水耕栽培とは、土を使わずに水や栄養液だけで植物を育てる方法です。
ハーブは水耕栽培に適しており、摘みたてで香りの高い状態でハーブを楽しむことができるので、ハーブの魅力をさらに得られる栽培方法と言えます。
市販のキットを使う方法もありますが、100均グッズを使って自作することも可能です。
この記事では、お好みの容器でオシャレにハーブを楽しむためにも、ハーブの水耕栽培の基本的な手順と、100均グッズでの栽培キットの自作方法を紹介しています。
室内でハーブの水耕栽培をする方法
ハーブは、料理やお茶に使えるだけでなく香りや見た目も楽しめる植物なので、室内にあると重宝する植物です。
室内で栽培する場合は水耕栽培が便利ですが、主に以下のようなメリットがあります。
- 病気や害虫の心配が少ない
- 水やりや手入れが簡単
- 室内でもスペースを取らずに育てられる
- 水の中で根が発達し、生育が早い
こうしたメリットはありますが、一番嬉しいのは「簡単に栽培できること」が挙げられます。
ここからは、ハーブを室内で水耕栽培する方法についてご紹介していきますが、まずはハーブの水耕栽培を始めるにあたって以下の道具を揃えることから始めましょう。
- 種まき用の容器(イチゴパックやかご付きタッパーなど)
- スポンジ(種まき用の培地として)
- 苗用の容器(ペットボトルやガラス瓶でも代用可能)
- ハイドロボールやフェルト(苗用の培地)
- 液体肥料(市販のものか家庭にあるもので代用可能)
- アルミホイル(容器を光から遮るため)
- LEDライト(日当りが悪い場所に置く場合)
それでは次に、種まきと苗から育てる方法をご紹介します。
水耕栽培には、種まきと苗から育てるのが一般的です。 育生時期は種類によって異なりますが、5~6月ごろがおすすめの時期といえます。
大まかな手順は以下のとおりです。
- スポンジに小さな穴をあけてタネや苗を入れる
- 容器の中にスポンジを入れる
- 容器に水と肥料を入れる
- LEDライトで照らす
次からは、もう少し詳しく手順についてご紹介していきます。
スポンジに種まきするのが便利
水耕栽培で種から育てる場合、種まき用の土にまいても良いですが、水をしみこませたスポンジに種をまくのが便利です。
植物は「 水・温度・空気 」の 3つの条件 がそろうことで発芽しますが、水を含んだスポンジには培地としてこの3つの発芽条件を満たすことができます。
実際に、水耕栽培用として販売されているスポンジもあり、切り込みやくぼみなど使いやすいように加工されています。ですが、食器洗い用のスポンジでも切り込みなどの簡単な加工で種まき用に使えるので、安く済ませることもできます。
なお、小さな四角い形状に切られているメラミンスポンジは水耕栽培に向いていそうですが、メラミンスポンジは高密度であり空気を通しにくいため種まき用としては不適なので、ウレタン製のキッチンスポンジでハサミやカッターで切り込みが入れやすいものを選びましょう。
種まき用のスポンジを用意したら、以下の手順で種まきをしましょう。
- スポンジを2.5~3cm程度の大きさで立体になるように切る
- スポンジの表面に十字の切れ込みを入れる
- 適度な深さのあるトレーにスポンジを入れる
- トレーの中に水道水を入れる
- スポンジを軽く押さえつけて吸水させる
- 種をピンセットなどでつまみ、スポンジの切れ込みの中心に置く
- 湿らせたトイレットペーパーを種の上に被せて保湿する
- 発芽するまで冷暗所に置く
- 発芽したら日当たりの良い場所に移動する
注意点としては、部屋の温度や湿度が高過ぎるとカビが発生しやすくなるので、適度な換気 をして、温度や湿度が上がり過ぎないように気をつけましょう。
水換えタイミングと方法
ハーブを水耕栽培するとき、水の管理が重要です。
水は植物の生命線ですが、汚れたり腐ったりすると植物の成長を妨げたり病気を引き起こしたりします。
水換えの頻度は、植物の種類や育て方、気温や湿度などによって異なりますが、一般的には以下のような目安があります。
- 水耕栽培用の液体肥料を使っている場合:1週間に1回
- 水だけで育てている場合:2~3日に1回
- 水量が少ない場合:毎日
