庭にハーブを植えて、自分で収穫したり、鑑賞したりするのは素敵な趣味ですね。
しかし、ハーブには庭に植えるとトラブルになるものもあります。例えば、ミントやオレガノなどは根茎が強く伸びて、庭中に広がってしまうことがあります。また、タイムやローズマリーなどは冬に枯れやすいので、地植えにすると寒さに弱いです。
このように、ハーブによっては地植えにすると増えすぎたり、枯れたりするリスクがあります。
そこでこの記事では、庭に植えてはいけない・増えすぎるハーブと、それらを適切に管理する方法についてご紹介します。ハーブを庭で楽しみたい方は、ぜひ参考にしてください。
ハーブを地植えするのに注意が必要な理由
数あるハーブの中でも地植えするのに注意が必要なハーブが存在します。
主な理由としては、主に次の4つが挙げられます
- 強い繁殖力があり増えすぎてしまうため
- 毒性があるため
- 強い香りがあるため
- 大きくなりすぎるため
それぞれの項目についてもう少し詳しくお伝えしていきます。
強い繁殖力があり増えすぎてしまうため
ハーブを地植えする際には、その強い繁殖力に注意が必要です。
一部のハーブは非常に勢力的に増え、隣近所の敷地にまで繁殖したり、他の植物の生育を阻害することがあります。
特に地下茎で増えるタイプのハーブは、爆発的に増えすぎてしまい、除去するのに長い年月がかかってしまったというケースもあるくらいなので、繁殖力の強いハーブを植える時は充分に注意が必要です。
毒性があるため
有益な効果があるハーブですが、中には毒性を持つハーブもあるので注意が必要です。
これらのハーブは、葉や茎を口に入れることで健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、特に小さな子供やペットにとって危険です。
庭に植えるハーブは選ぶ際には毒性の有無について調べるようにすると安心です。
強い香りがあるため
ハーブには様々な種類がありますが、中には強い香りを持つものもあります。
強い香りを持つハーブは、周囲の植物や人々に影響を与えることがあります。例えば、庭に植えたハーブの香りが強すぎると、隣の家の方々に迷惑をかける可能性もあります。
香りには好みの差もあるため、良い香りを求めて庭に植えたハーブが近隣の人にとっては嫌な匂いに感じることもあるので、植える場所などは慎重に選びましょう。
大きくなりすぎるため
例えばクスノキは樹高が20mにも達するほど大きくなるハーブです。
あまりにも樹高の高い木が庭にあると、日当たりが悪くなったり隣近所へ落ち葉が落ちるなど、様々なトラブルの原因になる可能性があります。
また、低木タイプのハーブであるローズマリーでも、2mほどの高さにまで成長し、他の植物の生育を妨げる可能性もあります。
どれくらいの大きさに育つ可能性があるかについても事前に確認しておくと良いでしょう。
「庭に植えてはいけない」と言われるハーブを上手に管理する方法
庭に植えてはいけないと言われるハーブを上手に管理する方法についてご紹介します。まず、地植えする際に注意が必要な理由はいくつかあります。
増えすぎるハーブの管理法
増えすぎる性質のあるハーブを地植えする場合は、ハーブが広がりすぎないように地中で制限することが重要です。
また、根の広がりを抑えるために、鉢植えやプランターごと植える方法もあります。
こぼれ種で増えるタイプのハーブであれば、種を作らないようにしたり、地面に落ちる前に採取するといった管理が必要になります。
毒性や強い香りがあるハーブの管理法
毒性や香りについては管理方法によって変えられるものではありませんので、植える段階で対策をしておくことが望まれます。
植える前に毒性の詳細や香りについて知っておくと良いでしょう。
子供や動物が口にする可能性がない場所や、隣近所の地基地境界線近くに植えないなどの対策をしておきましょう。
ハーブの種類によっては鉢植えやプランターで育てられる種類のものもあるので、併せて検討してみても良いかもしれません。
大きくなりすぎるハーブの管理法
成長の早いハーブは、頻繁な剪定や株分けが必要です。
また、地植えする前に根の広がりを考慮し、適切なスペースを確保することも大切です。
大きくなりすぎるハーブを上手に管理するためには、成長の監視も欠かせません。定期的に植物の状態を確認し、必要に応じて対策を取ることが必要です。
そのほか、品種によっては大きさが変わるものもあるので、比較的小さな品種を選ぶことも対策の一つになってきます。
「庭に植えてはいけない」と言われるハーブの例
