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ペニーロイヤルミントを植えてはいけない理由|増えすぎるのを防ぐ育て方のコツ

2024年6月1日

ペニーロイヤルミントは「植えてはいけない」と言われる理由は2つあります。

1つ目は繁殖力が強く増えすぎることがあること、2つ目は毒性があることです。

いずれも、正しく管理することでデメリットを抑えて有効に活用できるので、この記事ではペニーロイヤルミントを育てる上での注意点と正しい育て方についてお伝えしています。

ペニーロイヤルミントの栽培を楽しむために、参考にしてみてくださいね。

ペニーロイヤルミントとは

ペニーロイヤルミントとは、ハーブの一種でミント科の多年草で、花は紫色をしていて葉は緑色で丸くてふっくらしているのが特徴です。

古くから民間薬として使われていて、消化促進、鎮痛、駆虫、月経促進などの効果があるとされています。

香りはミントに似ていますが、より強くてスパイシーです。

様々な使い方ができるペニーロイヤルミントですが、時に「植えてはいけない」と言われることがあります。この記事ではその理由や、適切な管理方法についてご紹介していきます。

ペニーロイヤルミントを植えてはいけないと言われる理由

ペニーロイヤルミントを植えてはいけないと言われる理由は、主に次の二つ挙げられます。

  1. 繁殖力が強く増えすぎることがあるため
  2. 毒性があるため

ペニーロイヤルミントはとても繁殖力が強く、庭や畑に植えると他の植物のスペースを奪ってしまうことがあります。

根茎や種子で簡単に増えるため、野生化すると在来種の生態系に影響を与える可能性もあるので注意が必要です。

ただ、適切に管理していくことで増えすぎるのを防げるので、必ずしも植えてはいけないということはありません。毒性についても同様に、気をつけてさえいれば植えてはいけないというほどの危険性はないのでご安心ください。

毒性についてはペニーロイヤルミントの毒性と効能の記事をご参照ください。

それでは、次にペニーロイヤルミントが増えすぎるのを防ぐ方法についてお伝えしていきます。

ペニーロイヤルミントが増えすぎるのを防ぐ方法

ペニーロイヤルミントが増えすぎるのを防ぐ方法は、主に三つあります。

  1. 鉢植えやプランターで育てる
  2. 花が咲く前に摘む
  3. 定期的に剪定する

それぞれの項目について、少し補足していきます。

鉢植えやプランターで育てる

ペニーロイヤルミントは根茎でどんどん増えていきますが、鉢植えやプランターで育てることで広がりを制限することができます。

根茎の広がりを抑えられたら、あとは種で増えるのを防ぐだけで良いのでとても簡単に増えすぎ対策ができるようになります。

花が咲く前に摘む

花が咲く前に摘むと、種子が飛散しなくなります。また、花を摘むことで葉の成長を促すこともできます。

鉢植えやプランターで育てて、花が咲く前に摘むことで増えすぎて困ることはありません。

定期的に剪定する

地植えしている場合は、定期的な剪定は有効です。

定期的に剪定すると、根茎や茎の伸びを抑えることができます。また、剪定した部分は収穫として利用することもできます。

上記3つの対策をすることで、ペニーロイヤルミントが増えすぎて後悔することは防げます。

地植えの場合でも根茎が伸びるのを防ぐために、プラスチックや金属製のバリアを地中に10~15cm程度埋め込んだり、鉢底を抜いた鉢ごと植えるのも有効です。参考にしてみてくださいね。