ただし、これらはあくまで目安なので、水が濁ったりぬめったりしている場合は、すぐに取り替えましょう。
また、夏場は水温が上がりやすく雑菌や藻類が繁殖しやすくなるので、こまめに取り替える必要があります。
なお、水換えの方法は、以下のように行います。
- 古い水を捨てる
- 容器を洗って汚れを落とす
- 新しい水を入れる(液体肥料を使っている場合は、指示通りに混ぜる)
- 植物を元に戻す(根を傷つけないように注意する)
水換えはそれほど難しいことはありませんが、以下の点に留意しましょう。
水換えの留意点 | 理由 |
水は常温かぬるま湯にする | 冷たい水や熱い水は植物にストレスを与える |
軟水か中硬水にする | 硬水はカルシウムやマグネシウムが多く含まれており、植物に必要な鉄分や亜鉛などの吸収を妨げる |
市販の浄水器やミネラルウォーターを使う | 塩素や重金属などが含まれていると植物に影響する |
水位は根が少し出るくらいにする | 根が全部水に浸かってしまうと呼吸困難になる |
水換え後は植物の状態を観察する | 葉や茎がしおれたり黄色くなっていたら早めに対処する |
肥料はいつから与えるべきか
ハーブの水耕栽培で肥料を与えるタイミングは、植物の種類や状態によって異なりますが、一般的には以下のような目安があります。
- 種から育てる場合:発芽後2週間程度から
- 苗から育てる場合:植え付け後1週間程度から
- 水挿し栽培の場合:根が出てきたら
種から育てる場合は、発芽後2週間程度までは種子に含まれる栄養分で成長しますが、その後は外部から栄養分を与える必要があります。
苗から育てる場合は、植え付け後1週間程度は植物が新しい環境に慣れるまで待ちます。 水挿し栽培の場合は、根が出てきたら植物が水分と栄養分を吸収できるようになります。
おすすめの肥料
ハーブの水耕栽培でおすすめの肥料は、液体肥料です。 液体肥料は、水に溶けやすく、植物がすぐに吸収できます。
また、水耕栽培用に開発された液体肥料は、植物に必要な成分がバランスよく配合されており、水耕栽培に適しています。
液体肥料には、「化成肥料」と「有機肥料」の2つタイプがありますが、水耕栽培では「化成肥料」を使います。
「化成肥料」は人工的に作られた肥料で、「有機肥料」よりも腐りにくく、雑菌や藻類の繁殖を防ぎやすいです。
また、「化成肥料」はカリウム成分が多く含まれており、植物の根を丈夫にする効果があります。
液体肥料の中でも、特におすすめなのは以下の3つです。
液体肥料の種類 | 特徴 |
ハイポニカ | 水耕栽培用に開発された2液式の液体肥料。A液とB液を混ぜて使う。長期間安定して必要な成分を与えられる。 |
微粉ハイポネックス | 速効性が高く、カリウムとカルシウムが豊富な粉末状の液体肥料。植物を丈夫にし、病気や乾燥に強くする。 |
ベジタブルライフA | 1本で野菜や草花に必要な成分を十分に与えられる液体肥料。混ぜあわせる手間がない。水耕栽培だけでなく土耕栽培でも使える。 |
肥料を与える方法
ハーブの水耕栽培で肥料を与える方法は、以下のように行います。
- 水と液体肥料を規定量混ぜる(製品ごとに異なるため注意)
- 水と液体肥料を入れた容器に植物を入れる
- 定期的に水と液体肥料を入れ替える(10日~14日ごと)
ただし、これらはあくまで目安です。 水や液体肥料の量や頻度は、植物の種類や状態、気温や湿度などによって調整する必要があります。
水が汚れたり減ったりした場合は、早めに取り替えましょう。
また、夏場は水温が上がりやすく、雑菌や藻類が繁殖しやすくなるので、こまめに取り替える必要があります。
肥料なしで水耕栽培できるハーブについて
肥料なしで水耕栽培できるハーブは、以下のようなものがあります。
ハーブの種類 | 特徴 |
ミント | 爽やかな香りと味が特徴のハーブです。お茶やデザートに使えます。消化促進やリラックス効果などの効能もあります。水挿しで簡単に増やせます。 |
レモンバーム | レモンのような香りがするハーブです。ティーやジャムに使えます。リラックス効果や抗菌・抗ウイルス効果などの効能もあります。水挿しで簡単に増やせます。 |
