多くの人々がホワイトセージの浄化効果に魅了されていますが、その使用には注意が必要です。
この記事では、ホワイトセージの潜在的な危険性と正しい使用方法を掘り下げていきます。あなたの安全と健康を守るために、知っておくべき重要な情報を詳しく解説します。
ホワイトセージとは?
ホワイトセージ(Salvia apiana)は、アメリカの南西部とメキシコの北西部の原生地で見られる植物であり、その葉からは独特の強い香りが放たれます。
この植物は長い間、先住民によって神聖な儀式や治癒目的で利用されており、葉を焚いて得られる煙が使用されてきました。
現在でも、ホワイトセージの特有の香りと浄化作用が重宝されています。
ホワイトセージの危険性について
いわゆる脱法ハーブに配合されているなど、しばしばホワイトセージの危険性について話題になることがありますが、正しく使う分にはホワイトセージの危険性はなく、安全に使用することができます。
そのため、安全にホワイトセージを使うための方法や、過剰摂取による毒性などの危険性を知っておくことが大切です。
安全にホワイトセージを使うために知っておきたいことを以下にまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
ホワイトセージの毒性について
ホワイトセージの毒性は、主成分とその人体への作用に基づいています。
適切な量と方法で使用すれば、一般的には安全に利用できますが、過剰摂取や誤った使い方は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
含まれる危険な成分
ホワイトセージに含まれるテュジオンという神経に影響を与える成分は、過剰に摂取すると、頭痛やめまい、吐き気、腹痛などの副作用を引き起こすことが知られています。
摂取時のリスク
ホワイトセージの葉を喫煙するか、直接飲み込むことでテュジオンが体に直接入り込むため、健康上のリスクが増大します。
妊娠している女性や免疫力に問題がある人は、特に注意が必要であり、健康リスクが高まる可能性があります。
参考:厚生労働省のeJIM
ホワイトセージが犬や猫へ及ぼす影響や危険性
ハーブは犬や猫などのペットにとって毒性があるものもありますが、ホワイトセージは無毒とされており危険性はありません。
以下の点からも、犬や猫に対して過度に避ける必要はないことがわかります。
Toxicity: Non-Toxic to Dogs, Non-Toxic to Cats, Non-Toxic to Horses
(弊社による日本語訳:犬には無毒、猫には無毒、馬には無毒)
ホワイトセージを使った正しい浄化方法
ホワイトセージは浄化用のハーブとして広く認識されています。特に、その葉を燃やして生じる煙を利用する「スマッジング」という方法が有名です。
ここでは、ホワイトセージを用いた二つの浄化技法についてご紹介します。
空間浄化のやり方
空間を清める際には、最初に部屋を換気することが重要です。ホワイトセージを焚く際には、アバロンシェルなどを焼き皿として使用すると良いでしょう。
葉に火をつけた後、しっかりと燃えるまで待ち、火を消して煙を利用します。煙を出すことが目的なので、焚くよりも燻すイメージです。
部屋全体を清めるには、煙が隅々まで届くように葉を動かします。家全体を清めたい場合は、煙を出す器を持ち歩き、特に入口から始めて回るのが効果的です。
パワーストーン浄化のやり方
パワーストーンの清め方でもホワイトセージはよく使用されます。以下に具体的な手順を示します。
- パワーストーンの表面の汚れを柔らかい布で拭き取る。
- ホワイトセージの葉に火を付ける
- しっかり燃えるまで待ち、その後火を消して煙を出す。
- 煙を出している器の上にパワーストーンを置く。
- パワーストーンを煙の中に10秒程度持ち込んで浄化する。
- 浄化後は、風通しの良い場所で少し時間を置いてから元の場所に戻す。
パワーストーンを熱から保護するため、スマッジングが適しているかどうかを事前に確認することが重要です。
ホワイトセージの浄化(スマッジング)が逆効果になる可能性
ホワイトセージの浄化(スマッジング)とは、乾燥させたホワイトセージに火をつけて煙を出し、その煙で空間や人々の浄化を行う方法です。