ペニーロイヤルミント栽培に適した環境づくり

ペニーロイヤルミントは、日当たりと水はけのよい場所で育ちます。半日陰でも大丈夫ですが、日陰では葉色や香りが悪くなります。

栽培に適した用土づくりや水・肥料の与え方のポイントをもう少し詳しくお伝えしていきます。

用土づくり

鉢植えの場合は、特に水はけの良い土を使うようにします。

市販のハーブ用培養土でも大丈夫ですが、赤玉土と腐葉土を6:4の割合で混ぜた配合土がおすすめです。

庭植えの場合は、植え付けの1週間前に腐葉土を庭土に3割ほど混ぜ込んでください。深さ10cm程度まで土を耕して水はけをよくしましょう。

ペニーロイヤルミントは根が伸びやすいので、レンガや板などで深さ15~20cmまで区分しておくと管理しやすくなります。

水やりと肥料の与え方

水やりは、鉢植えの場合は表土が乾いたらたっぷりと、庭植えの場合は植え付けから2週間は土の乾燥を防ぐために行います。

その後は降雨に任せても大丈夫です。水やりの際は、葉にかからないように注意してください。葉が濡れるとカビや病気の原因になります。

肥料は、特別に与える必要はありませんが、葉の色が黄色くなったらハーブ用肥料を少量与えましょう。肥料は液体タイプか粒状タイプがおすすめです。

液体タイプの場合は、水やりの際に1~2週間に1回与えます。粒状タイプの場合は、土の表面に散布してから水やりをします。肥料は春から秋にかけて与えます。

種まき時期と方法

ペニーロイヤルミントの種まき時期は、春から夏にかけてです。種まき方法は以下のとおりです。

  • 鉢・プランターや種まきポットに用土を入れて平らにする。
  • 種をまんべんなく蒔く。(種は小さいので、深く埋めないようにする)
  • 種の上に薄く用土をかぶせる。
  • 霧吹きで水を与える。
  • 鉢やプランターを日当たりの良い場所に置く。(発芽適温は20〜25℃程度)
  • 水やりは霧吹きで毎日1〜2回行い、土が乾かないようにする。

約2週間程度すると発芽してきます。本葉が2〜3枚出てきたら、混みあっている場所は間引いて株間を2〜3cm程度あけるようにしましょう。

鉢やプランターで育てる場合はそのままで大丈夫ですが、地植えする方法については次の項でお伝えしていきます。

地植えの時期と方法

ペニーロイヤルミントの地植えの時期は、春から秋にかけてです。地植えの方法は以下のとおりです。

  • 土を耕して石や根などを取り除く。
  • 土に赤玉土や軽石などを混ぜて水はけを良くする。
  • 土が強酸性の場合は苦土石灰を少量加えて中性〜弱酸性に調整する。(pH6.0〜7.0程度が適切)
  • 土を平らにする。
  • 拡散防止のため、深さ20cm程度の根止めを設置する。(プラスチック板や専用の根止めシートなど)
  • 鉢やポットから苗を取り出す。
  • 根球を崩さないように注意しながら、土に穴を掘って植え付ける。
  • 植え付けた後はたっぷりと水を与え、2週間程度は土が乾かないように毎日水やりをする。

なお、地植えする際は、他の植物との間隔は30cm程度あけるようにしておきましょう。根止めがない場合は、鉢底を抜いた鉢ごと植え付けるという方法も効果的です。

鉢植え・プランターで育てる方法

ペニーロイヤルミントを鉢植え・プランターで育てる場合、根茎が広がる特性があるので深さと幅が十分にあるものを選ぶようにします。

直径20cm以上、深さ15cm以上の鉢やプランターが適しています。空間が不足すると根詰まりを起こし、生育不良の原因となります。

また、鉢やプランターの素材は陶器やプラスチックなどが適しています。いずれの素材でも必ず底穴があるものを選び、排水トレイを使用して水はけを良くしましょう。

鉢やプランターは日当たりの良い場所に置くようにしますが、真夏の強い直射日光が長時間当たると葉が焼けることがあるので、東向きの場所や、午前中は日光が当たり午後は明るい日陰になるような場所が適しています。

用土や水・肥料の与え方についてはペニーロイヤルミントの環境づくりの項をご参照ください。

植え替え時期と方法

ペニーロイヤルミントは根茎が伸びやすいので、1〜2年に一度、定期的に植え替えが必要になります。
植え替え時期は春(3〜4月)か秋(9〜10月)に行うようにして、以下の手順で行うようにします。

  • 一回り大きい鉢やプランターを用意する。
  • 新しい鉢やプランターに用土を入れて平らにする。
  • 古い鉢やプランターからペニーロイヤルミントを取り出す。
  • 根茎が込み合っている場合は、清潔なハサミやナイフで適度に切り詰める。
  • 根球を崩さないように注意しながら、新しい鉢やプランターに植え付ける。
  • 植え付けた後はたっぷりと水を与える。
  • 鉢やプランターを日当たりの良い場所に置き、1週間程度は直射日光を避ける。