クレソン | 辛味と苦みが特徴のハーブです。サラダやスープに使えます。むくみ解消や整腸作用などの効能もあります。種から水耕栽培できます。 |
チャービル | 甘く爽やかな香りと味が特徴のハーブです。オムレツやケーキに使えます。解毒作用や消化促進などの効能もあります。種から水耕栽培できます。 |
サラダバーネット | キュウリのような香りと味が特徴のハーブです。ティーやサラダに使えます。炎症抑制作用や感染症予防などの効能もあります。種から水耕栽培できます。 |
以上のハーブは、水だけでも十分に育ちますが液体肥料を与えるとより早く成長します。
水耕栽培の肥料は家にあるものでも代用可能
水耕栽培用の液体肥料は水耕栽培用に適した状態になっているので便利ですが、液体肥料は高価だったり、手に入りにくかったりすることもあります。
ここでは、家にあるもので水耕栽培用の肥料として代用できるものをご紹介します。
- 米ぬか
- コーヒーかす
- 魚の内臓
これらを用いた肥料の作り方は以下のとおりです。
米ぬか
米を洗った後の水に含まれる米ぬかは、窒素やカリウムなどの栄養が豊富です。 米ぬかを水に浸して発酵させた液体を肥料として使います。
作り方は、米ぬか1kgに水10Lを加えて混ぜ、ビニール袋やペットボトルなどに入れて暗所で保管します。 週に1回程度混ぜて空気を入れておきます。
約1ヶ月後から発酵が始まり、酸っぱい匂いがするようになります。 発酵が完了したら、濾して液体部分を取り出し、冷暗所で保存します。
使用時は、この液体を100倍~200倍に薄めて与えます。
コーヒーかす
コーヒーを淹れた後のかすには、窒素やリン酸などの栄養が含まれています。 コーヒーかすを水に浸して発酵させた液体を肥料として使います。
作り方は、コーヒーかす1kgに水10Lを加えて混ぜ、ビニール袋やペットボトルなどに入れて暗所で保管します。
週に1回程度混ぜて空気を入れておくと、約1ヶ月後から発酵が始まり、コーヒーの匂いがするようになります。
発酵が完了したら、濾して液体部分を取り出し、冷暗所で保存します。 使用時は、この液体を100倍~200倍に薄めて与えます。
魚の内臓
魚を捌いた後の内臓や頭などには、窒素やカリウムなどの栄養が豊富です。 魚の内臓を砂糖と混ぜて発酵させた液体を肥料として使います。
作り方は、魚の内臓や頭などを細かく刻み、砂糖と同量混ぜます。 ガラス瓶や陶器などの容器に入れて蓋をします。
暗所で保管しながら週に1回程度混ぜて空気を入れていくと、 約2ヶ月後から発酵が始まり、甘酸っぱい匂いがするようになります。
発酵が完了したら、濾して液体部分を取り出し、冷暗所で保存します。 使用時は、この液体を1000倍~2000倍に薄めて与えます。
以上が、家にあるもので水耕栽培用の肥料として代用する方法ですが、正直なところデメリットの方が気になる人は多いでしょう。
それでも代用してみたい!という方は以下の点にご注意のうえ、試してみてくださいね。
代用肥料を使う際の注意点
代用肥料は有機物から作られるため、水が濁ったり腐ったりしやすくなります。 そのため、水や肥料の交換頻度を高める必要があります。
代用肥料は栄養分のバランスが不安定であり、過剰や不足が起こりやすくなります。 そのため、植物の状態をよく観察し、必要に応じて調整する必要があります。
代用肥料は雑菌や害虫の発生源となる可能性があります。 そのため、衛生的な管理と防除対策を行う必要があります。
おすすめのハーブ水耕栽培キット3選
水耕栽培は、水耕栽培キットを使うと簡単に育てられるだけでなく、お部屋のインテリアになるほどオシャレに栽培できます。
様々な水耕栽培キットが販売されていますが、おすすめのキットを3つご紹介したいと思います。
メーカー 機種名 | 主な特徴 |
iDOO ID-IG301 | LEDライト,ポンプ、オート運転機能の全てが揃っているのがこの機種。
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JustSmart GS1 Lite |
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ZIRAIFEN 水耕栽培キット |
