ランタナは、その鮮やかな色と可愛らしい花姿から庭に植えたくなる魅力的な植物です。
しかし、見た目とは裏腹に、ランタナには植える前に知っておきたい大きなリスクが潜んでいることをご存じですか?
ランタナは想像以上に強い繁殖力を持ち、気づかないうちに他の植物の生育を妨げる可能性があるほか、種や実に含まれる毒性があるため子どもやペットがいる家庭では特に注意が必要です。
本記事では、「なぜランタナを植えてはいけないのか?」その理由を3つのポイントに分けて詳しく解説していきます。
思わぬトラブルを未然に防ぐための参考にしてみてくださいね。
ランタナを植えてはいけないと言われる3つの理由
ランタナは鮮やかな花色と長い開花期間で人気のある植物である一方で、植えてはいけないと言われることもあります。
その理由は次の3つが挙げられます。
- 種や実に毒性があるため
- 繁殖力が旺盛であるため
- 茎に鋭いトゲがあるため
植える場所の選定や育て方などの注意点を守ることで問題なく育てることができるので、ランタナを植えることで起こりうるデメリットについて確認してみて欲しいと思います。
種や実に毒性があるため
ランタナは毒性を持っているため、植える際には注意が必要です。
ランタナの花びら、葉、果実に含まれるランタニンと呼ばれる物質は、人間や動物にとって有毒です。ランタニンは、肝臓や腎臓に損傷を与える可能性があり、また、接触性皮膚炎を引き起こす場合もあります。
特に、小さな子供やペットがいる家庭では、ランタナを植える際には注意が必要です。
繁殖力が旺盛であるため
ランタナは、種子と根茎の両方で繁殖することができます。
種子は非常に小さく、風や鳥によって容易に拡散されます。また、根茎は地下深くまで伸び、小さな断片からでも再生することができます。
このことから、ランタナは侵略的な植物とみなされており、他の在来植物の生息地を脅かす恐れがあります。
茎に鋭いトゲがあるため
ランタナの茎には鋭いトゲが密集しており、触れると怪我をする恐れがあります。これは特に、子供やペットがいる家庭では危険です。
誤って触れてしまうと、切り傷や炎症を引き起こす可能性があります。また、トゲは非常に小さく、体内に刺さると取り除くのが困難になることもあります。
ランタナの毒性の危険性
ランタナの種や実は、有毒成分であるランタデニンを含むため、誤って摂取すると中毒を起こす可能性があります。
特に、子供やペットが誤って食べてしまう危険性があるため、小さなお子様やペットがいるご家庭では特に注意が必要です。
中毒症状としては、嘔吐、下痢、腹痛、めまい、呼吸困難などが挙げられます。万が一、誤って食べてしまった場合は、すぐに医師の診察を受けるようにしてください。
ランタデニンは、ランタナの種や実だけでなく、葉や茎にも含まれています。ランタデニンは肝臓に蓄積され、肝障害を引き起こす可能性があります。
また、ランタデニンは神経毒性も持っており、麻痺や呼吸困難を引き起こす可能性もあります。
ランタナ中毒の症状は、摂取量や個人差によって異なりますが、以下のような症状が現れることがあります。
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
- めまい
- 呼吸困難
- 肝障害
- 神経障害
万が一、ランタナを誤って食べてしまった場合は、すぐに医師の診察を受けるようにしてください。医師の指示に従って、適切な治療を受けることが大切です。
ランタナを植える際に気を付けるべきポイント
これまで、ランタナを植えてはいけないと言われる理由についてまとめてきましたが、庭にランタナを植える際にはこれらのデメリットについて知り、気を付ける必要があります。
具体的にはランタナの毒性や茎のトゲは注意することで大きな問題になりませんが、繁殖力の強さに関しては意図しないところにランタナが広がっていく可能性があるので要注意です。
そのためには、ランタナの正しい育て方や剪定が欠かせませんが、次の項からはランタナの育て方や剪定方法についてお伝えしていきます。
ランタナの育て方のポイント
ランタナは比較的育てやすく、初心者にもおすすめです。日当たりと水はけの良い場所を選び、適度に水やりと肥料を与えれば、元気に育ちます。
育て方のポイント
日当たり | ランタナは日当たりの良い場所を好みます。日陰でも育ちますが、花つきが悪くなります。 |
水やり | 土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをします。過湿を嫌うので、水はけの良い土壌を選びましょう。 |
肥料 | 春から秋にかけて、緩効性肥料を定期的に与えます。 |
それほど難しいこともないので、ポイントを押さえて生育環境を整えるようにしましょう。
ランタナの剪定方法
ランタナの剪定は、花が咲き終わった後に行います。
ランタナは、枝の先端に花を咲かせるため、花が咲き終わったら、枝の先端を切って新しい枝の成長を促します。剪定をしないと、ランタナはどんどん大きくなり、管理が難しくなります。
剪定のポイント
- 花が咲き終わった後、枝の先端を切る。
- 剪定の時期は、秋から冬にかけて。
- 剪定後は、肥料を与えて新しい枝の成長を促す。