これまで、ハーブの種類によっては庭に植えてはいけないと言われる種類があること、それぞれの理由に対する対策についてお伝えしてきました。
ここでは、実際にどんな種類のハーブが植えてはいけないと言われているのかについて、具体的な例を挙げてご紹介します。
また、それぞれ植えてはいけないと言われる理由についてもお伝えするので、これから植えてみたいと考えている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
ミント
ミントは根が広がりやすく、他の植物の生育を阻害する可能性があり、時に「ミントテロ」と言われることもあるくらい侵略性の強いハーブです。
また、ミントは成長が早く大きくなりすぎることもあるため、地植えするとなかなか管理が大変で、庭に植えてはいけないハーブの代表例として挙げられることが多いです。
基本的にはミントは鉢植えやプランターで育てるようにすると良いでしょう。
ローズマリー
ローズマリーの根は強く、他の植物の根を圧迫してしまうことで、その植物の生育を阻害してしまう可能性があるため、庭に植える場合は、他の植物との距離を適切に保つ必要があります。
また、成長も早く品種によっては2mもの大きさになるものもあるため、小まめな剪定が必要になってきます。
ローズマリーは適切に育てている限りではそれほど大きな弊害になることはありませんので、育てる際はローズマリーの育て方のページをご参照ください。
レモングラス
レモングラスは、成長が非常に速く広範囲に広がるため、他の植物の生育を阻害する可能性があるほか、強い香りによって周囲の植物や環境に影響を与えることもあります。
そのため、庭に植える場合は適切な管理が必要です。レモングラスが広がりすぎないようにするためには、定期的に株分けを行ったり、適切なスペースを確保することが重要です。
レモングラスに関しても、適切に管理さえすれば大きな問題にはなりませんので、レモングラスの育て方のページを参考にしてみてくださいね。
ミソハギ
ミソハギは種子や地下茎によってすぐに増えていき、他の植物の生育の妨げになることがあります。
その強い繁殖力によって、隣の家の敷地にまで浸食してしまいトラブルの原因になりかねません。
なお、ミソハギは侵略的外来種リストにも掲載されているので、庭に植える際は特に注意が必要です。その他にもいくつかミソハギを育てる上での注意点がありますので、ミソハギの育て方のページをご参照ください。
蝋梅
蝋梅の美しい花やその香りは日本のお正月を彩る一方で、その実には強い毒性があります。
そのため、蝋梅も植えてはいけないと言われることがあります。
実を食べない限り大きな被害はありませんが、それ以外にも植えてはいけないと言われる理由があるので、蝋梅の育て方のページも併せてご参照ください。
ペニーロイヤルミント
ペニーロイヤルミントは強い繁殖力によって増えすぎてしまう可能性と、毒性があることから植えてはいけないと言われることがあります。
ただ、大人が誤って口にしてしまうことはないでしょうから、子供やペットさえ気を付ければ大きな問題になることはないでしょう。
虫除け効果やグランドカバーとしても使いやすいので、上手に活用したいハーブの一つと言えます。適切な育て方はペニーロイヤルミントの育て方のページをご参照ください。
ツワブキ
ツワブキも強い繁殖力によって増えすぎてしまう可能性と、毒性があることから植えてはいけないと言われることがあります。
ツワブキは根茎で増えるだけでなく、タンポポの綿毛ように種が風に乗って飛んでいくので、様々な場所でツワブキが増殖する可能性があるため、種の拡散対策は欠かせません。
毒性に関しては、子供やペットさえ気を付ければ大きな問題になることはないでしょう。
ツワブキの適切な育て方については、ツワブキの育て方のページをご参照ください。
トケイソウ
トケイソウはツルが伸びすぎて手に負えなくなったり、毒性があることから植えてはいけないと言われることがあります。
適宜、ツルを剪定するほか、葉や茎、果実に毒性に気をつけることで、トケイソウを楽しむことは可能です。
この他にも、植えてはいけないと言われる理由があるため、詳しくはトケイソウを植えてはいけない理由のページをご参照ください。
ミモザ
ミモザは成長スピードが早く、大木になってしまいやすいことから植えてはいけないと言われることがあります。
適宜、剪定をすることで大木になることを防げますが、剪定が難しい点も植えてはいけないと言われる理由の一つとなっています。