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ハーブの水耕栽培キットの自作方法
ハーブの水耕栽培キットは自作もできます。
先ほどご紹介したようなオシャレなキットにするのは大変ですが、水耕栽培でハーブが育つ環境をつくることは可能です。
栽培キットを自作する手順は以下のとおりです。
- ペットボトルの中央部分をカッターで切り取る。
- 飲み口の部分に水で湿らせた布を通す。
- 飲み口の部分にエアーキャップをつめて固定する。
- 布の下部を手で持ちながらスコップでハイドロボールを入れる。
- 表面から3cmほど布が出るように調節する。
- 種から育てる場合は種をまきます。
- 苗から育てる場合は苗の土を洗い落としてから植え付ける。
- 手順1で切り取ったペットボトルの下部に液体肥料を混ぜた水を入れる。(液体肥料は1,000倍に薄めます)
- ペットボトルの下部に苗が入っている方のペットボトルを乗せる。
最後に水がきちんと布に届いているか確認しましょう。水は1週間に1度換えてください。
キッチンハーブは水耕栽培が便利!
キッチンハーブとは、料理に使えるハーブのことです。 バジルやパセリ、ミントなどが代表的ですが、他にもたくさんの種類があります。
キッチンハーブを自宅で育てると、新鮮な葉をいつでも使えるだけでなく、香りや色も楽しめるのでキッチン周りもオシャレになりますね。
植物を土で育てると害虫や汚れが気になることもありますが、水耕栽培害虫や病気が発生しにくいので、キッチン周りに置くことに抵抗感も感じません。
使いたい時にサッと新鮮なハーブを収穫して使えると、料理のレベルも上がりますし作る楽しさも増えるのではないでしょうか。
ハーブを水耕栽培する際の注意点
土で育てるよりも手間が少なく、害虫や病気にも強いというメリットがある水耕栽培ですが、いくつか注意すべき点があります。
ここでは、ハーブを水耕栽培する際の注意点について、
- 水やりの頻度と量
- 液体肥料の種類と量
- 光と温度
- 害虫や病気
この4点についてお伝えします。
水やりの頻度と量
水耕栽培では、水やりの頻度と量が重要です。 水が少なすぎると根が乾燥して枯れてしまいますし、水が多すぎると根が腐ってしまいます。
一般的には、水位が容器の2/3~3/4程度になるように水を入れると良いでしょう。
水やりのタイミングは季節や気温によって異なりますが、夏場は毎日、冬場は2~3日に1回程度が目安です。
水を入れるときは古い水を捨てて新しい水に入れ替えることが大切です。古い水は酸化して植物に悪影響を与える可能性があります。
液体肥料の種類と量
水耕栽培では、液体肥料を使って植物に必要な栄養素を与えます。 液体肥料は必ず「水耕栽培用」と書かれたものを使ってください。
一般的な肥料では植物に必要な成分が不足したり過剰になったりする可能性があります。液体肥料の量は、製品によって異なりますので、必ず説明書を読んで正しく使ってください。
多くの場合は、水1リットルあたり5~10ml程度の液体肥料を混ぜると良いでしょう。
液体肥料は毎回新しい水に混ぜて与えるか、古い水を捨てて新しい液体肥料入りの水に入れ替えることが大切です。
光と温度
ハーブは光合成を行う植物ですので、光と温度は成長に大きく影響します。
光は直射日光ではなく、明るい日陰や窓際などで管理すると良いでしょう。
温度は15~25℃程度が適しています。 夏場は冷房や扇風機で涼しく保ち、冬場は暖房やヒーターで暖かく保つことが大切です。
病害虫
水耕栽培では土を使わないため害虫や病気にかかりにくいというメリットがありますが、完全に防ぐことはできませんので、定期的に葉や茎の状態をチェックしてください。
もし害虫や病気の症状が見られたら、早めに対処することが大切です。
主な病害虫の対処法は以下のとおりです。
病害虫 | 症状と対処法 |
アブラムシ | 葉裏や茎に小さな虫が付いている場合はアブラムシの可能性が高いです。 アブラムシは殺虫剤やアルコールスプレーで駆除するか、手で取り除くことができます。 |