古くからネイティブアメリカンによって儀式に用いられていますが、この方法は逆効果になる可能性もあると言われています。
主な理由としては次の2点が挙げられます。
- 低級霊を引き寄せてしまう可能性
- 独特の香りがストレスになる可能性
上記2点について、もう少し詳しくお伝えします。
【留意点】いずれも科学的根拠がないので、あくまでも可能性として捉える必要があります。
低級霊を引き寄せてしまう可能性
ホワイトセージの煙は、目に見えない存在との交信を促す効果があるとされています。これは、良い霊や精霊などを呼び出して祈りや願いを伝えたり、導きや助けを得たりする場合には有効です。
しかし、使用する本人の心理状態や意図によっては低級な霊や悪霊などを引き寄せてしまうこともあります。これは、努力もしないような人が使ったり、悪意や恨みや妬みなどの感情を持ったまま使ったりする場合に起こりやすいとされています。
このようにして悪い霊を呼び寄せてしまうと、逆に運気が下がったり、不幸が起こったりすることもあります。
独特の香りがストレスになる可能性
ホワイトセージは独特の香りがあります。これは好き嫌いが分かれるもので、香り自体がリラックス効果や覚醒効果をもたらすものです。
しかし、嫌な匂いだと思って使うとその香りがストレスになってしまいます。ストレスは心身の健康に悪影響を及ぼすだけでなく、運気も下げてしまいます。
幻覚・トリップすると言われる理由
ホワイトセージは浄化や癒しの効果があるとされていますが、その一方で、幻覚やトリップを引き起こす危険性もあると言われています。
幻覚やトリップを引き起こす危険性がある理由は、主に以下の2つです。
- チジオンによる作用
- 香りや煙による刺激
上記2点について、もう少し詳しくお伝えします。
チジオンによる作用
ホワイトセージには、チジオンという成分が含まれています。この成分は、神経伝達物質の一種であるセロトニンの受容体に結合することで、幻覚やトリップを引き起こすことがあります。
セロトニンは、気分や感情をコントロールする物質ですが、その受容体が刺激されすぎると、現実感の喪失や錯覚などを起こすことがあります。これは、アヤワスカやマジックマッシュルームなどの幻覚剤にも含まれるDMTやシロシビンなどの成分と同じような作用です。
したがって、ホワイトセージを使用する場合は、このような幻覚やトリップを引き起こす可能性があることを覚えておきましょう。
香りや煙による刺激
ホワイトセージには強い香りや煙に対して脳が反応することで、幻覚やトリップを引き起こすことがあります。
香りや煙は嗅覚や呼吸器系を通して脳に影響を与えますが、その影響は個人差があります。香りや煙が好きな人や慣れている人は、リラックス効果や浄化効果を感じることもあります。
しかし、香りや煙が苦手な人や敏感な人は、不快感や頭痛だけでなく幻聴や幻視などの症状を感じることもあります。これは香りや煙に対する過敏性と呼ばれるもので、個人差があります。
ホワイトセージに違法性はないのか?
前述のとおり、チジオンという成分が含まれており、幻覚やトリップを引き起こすことがあります。
これは、アヤワスカやマジックマッシュルーム(※注1)などの幻覚剤にも含まれるDMTやシロシビンなどの成分と同じような作用であり、違法性はないのか心配になる人もいるでしょう。
いわゆる「脱法ハーブ」の成分にはホワイトセージも含まれることがあると言われており、こうしたこともホワイトセージは違法なのかと心配になる理由の一つになっています。。
結論から書くと、ホワイトセージには違法性はありません。先ほどお伝えした厚生労働省のサイトでもセージに関する記載があり、ツヨンが有害になる可能性について言及していますが、違法であるとの記載がないことからも明らかです。
とはいえ、使用する際には過剰に用いることの無いように正しい方法で使うようにしてください。
※注1)アヤワスカやマジックマッシュルームも麻薬及び向精神薬取締法において規制されており、栽培、輸入、譲渡、譲受、所持、施用等が禁止(=違法)されています。
ホワイトセージの危険性や浄化に関するQ&A
ここでは、ホワイトセージの危険性や浄化に関するQ&A(質問&回答)をご紹介します。
- ホワイトセージを使うと幻覚を見る?