その他の理由については、ミモザを植えてはいけない理由のページをご参照ください。ミモザを小さく育てる方法についてもご紹介しています。
金木犀
金木犀は、大木になってしまう可能性とその香りによって近所迷惑になってしまう可能性があることから、植えてはいけないと言われることがあります。
なお、金木犀は鉢植えで小さく育てることも可能なので、育ててみたい方は鉢植えで育てることも検討してみても良いでしょう。
詳しくは、金木犀を鉢植えで小さく育てる方法のページをご参照ください。
ヨモギ
ヨモギは繁殖力が強く、他の植物の生育を阻害してしまうほか、ヨモギによって花粉症を発症させる可能性があります。
詳しくはヨモギを植えてはいけない理由のページにまとめているのでご参照ください。
オレガノ
オレガノは、根が深く広がり他の植物の繁殖を妨げてしまう可能性があります。
適度に収穫をすることで増えすぎをある程度防ぐことができますが、生育が盛んであるため頻度良く収穫を行わなくてはいけません。
適切な育て方については、オレガノの育て方のページをご参照ください。
シソ
シソは地下茎で増えるだけでなく、こぼれ種でも増えるので、短期間で広範囲に広がり他の植物の生育を妨げることがあります。
家庭菜園でシソを植えたために、一面がシソだらけになったというご家庭も少なくありません。
適切な栽培方法については、シソの育て方のページをご参照ください。
ラベンダー
ラベンダーを植えてはいけないとされる理由は他のハーブと少し異なっていて、特性を知っていればそれほど困ることもありません。
特にラベンダーは人気の高いハーブなので庭に植えたいという方は多いと思います。
庭にラベンダーを植えてみたいと考えている方は、適切なラベンダーの育て方を参考にしてみてくださいね。
西洋ニンジンボク(チェストツリー)
西洋ニンジンボクを植えてはいけないという理由としては、根張りが強いことが挙げられますが、これはそれほど大きな問題にはならないでしょう。
むしろ、生育が旺盛で高さが3mくらいになるほどで、想像以上に大きくなってしまったと感じる人は少なくないようです。
剪定をすることで小さく育てることも可能なので、これから植えてみたいとお考えの方は、西洋ニンジンボクの育て方のページをご参照ください。
ロシアンセージ
ロシアンセージは増えすぎたり大きくなりすぎることのほか、花粉症やアレルギーの原因になることがあるため、植えてはいけないと言われることがあります。
ロシアンセージの適切な育て方については、ロシアンセージの育て方のページをご参照ください。
チェリーセージ
チェリーセージも生育旺盛なことから他の植物の生育を妨げてしまうために、植えてはいけないと言われることがあります。
また、こぼれ種でも増えるので、そのまま植えていると一気に増殖する可能性もあります。
適切な育て方については、チェリーセージの育て方のページをご参照ください。
ホワイトセージ
ホワイトセージは適した条件だと繁殖力が強いことが植えてはいけない原因として挙げられますが、日本の土壌では栽培に適していないことも、原因として挙げられることがあります。
こうしたことから、ホワイトセージを育てるのは難しいと感じられる人も多いようですが、ポイントをつかめはそれほど難しくありませんし、植えてはいけないというほどのデメリットもありません。
詳しくはホワイトセージの育て方のページをご参照ください。
エルダーフラワー
エルダーフラワーは根や枝が広がって他の植物を圧迫するほど成長する可能性があるほか、樹高が10mほどにまで達することもあることから、植えてはいけないと言われることがあります。
大きくなりすぎるのを防ぐための方法については、エルダーフラワーの育て方のページをご参照ください。
まとめ:庭に植えてはいけない・増えすぎるハーブと適切な管理法
この記事では、庭に植えてはいけない・増えすぎるハーブと、それらを適切に管理する方法についてご紹介しました。
ハーブは地植えにすると、根茎が伸びて他の植物の生育を妨げたり、冬に枯れたりすることがあるため、鉢植えにして、適度な水やりや日当たりを確保することが大切です。
また、ハーブは定期的に収穫して、花や種ができないようにすることで、増えすぎを防ぐことができます。
ハーブは庭で育てると、料理やお茶に使えるだけでなく、香りや見た目も楽しめます。しかし、ハーブには庭に植えるとトラブルになるものもありますので、注意が必要です。この記事の内容を参考にしてハーブの管理を工夫してみてください。