カイガラムシ | 茎や葉に茶色や黒色のカサついた塊が付いている場合はカイガラムシの可能性が高いです。 カイガラムシは殺虫剤やアルコールスプレーで駆除するか、爪楊枝や歯ブラシなどでこすり落とすことができます。 |
ハダニ | 葉裏や茎に白っぽい粉状のものや細かい網目状のものが付いている場合はハダニの可能性が高いです。 ハダニは殺虫剤やアルコールスプレーで駆除するか、水洗いして取り除くことができます。 |
黒星病 | 葉に黒色や茶色の斑点が出現する場合は黒星病の可能性が高いです。 黒星病は殺菌剤やアルコールスプレーで予防・治療するか、病気にかかった部分を切り取って処分することができます。 |
炭素病 | 葉や茎に黒色や灰色の粉状のものが付着する場合は炭素病の可能性が高いです。 炭素病は殺菌剤やアルコールスプレーで予防・治療するか、病気にかかった部分を切り取って処分することができます。 |
おしゃれな水耕栽培するコツ
ハーブを水耕栽培する目的は、使いたい時にすぐに収穫できる利便性や、病害虫の被害が少ない点がありますが、インテリアとしても使える側面があります。
ここでは、ハーブをおしゃれに水耕栽培するコツをご紹介します。 以下の3つのポイントに気を付けるとハーブの水耕栽培をオシャレに楽しめるようになりますよ。
容器の選び方
ハーブの水耕栽培に使う容器は、市販のキットやペットボトルなどでも構いませんが、もっとおしゃれにしたいなら、ガラスや陶器などの素材感のあるものを選ぶと良いでしょう 。
また、容器の形や色も工夫してみましょう。 例えば、丸い容器や透明な容器は、水中の根が見えて涼しげな印象になります 。
逆に、四角い容器や色付きの容器は、水中の根が隠れてシンプルでスタイリッシュな印象になります 。
さらに、容器に模様や文字を書いたり、シールやリボンを貼ったりして、オリジナリティを出すこともできます 。
水の色や香り
ハーブの水耕栽培に使う水は、無色透明で無臭ですが、それだと少し物足りないという場合は、水に色や香りを付けるという方法があります 。
水に色を付けるには、食用色素やインクなどを少量加えるだけで簡単です 。水に香りを付けるには、エッセンシャルオイルやアロマオイルなどを数滴加えるだけで簡単です 。
ただし、色や香りを付ける場合は、植物に影響がないか確認してください 。 もし植物の成長が悪くなったり、葉が黄色くなったりしたら、すぐに元の水に戻すようにします。
飾り方や組み合わせ
ハーブの水耕栽培は、一つ一つの容器で育てることもできますが、複数の容器を組み合わせて飾ることもできます。
例えば、同じ種類のハーブを色違いの容器に入れて並べたり、違う種類のハーブを同じ色の容器に入れて並べたりすると、統一感が出ておしゃれです。
また、木製や金属製のトレイやバスケットなどに入れて飾ったり、壁掛けや吊るし下げ式の容器を使って飾ったりすると、空間を有効活用できます。
さらに、ハーブ以外の植物や小物と一緒に飾ることで、雰囲気を変えることもできます。
ハーブの水耕栽培に便利な容器・植木鉢
ハーブの水耕栽培には様々な種類の容器・植木鉢が使えます。 しかし、ハーブの種類や育て方によって、適した植木鉢も異なります。
水耕栽培用として販売されている植木鉢は、水やりや肥料の管理が簡単で便利です。
水耕栽培用の植木鉢には、水位を示す目盛りや水を入れる口が付いているものが多く、水やりのタイミングがわかりやすくなっています。
また、液体肥料を混ぜた水を入れるだけで栄養分が均一に供給されるため、肥料の調整も楽です。 水耕栽培用の植木鉢は、ホームセンターやネットショップなどで購入が可能です。
専用の植木鉢を使わずに他の容器で代用する際には以下の条件を満たす容器を使うようにしましょう。
条件 | 主な理由 |
水位が調整しやすい | 水耕栽培では、植物の成長に合わせて水位を上げたり下げたりする必要があります。 水位が高すぎると根腐れしやすく、低すぎると乾燥しやすいです。 そのため、水位が調整しやすい容器が望ましいです。 |
透明度が低い | 水耕栽培では、水中に溶けた液体肥料を植物が吸収します。 しかし、透明度が高い容器では、光が当たると藻類が発生しやすくなります。 藻類は液体肥料を消費し、植物の成長を妨げます。 そのため、透明度が低い容器が望ましいです。 |