- 得られる効果は?
- 置くだけでも効果はある?
上記の問いについて詳しく回答しているので、参考にしてみてくださいね。
ホワイトセージを使うと幻覚を見る?
ホワイトセージがスピリチュアルな影響で幻覚を引き起こすという話を耳にすることがありますね。
しかし、科学的な証拠は存在せず、お香や精油を用いても幻覚が見えるわけではありません。ホワイトセージが霊的な感覚を高めることや、瞑想を深める効果があるために、このような誤解が生まれた可能性があります。
また、含まれる「ツヨン」成分が過剰に摂取されると神経に影響を及ぼすため、幻覚に関する誤った情報が広まったと思われます。
使用時に不安を感じる場合は、換気を良くして少なめに焚くことを推奨します。これにより、悪影響を避けながらセージの利点を享受できます。
得られる効果は?
ホワイトセージを使用する際の様々な効果についてご説明します。この植物はお香や精油として用いられることが多く、主に次の3つの効果があるとされています。
心身と空間の清浄化
ホワイトセージのもっとも知られている利点は、葉を燻して得られる煙を用いて心身及び空間を清浄化することです。
この使用法は、ネイティブ・アメリカンによる儀式で使われてきた長い歴史があります。リラックス効果もあり、新たな気持ちで始めたい時や、集中が必要な仕事を家で行う際にも効果的です。
精神の向上
スピリチュアルな繋がりを深め、精神を刺激する効果があります。瞑想やヨガなどの活動において、精神を向上させるために使われることが多いです。
古代のネイティブ・アメリカンは、土、水、火、風の四大元素を象徴するホワイトセージの煙を使用して儀式を行っていました。現在でもこの方法を用いると、その効果を体感することができます。
安眠への助け
ホワイトセージの香りは、メントールを思わせる清涼感と木の香りが混ざり合ったもので、リラックス効果が期待できます。
就寝前にホワイトセージで部屋を清浄化することで、より良い睡眠を促す効果があります。
火を使うことに不安がある場合は、精油を使用すると良いでしょう。精油はキャンドルやアロマディフューザーなど様々な方法で利用可能です。お気に入りの方法を見つけてみてください。
置くだけでも効果はある?
葉をそのまま置く場合、主な効果は葉から発散される微かな香りによるリラクゼーションや、視覚的な楽しみに限られます。この方法では浄化効果は得られないと考えられます。
ホワイトセージには、葉のみを乾燥させたものと、茎と葉が一緒に乾燥されたものの二種類がありますが、視覚的な魅力を求めるなら茎付きのものがおすすめです。
一方、お香として使用した場合、香りと共に煙が広がります。この煙が周囲を浄化するとされており、悪いエネルギーを払うためには燃焼させるのが適切です。浄化を目指す場合は、葉を焚く方法が推奨されます。
まとめ:ホワイトセージの危険性と安全な浄化方法
この記事では、ホワイトセージの浄化について、その効果や危険性、副作用について調べました。
結論としては、ホワイトセージの浄化は逆効果ということはありませんが、科学的な根拠は乏しいということです。また、煙には有害物質が含まれており、長時間吸い込むと健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
さらに、ホワイトセージはアメリカ先住民の文化的な象徴であり、無断で使用することは文化的な盗用や侮辱になるという指摘もあります。したがって、ホワイトセージの浄化を行う場合は、その背景や意味を理解し、適切な方法や量で使用することが大切です。