これを続けていくと鉢やプランターがどんどん大きくなってしまうので、ある程度の大きさになったら植え替えの時期に株分けをすると良いです。

株分けは、根茎をいくつかの塊に分け、それぞれを別の鉢に植え付けることで行います。分ける際は、それぞれの株に十分な根と茎葉がついていることを確認しましょう。

ペニーロイヤルミントの花が咲く時期と香り・花言葉

ペニーロイヤルミントの花期は7月~9月にかけてで、薄紫色から淡い青紫色の小さくて可愛らしい花を穂状に咲かせます。

花茎は一般的に15~30cmほどで、花の香りはハッカに似ていますが、より強くてスパイシーです。この香りは虫除け効果もあるので、ポプリなどに活用されることも多いです。

花言葉は、「隠された愛」「逃避」「忘れられない思い出」などがあります。

剪定する方法と目的・時期

ペニーロイヤルミントは、生育が旺盛で地を這うように伸びるハーブです。そのため、定期的に剪定を行うことで、株の見栄えや葉の質を保ち、病気や害虫の予防にもなります。

時期に決まりはありませんが、多湿になる梅雨の時期の前に一度剪定すると良いでしょう。開花時期(7月~9月)にも花茎が伸びすぎたら剪定しましょう。

冬越しの際は、温暖な地域では地際で思い切って剪定します。

寒冷地では株を保護するため、軽く剪定するにとどめ、春の芽吹き後に本格的な剪定を行うと安全です。冬に地上部が枯れても春に芽吹くので問題ありません。

ペニーロイヤルミントの剪定方法は以下のとおりです。

  • 園芸用ハサミなどで茎や葉を切り取る。
  • 剪定する量は、株の半分から三分の一程度を目安にする。
  • 下葉が枯れたり黄色くなったりした部分や、花茎が伸びすぎた部分などを切る。

剪定した後は、鉢植えの場合は切り口に水がかからないように注意してください。水がかかるとカビや病気の原因になることがあります。

庭植えの場合は、剪定後1~2日は晴天の日を選ぶと良いでしょう。

次に、ペニーロイヤルミントの剪定目的については、以下の点が挙げられます。

  • 株の形を整えることで、見栄えを良くする。
  • 葉の密度を調整することで、通気性や日照条件を改善する。
  • 花茎を切り取ることで、葉の香りや成分を高める。
  • 病気や害虫に弱い部分を除去することで、健康な株を維持する。

こうした目的を果たすためにも、適切な時期に適切な方法で剪定を行いましょう。

耐寒性と冬越しの方法

ペニーロイヤルミントは耐寒性がある植物ですが、氷点下5℃以下になる地域では冬越しの対策が必要です。

鉢植えやプランターで育てている場合は、最低気温が0℃を下回る前に室内に移動させて、窓際など日当たりの良い場所に置きます。室温は5~15℃程度が理想的です。

地植えで育てている場合は、株元に5~10cm程度の厚さで落ち葉や枯草、腐葉土などをマルチングします。寒冷地では、さらにビニールや不織布などで覆って保温することをおすすめします。

いずれの場合でも、冬場(12月~2月)は水やりを大幅に減らし、土の表面が乾いてから2~3日経過してから与えるようにします。

また、肥料は与えず、春の新芽が出始めるまで休ませるのが冬越しのポイントです。

比較的温暖な地域(最低気温が氷点下にならない地域)では、特別な冬越し対策をしなくても越冬できますが、寒波が予想される場合は一時的に保護すると安心です。

ペニーロイヤルミントの増やし方

ペニーロイヤルミントを増やすには、種まき以外にも挿し芽や株分けの方法があります。

株分けは、春(3~4月)か秋(9~10月)の植え替え時期に行うのが適しています。根茎が十分に成長した株を掘り上げ、根茎ごと2~3つに分けて別々の鉢や場所に植え付けます。

それぞれの株に十分な根と茎葉がついていることを確認しましょう。株分けは比較的簡単で成功率も高いため、初心者の方にもおすすめです。

挿し芽は、春から夏にかけて行います。健康な茎を10cm程度の長さで切り取り、下部の葉を2~3枚取り除いてから、水差しや湿らせた用土に挿します。

2~3週間ほどで発根するので、根が3cm程度になったら鉢に植え付けます。

一定の大きさがある株であれば株分けの方が簡単に増やせるので、可能であれば株分けを選ぶと良いでしょう。

ペニーロイヤルミントの育て方に関するQ&A

ここでは、ペニーロイヤルミントの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。

  • 日陰でも育ちますか?
  • 育てるのに失敗しやすいポイントは?
  • 枯れた時の復活方法はある?
  • 植えるデメリットと後悔しがちなポイントは?