洗いやすい | 水耕栽培では、水や液体肥料を定期的に取り替える必要があります。 その際に、容器を洗うことも重要です。 容器が汚れていると、雑菌やカビなどが発生しやすくなります。 そのため、洗いやすい容器が望ましいです。 |
ペットボトルで手作りするのもおすすめ
水耕栽培用の鉢は、ペットボトルを使って手作りすることもできます。 ペットボトルは安価で手に入りやすく、サイズや形も自由に選べるメリットがあります。
ペットボトルで水耕栽培する方法は以下の通りです。
- ペットボトルの上から1/3ほどのところをカッターで切り取る
- 飲み口を逆さにして底側に被せる
- ペットボトルの周りにアルミホイルを巻く
- 液体肥料を混ぜた水を底側に2/3~3/4ほど注ぐ
- フェルトや紐などを飲み口からペットボトルの底に付くくらいまで垂らす
- 飲み口に栓をするように、スポンジやハイドロボールなどの培地と苗を植え付ける
ペットボトルだとわざわざ購入しなくても家にあるという人は多いですし、簡単に代用できるのでオススメです。
花瓶や水差しでも代用可能
水耕栽培用の鉢は、花瓶や水差しでも代用することができます。
ただし、透明な容器は光が当たると藻が発生しやすくなるため、容器の外側にアルミホイルなどを巻いて暗くする必要があります。
花瓶や水差しで水耕栽培する方法は以下のとおりです。
液体肥料を混ぜた水を花瓶や水差しに入れる
根元から土を洗い落とした苗を入れる
容器の外側にアルミホイルなどを巻く
水耕栽培用の植木鉢の注意点
水耕栽培用の植木鉢は便利ですが、注意点もあります。 まず、容器内部が暗く湿った環境になるため、カビや腐敗菌が発生しやすくなります。
定期的に水を取り替えたり、消毒液などで清掃したりする必要があります。
また、容器内部では空気が循環しないため、根が呼吸困難に陥る可能性もあるため、根が完全に水に浸かってしまわないように注意しましょう。
さらに、容器内部では温度変化が大きくなりやすいため、夏場は高温障害、冬場は低温障害に注意しなければなりません。
ハーブはハイドロボールでも水耕栽培できる
ハーブは、土を使わずにハイドロボール(ハイドロカルチャー)と水と液体肥料だけでハーブを育てることができます。
ハイドロボールとは、人工的に作られた粘土の球で、水や空気を保持する性質があります。
ハイドロボールにハーブの苗や種を植えて、水耕栽培用の容器に入れて管理することで、屋内で簡単にハーブを栽培することができます。土よりも清潔で虫が寄りにくく、水やりも簡単です。また、色や形を選べるのでインテリアとしても楽しるメリットがあります。
園芸店やホームセンターには様々なハイドロボールが販売されていますが、100均でもダイソーで購入できます。
ダイソーのハイドロボールは発泡煉石という素材でできており、多孔質で通気性に優れているほか、高温で処理されているため雑菌や悪臭がありません。
ハーブの水耕栽培を100円グッズで始めてみました
ハーブの水耕栽培は100円ショップで揃えることができます。
今回は、私が実際に100円グッズでハーブの水耕栽培を始めたときの様子をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
(ただいま写真を用意しています)
100円均一グッズだけで、種まきから栽培キット・容器作りまでできちゃいますので、参考にしてみてくださいね。
水耕栽培向けの種まきを100均グッズだけでする方法
まずは、水耕栽培向けの種まきを100均グッズだけでする方法をお伝えします。
以下の4つのステップに沿って進めていきましょう。
水耕栽培向けの種まきに必要なものは以下の通りです。
- 水耕栽培用の種(ダイソー)
- イチゴパック(自宅)
- スポンジ(ダイソー)
- 水(自宅)
- ハサミ(自宅)
以上で合計200円です。 安いですよね。
それでは早速、種まきの準備を始めましょう。
準備するもの
- イチゴパックの底に穴を空ける
- スポンジをカットしてイチゴパックにぴったり入るようにする