ランタナは、毒性があるため、剪定の際には手袋を着用することが重要です。また、剪定した枝は、ビニール袋に入れて処分してください。
剪定は定期的に行うことが重要です。剪定を怠るとランタナはどんどん大きくなり、管理が難しくなります。
ランタナの花言葉が怖いと言われる理由
ランタナの花言葉には怖い意味はありません。
それにもかかわらずランタナの花言葉が怖いと言われることがある理由として、毒性への警戒心や「心変わり」という花言葉から少しミステリアスで不安を感じることが原因になっている可能性があります。
ランタナの花は鮮やかで美しい見た目が特徴ですが、「心変わり」「厳格」「協力」「合意」といった花言葉がつけられています。
咲き進むうちに次々と色が変わる花の性質から、「心変わり」という花言葉が生まれ、恋愛関係では少し不吉と捉えられることもあるでしょう。
「厳格」は、ランタナが長期間にわたって絶え間なく咲き続けることに由来しています。これがまさに強い意思を表しているように見えます。
また、「協力」や「合意」は、小さな花が集まって咲く姿が、支え合う仲間を連想させるために生まれた花言葉です。
なお、ランタナの色には赤、オレンジ、ピンク、黄色などの多彩なバリエーションがありますが、特定の色に対応した花言葉はありません。どの色のランタナでも、これらの花言葉が共通しています。
ランタナに関するQ&A
ここでは、ランタナに関するQ&A(質問&回答)を紹介します。
- ランタナは多年草ですか?
- コバノランタナも植えてはいけない?
- 庭に地植えしたランタナは移植できる?
- ランタナには虫除け効果がある?
上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。
ランタナは多年草ですか?
ランタナは多年草です。熱帯アメリカ原産の植物で、日本では温暖な地域で多年草として栽培されています。冬は地上部が枯れますが、春になると根から芽吹いてきます。
ランタナは繁殖力が旺盛で、挿し木や種まきで簡単に増やすことができます。しかし、その繁殖力の強さゆえに、日本では外来生物法によって要注意外来生物に指定されています。
コバノランタナも植えてはいけない?
コバノランタナもランタナと同じく、外来生物法で特定外来生物に指定されています。
コバノランタナはランタナよりも小型で、花も小さく、葉も細長いのが特徴です。コバノランタナも繁殖力が非常に強く、種や地下茎で増殖します。一度定着すると、在来植物を駆逐して生態系に大きな影響を与える恐れがあります。
また、コバノランタナもランタナと同じように、種や葉に毒性があります。誤って摂取すると、嘔吐や下痢などの症状を引き起こす可能性があります。
ランタナとコバノランタナは、美しい花を咲かせますが、その繁殖力と毒性のために、植えてはいけないと言われることがあるので注意が必要です。
庭に地植えしたランタナは移植できる?
庭に地植えしたランタナは移植が難しい植物です。根が深く張るため、移植時に根を傷つけないようにすることが重要です。
移植する場合は、できるだけ根を傷つけないように注意深く掘り起こし、新しい場所に植え付けましょう。移植後の水やりはしっかりと行い、根付くまでは直射日光を避けるようにしましょう。
ランタナは春または秋に移植するのが最適です。気温が高すぎたり低すぎたりすると、根付くのが難しくなります。
なお、ランタナが根付かない場合は、水不足が考えられます。水やりをしっかりと行いましょう。ランタナが枯れてしまう場合は、日照不足が考えられます。日当たりの良い場所に移動しましょう。
ランタナには虫除け効果がある?
ランタナは、ランタナ油と呼ばれる精油を含んでおり、一部の虫を寄せ付けない効果があると言われています。しかし、その効果はすべての虫に有効なわけではなく、また、効果の持続時間も限られています。
ランタナ油に含まれるシトラールという成分は、蚊やハエなどの虫を寄せ付けない効果があると言われています。しかし、シトラールの効果は持続時間が短く、数時間おきに塗り直す必要があります。
また、シトラールは皮膚に刺激を与える可能性があるため、注意が必要です。
ランタナは、虫除け効果が期待できる植物ではありますが、完全に虫を寄せ付けないわけではありません。他の虫除け対策と併用することで、より効果的に虫を寄せ付けないようにすることができます。
まとめ:ランタナは植えてはいけないと言われる理由と対処法
ランタナは美しい花を咲かせる多年草ですが、その繁殖力や毒性から「植えてはいけない」と言われることがあります。
ランタナを植えてはいけないと言われる理由は、大きく分けて3つあります。
- 種や実に毒性がある
- 繁殖力が旺盛である
- トゲがある
ランタナは美しい花を咲かせる植物ですが、上記の理由から、植える際には注意が必要です。
ただ、どの理由も植える際に気を付ければそれほど重大な問題になることはないので、ランタナの特性を知った上で植えることで楽しむことができます。
ランタナを植える際のポイントについてもこの記事でまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。