上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。

日陰でも育ちますか?

ニーロイヤルミントは半日陰でも育ちますが、日光が不足すると葉の色が悪くなったり、香りが弱くなったりします。そのため、できるだけ日当たりの良い場所に置くことをおすすめします。

完全な日陰では十分な生育が難しいでしょう。

育てるのに失敗しやすいポイントは?

ペニーロイヤルミントを育てて失敗しやすいポイントは、水やりの管理です。

乾燥にはやや弱いので、特に夏場は表土が乾いたらたっぷりと水を与えるようにします。ただし、過湿も根腐れの原因になるので要注意です。

その他の失敗としては、根茎や種によって増えすぎる点が考えられます。増えすぎることの対策については「ペニーロイヤルミントが増えすぎるのを防ぐ方法」の項をご参照ください。

枯れた時の復活方法はある?

ペニーロイヤルミントが枯れたように見えても、まだ復活させられる可能性はあります。
復活させる際には以下の手順で行ってみてください。

  • 枯れた部分を切り取る。
  • 鉢植えの場合は新しい用土に植え替える。
  • 地植えの場合は土を耕して水はけを良くする。
  • 水やりは霧吹きで行い、土が乾かないようにする。
  • 日当たりの良い場所に置く。
  • 肥料は与えない(新芽が出て成長し始めてから薄めの肥料を与え始める)。

復活するまで約1か月程度かかりますが、完全に枯れていなければ復活して新芽が芽生えてくるはずです。

植えるデメリットと後悔しがちなポイントは?

ペニーロイヤルミントの特性を知らずに庭に植えて後悔したという人は少なくありません。

デメリットや後悔しがちなポイントを以下にまとめました。

  • 繁殖力が強く予想以上に増えてしまった
  • 葉や花に毒性がある(特に妊婦や肝臓疾患のある方は注意が必要。濃縮されたオイルは誤飲すると健康被害のリスクがあります)
  • アブラムシに弱い

繁殖力についてはすでにお伝えしているのでここでは割愛しますが、毒性については別のページ「ペニーロイヤルミントの毒性と効能」でご紹介しているので参考にしてみてください。

ペニーロイヤルミントは虫よけの効果がありますが、アブラムシにはあまり効果がありません。株が弱るとアブラムシの被害を受けやすくなるので、定期的に駆除する必要があります。

まとめ:ペニーロイヤルミントを植えてはいけないと言われる理由とその対策

ペニーロイヤルミントを「植えてはいけない」と言われる理由は主に2つあります。

1つ目は強い繁殖力で増えすぎることがあること、2つ目は毒性があることです。

繁殖力への対策として、以下の3つの方法が効果的です。

  • 鉢植えやプランターで育てて根茎の広がりを制限する
  • 花が咲く前に摘んで種の飛散を防ぐ
  • 定期的に剪定して広がりを抑える

地植えする場合は、プラスチックや金属製のバリアを地中に埋め込んだり、鉢底を抜いた鉢ごと植えるなど、根茎の広がりを物理的に制限することも有効です。

栽培のポイントとしては、日当たりと水はけの良い場所を選び、水やりは表土が乾いたらたっぷりと行います。肥料は特別に必要ありませんが、葉の色が悪くなったら少量与えましょう。

1〜2年に一度の植え替えも大切です。

冬越しについては、寒冷地では室内に移動させるか、マルチングや不織布で保護し、水やりを減らして休ませることがポイントです。

注意点として、ペニーロイヤルミントには毒性があり、特に妊婦や肝臓疾患のある方は注意が必要です。また、アブラムシに弱いという特性もあります。

正しい知識と適切な管理方法を知れば、ペニーロイヤルミントの強い香りや効能を安全に楽しむことができます。増やし方も種まきだけでなく、株分けや挿し芽でも可能です。状況や好みに応じた育て方を選びましょう。

  • この記事を書いた人

「ハーブ民」編集部

北海道でハーブ苗の販売を行っている合同会社リンクウィットのハーブブログ編集部。 「初心者にもわかりやすく・楽しく」をモットーに、ハーブの魅力や育て方をハーブ愛MAXでお伝えしています! 姉妹サイト「ハーブティータイムズ」も楽しく運営中^^

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