- スポンジに水を含ませてしっとりさせる
- スポンジに切れ込みを入れて種が入るくらいの隙間を作る
以上で準備完了です。 簡単ですよね。
種まきの手順
準備が整ったら、種まきをしていきます。種まきの方法は以下のとおりです。
- スポンジに切れ込みを入れた部分に種を1粒ずつ入れる
- 種が重ならないように注意する
- 受け皿に水を溜めておく
- 水が入った受け皿の上にイチゴパックを置く
- 明るく風通しの良い場所に置く
- 毎日水を取り替える
- 直射日光は避ける
- 発芽したら日光が当たるようにする
- 本葉が2~3枚になったら、水耕栽培用の容器に移植する。
以上が水耕栽培向けの種まきを100均アイテムだけでする方法です。 水耕栽培向けの種まきは、100均アイテムでも十分可能です。 ぜひ挑戦してみてくださいね。
ダイソー・セリア・キャンドゥーで買えるハーブの種
主な100均では、ダイソーとセリアでハーブの種が2袋で100円で販売されています。(キャンドゥーは野菜や花の種のみの販売)
取り扱いがあるハーブの種の種類は以下のようなものがあります。
【ダイソー】
- バジル
- パセリ
- ローズマリー
- タイム
- ミント
- パクチー
- レモンバーム
【セリア】
- バジルとルッコラのセット
- レモンバームとタイムのセット
【キャンドゥー】
取り扱いなし
100均のバーミキュライトを使った種まきの方法
100均のバーミキュライトを使って種まきをする際には、タッパー、バーミキュライト、種、水が必要です。
種まきの方法は以下のとおりです。
- タッパーにバーミキュライトを入れる。
- バーミキュライトが湿るように水で濡らす。
- 種をまく。
- タッパーのふたを閉めて、日当たりの良い場所に置く。
注意点は、発芽するまで乾燥させないことです。
種は水に触れると発芽のスイッチが入りますが、水が無くなって乾燥してしまうと途中で枯れてしまいます。室内でも乾燥しやすいので要チェックです。
根が出てきたら、水耕栽培のキットに植え付けるだけで育てることができます。
ハーブ水耕栽培の土の代用におすすめの100均スポンジ
ハーブを水耕栽培する際は、スポンジと使うのが便利です。
100均のスポンジだと安価に用意できるのでおすすめです。
水耕栽培用として販売されているスポンジは、切り込みやくぼみなどが入っているため使いやすくて便利です。
また、抗菌作用があるものもあります。水耕栽培用のスポンジは、ホームセンターやネットショップなどで購入できますが、100均でも見つけることができます。
そのほか、キッチンスポンジでも水耕栽培ができますが以下の点にご注意ください。
- 厚さが5cm以上あるものを選ぶ
- ネット付きのものは避ける
- メラミンスポンジは使わない
薄いスポンジだと水分が足りなくなりやすいです。ネット付きだとネットの部分が発芽を妨げたり、カビの原因になったりします。(ネットを外して中のウレタンスポンジだけを使うなら問題ありません)
メラミンスポンジは空気を通しにくいので発芽しづらいので、種まき用としては適しません。
100均グッズで作る!水耕栽培の自作おしゃれ容器
100均のグッズの中で、水耕栽培にも代用できるおしゃれな容器をいくつかご紹介したいと思います。
ガラス製の保存容器
ガラス製の保存容器は、水位が調整しやすく洗いやすい容器です。
100均でも多種多様な形やサイズのものが販売されているので、好みのデザインを選ぶ楽しさもありますね。
ガラス製の保存容器は透明度が高いので、藻類の発生を防ぐためにアルミホイルや布などで覆っておくと良いです。
ホーロー風フタ付き容器
ホーロー風フタ付き容器は、セリアで販売されている人気の商品です。
ホーロー風フタ付き容器は、水位が調整しやすく、洗いやすく、透明度も低い容器です。蓋に穴を開けて植物を固定することもできます。
持ち手付きなので移動も楽という利点も大きいですね。
ハーブの水耕栽培のやり方に関するQ&A
ここでは、ハーブの水耕栽培のやり方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。
- なぜ根腐れしない?
