてください。
ヘアケアに用いる際の使い方
カレンデュラオイルは、髪や頭皮にも良い効果があります。特に乾燥やかゆみ、フケなどのトラブルにおすすめです。
それぞれの頭皮トラブルへの効果については次のとおりです。
乾燥 | 保湿作用があり、髪に潤いを与えます。また、頭皮のバリア機能を強化し、水分の蒸発を防ぎます。 |
かゆみ | 抗炎症作用があり、頭皮の炎症や刺激を和らげます。また、抗菌作用があり、頭皮の清潔を保ちます。 |
フケ | 皮脂の分泌を調整し、フケの原因となる過剰な皮脂や細菌を抑えます。また、髪の毛穴をふさがないので、髪の成分や呼吸を妨げません。 |
カレンデュラオイルのヘアケアへの使い方は以下のとおりです。
- シャンプー前にカレンデュラオイルを手のひらに数滴取り、手のひらで温める。
- 髪全体になじませるように塗る。
- 特に毛先や頭皮にしっかりと塗り込む。
- 10分から15分ほど放置する。
- シャンプーとコンディショナーで洗い流す。
なお、放置している間はタオルやキャップで包むと効果的です。
会陰マッサージに使う方法
カレンデュラオイルは、妊娠中や産後に行う会陰マッサージにも適しています。
会陰マッサージとは、会陰部(肛門と外陰部の間)を指で刺激することで、会陰部の柔軟性や血流を高めるマッサージです。
会陰マッサージには以下のような効果があります。
- 分娩時の会陰裂傷や切開を予防する。
- 産後の回復を早める。
- 産後の尿漏れや不感症を予防する。
- 性感度を高める。
カレンデュラオイルは、会陰マッサージにおいて以下のような効果があります。
- 会陰部の肌を保護し、刺激や摩擦から守る。
- 会陰部の肌を再生や修復し、傷つきにくくする。
- 会陰部の血行を促進し、柔軟性や弾力性を高める。
- 会陰部の感染や炎症を防ぐ。
カレンデュラオイルの会陰マッサージへの使い方は以下のとおりです。
- 妊娠34週以降から始め、1日1回から2回程度行う。
- 爪を切り、手や会陰部を清潔にする。
- カレンデュラオイルを手に取り、指先に塗る。
- 足を開いて座り、指先で会陰部を軽く押す。
- 指先を会陰部に沿って左右に動かす。
- 指先を会陰部に沿って上下に動かす。
- 指先を会陰部の中心に当てて、ゆっくりと円を描くように動かす。
- 5分から10分ほど続ける。
以上の方法で行いますが、もしも痛みや違和感がある場合は直ちに中止するようにします。
アトピーケアのための使い方
カレンデュラオイルは、アトピー性皮膚炎などの肌の炎症やかゆみにも効果があります。
主な作用には次のようなものがあります。
抗炎症作用 | 肌の炎症を抑え、赤みやひりつきなどの症状を和らげます。 |
抗菌作用 | 細菌や真菌などの外敵から肌を守ります。 |
保湿作用 | 乾燥やかさつきなどの原因を取り除きます。 |
修復作用 | 肌の再生や回復を促進します。 |
カレンデュラオイルのアトピーケアへの使い方は以下のとおりです。
- 湯船に入る前にカレンデュラオイルを手のひらに数滴取り、手のひらで温める。
- 湯船に入って体を濡らした後、カレンデュラオイルを気になる部分に塗る。
- 特にかゆみや赤みがある部分にしっかりと塗り込む。
- ぬるめのお湯に10分から15分ほど浸かる。
- カレンデュラオイルを洗い流さずにタオルで軽く拭く。
アトピーケアにおいても、適切な使い方を守って効果を発揮させましょう。
カレンデュラオイルの正しい使用方法と保存方法
カレンデュラオイルは、正しい使用方法と保存方法で効果を最大限に引き出すことができます。
以下に、注意点とコツを紹介します。
適切な使用方法
カレンデュラオイルは直接肌に塗ることができますが、敏感肌の方や初めて使う場合はパッチテストを行うようにしましょう。手首や耳たぶなどの目立たない部分に少量塗って様子を見てください。
赤みやかゆみなどの異常が出た場合は使用を中止してください。
なお、他のオイルやクリームなどと混ぜて使うこともできます。
例えば、ホホバ油やシアバターなどと混ぜて保湿力を高めたり、ティーツリーオイルやローズマリーオイルなどと混ぜて香りや効果を変えたりできます。
混ぜる際は、カレンデュラオイルが全体の2%から5%程度になるように配合するようにします。
保存方法と消費期限
カレンデュラオイルを保存する際には、直射日光や高温多湿の場所を避けて冷暗所に保管します。
光や熱によって酸化しやすくなるため、保存状態には注意が必要です。
また、カレンデュラオイルは開封後、空気に触れることで酸化しやすくなるため、使用する際には清潔なスプーンやドロッパーを使用して、なるべく短時間で使用するようにしましょう。
消費期限については、一般的には未開封の状態で約1年から2年程度とされています。
しかし、開封後は空気に触れることで劣化が進むため、なるべく早めに使い切ることがおすすめです。色やにおいが変わったり、沈殿物が出たりした場合は使用をやめてください。
使用上の注意点と副作用
カレンデュラオイルは多くの効果がありますが、使用する際には注意点もあります。
濃縮されたエキスを含んでいるため、使用量を適切に調節することが重要です。過剰な使用は皮膚刺激を引き起こす可能性があります。
特にキク科アレルギーの方は注意してください。
また、妊娠中や授乳中の方には避けるべきです。副作用としては、まれに皮膚のかゆみや発疹が起こることがありますが、症状が続く場合は使用を中止し医師に相談しましょう。
カレンデュラオイルを使用する際には、これらの注意点を頭に入れて正しく使いましょう。
カレンデュラオイルの匂い・香り
カレンデュラオイルの匂いや香りは、使用する植物油やカレンデュラの種類によって異なりますが、一般的には甘くてフローラルな香りがします。
カレンデュラの花自体も同じような香りがしますが、オイルにすると香りが強くなります。カレンデュラオイルの香りには以下のような効果があります。
リラックス効果 | 心身をリラックスさせる効果があります。ストレスや不安を和らげる効果もあります。 |
気分を明るくする効果 | 気分を明るくする効果があります。元気や活力を与える効果もあります。 |
睡眠を促す効果 | 睡眠を促す効果があります。入眠や深い眠りをサポートする効果もあります。 |
まとめ:カレンデュラオイルの作り方と効果
カレンデュラオイルは、肌に優しい天然のオイルで、様々な用途に使えます。妊娠中や産後の肌トラブルにも効果的です。
作り方は簡単で、カレンデュラの花びらと植物油を混ぜて冷暗所で保存するだけです。市販のものもありますが、自分で作れば安心・安全です。
効果は、保湿・抗炎症・抗菌・抗酸化・皮膚修復など多岐にわたります。顔のシミや会陰への効果・使い方も紹介しましたが、他にも妊娠線や乳頭マッサージ、赤ちゃんのおむつかぶれなどにも使えます。
カレンデュラオイルは、肌を健やかに保つドイツ家庭の常備品です。あなたもぜひ試してみてくださいね。