- 深さはどれくらい必要?
- 水耕栽培できるハーブの種類は?
- ハーブの水耕栽培は挿し木でも育つ?
- 100均グッズだけで水耕栽培で野菜や観葉植物も育てられる?
上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。
なぜ根腐れしない?
水耕栽培では根が常に水に浸かっているので、根腐れしないのかと疑問に思うかもしれませんが、水耕栽培でも根腐れは起こり得ます。
根腐れの大きな原因は、根の酸素不足です。
植物は、葉から二酸化炭素を吸って光合成を行いますが、根からは酸素を吸って呼吸をしています。
水耕栽培で根腐れを防ぐには、以下の点に注意する必要があります。
根腐れの原因 | 根腐れの防止策 |
水の量 | 根全体が水に浸かっていると酸素が不足するので、根の先端から半分くらいまでの量の水に浸けるように調整する。 |
水の清潔さ | 水が汚れると細菌やアオコ(藻)が繁殖し酸素を奪うため、水は毎日取り替えるかエアーポンプで酸素を送り込む。 |
植物の大きさ | 植物が大きくなると根から酸素や肥料を必要とするので、植物が育ち過ぎないように葉や茎をこまめに剪定して地上部を小さく保つ。 |
深さはどれくらい必要?
水耕栽培の深さは植物の種類や栽培方法によって異なりますが、一般的には根の先端から半分くらいまでの量の水に浸けるのが適切です。
水耕栽培では、根が酸素を吸って呼吸する必要があるので、水の量が多すぎると根が酸素不足になり、根腐れや植物の成長不良を引き起こす可能性があります。
逆に水の量が少なすぎると根が乾燥してしまい、水分や養分の吸収が悪くなります。
水量を確認しやすいように透明な容器を選びたくなりますが、透明な容器だと光が当たって藻類が発生しやすくなり、酸素や養分を奪ったり水質を悪化させる原因になるので注意が必要です。
水耕栽培できるハーブの種類は?
水耕栽培に適したハーブは、以下の16種類があります。
- バジル
- ミント
- ベルガモット
- ディル
- タイム
- ホワイトセージ
- ローズゼラニウム
- レモンバーム
- クレソン
- チャービル
- サラダバーネット
- センテッドゼラニウム
- ルッコラ(ロケット)
- イタリアンパセリ
- ローズマリー
- ラベンダー
ハーブの水耕栽培は挿し木でも育つ?
ハーブの水耕栽培は、挿し木でも育ちます。挿し木に適したハーブは、以下のような種類があります。
- ローズマリー:木質化した茎を斜めに切り取って土や水に挿すだけで発根します。
- ゼラニウム:柔らかい茎を切り取って土や水に挿すだけで発根します。
- タイム:茎の先端を切り取って土や水に挿すだけで発根します。
- ミント:茎の節から根が出やすいので水に挿すと発根します。
- バジル:茎の節から根が出やすいので水に挿すと発根します。
なお、挿し木で育てる場合は、以下の点に注意しましょう。
- 挿し穂は、病気や害虫のついていない健康な茎を選ぶ。
- 葉が水に浸かると腐るので、挿し穂の下方にある葉は取り除く。
- 毎日水を取り替えて清潔に保つ。
まとめ:ハーブの水耕栽培のやり方と100均グッズ活用法
ハーブのいくつかの品種は水耕栽培に向いており、キッチンや窓辺などで簡単に楽しむことができます。
市販のキットを使えばすぐに始められますが、自分の好みの容器を用いて栽培する楽しみもあります。
全て100均グッズを使って自作することもできるので、気軽に作ってみることもできるでしょう。
この記事では、ハーブの水耕栽培の基本的な手順と、100均グッズを使って栽培キットを自作する方法を紹介しました。
ハーブの水耕栽培をして新鮮なハーブを楽しむための参考にしてもらえたら嬉しいです。