秋から冬にかけて黄色い花を咲かせるツワブキは、葉や根茎にはハーブとしての効能があるほか黄色いきれいな花を咲かせる魅力的な植物です。
時に「ツワブキは植えてはいけない」と言われることがあるのは、毒性や強い繁殖力を持つことが原因ですが、特性を知っていればデメリットも回避できるので自宅の庭に植えてツワブキを楽しむことも可能です。
この記事では、ツワブキの毒性や繁殖力について詳しくお伝えし、上手に育てる方法もご紹介します。
ツワブキを植える前に知っておきたい情報が満載ですので、ぜひ最後までお読みください。
ツワブキとは
ツワブキ(石蕗)はキク科の多年草で、秋から冬にかけて黄色い花を咲かせる植物です。
ツワブキの名前の由来は諸説あり、「艶のある葉を持ったフキ」から転じたとする説のほか、「厚い葉を持ったフキ」から葉が露に濡れてもしなやかに耐えることから、「露に強い」という意味でつけられたという説などが挙げられます。
ただ、時に植えてはいけないと言われることもあり、栽培に際しては敬遠されることもあるツワブキ。
次に、ツワブキは植えてはいけないと言われる理由や花言葉についてご紹介していきます。
ツワブキは植えてはいけないと言われる2つの理由
ツワブキは植えてはいけないと言われることがありますが、その大きな理由としては次の2つが挙げられます。
- 毒性があるため
- 繁殖力が旺盛で増えすぎるため
ツワブキの特性を正しく認識して植えることで、「植えてはいけない」言われるほどのデメリットはありませんが、予備知識なく育てると後悔する可能性もあります。
ここではツワブキを育てる上であらかじめ知っておきたい毒性と繁殖力についてお伝えしていきます。
毒性があるため
ツワブキには、ピロリジンアルカロイドという天然の毒性物質が含まれています。この物質は、肝臓障害や発がん性を引き起こす可能性があります。
や葉には、ヘキセナールという抗菌作用のある成分も含まれていますが、これもピロリジンアルカロイドの一種であり毒性があります。
ツワブキは食用としても用いられますが、食べる際には重曹や塩を使ってアク抜きする必要があります。(ただし、アク抜きをしても完全に毒性が消えるわけではありません)
庭に植えることで、誤って食べたり、ペットや野生動物が口にする危険性がある点には注意が必要です。
農林水産省のページにピロリジンアルカロイドに関する記述がありますが、ここでもツワブキの毒性について言及されています。
大昔から、フキやツワブキ等にはピロリジジンアルカロイド類が天然に含まれていたと考えられますが、このような毒素が含まれているのがわかったのは、1970年代に入ってからです。
繁殖力が旺盛で増えすぎるため
ツワブキは、種子や根茎で簡単に増える植物です。
種子はこぼれ種のように下に落ちるのではなく、タンポポのように風に乗って飛んでいくので、あちこちでツワブキが芽を出す可能性があります。(思いもよらぬところにツワブキが広がっていくのは珍しくありません)
また、根茎は地下で伸びるだけでなく、切れた部分からも新しい株ができるため、庭に植えてしまうと、他の植物のスペースを奪ったり、雑草のように広がったりする可能性があります。
ただ、こうした繁殖力についてはある程度の抑制は可能なので、繁殖力を理由にツワブキを植えるのを諦める必要はありません。繁殖の抑制についてはツワブキが増えすぎるのを防ぐ方法をご参照ください。
日本と海外のツワブキの花言葉
ツワブキは日本原産の植物ですが、海外にも渡っていろいろな品種が作られています。 そのため、日本と海外ではツワブキの花言葉に違いがあります。
ここでは、
- 日本でのツワブキの花言葉
- 海外でのツワブキの花言葉
それぞれの花言葉とその由来について紹介します。
同じ花を見ても感じるポイントの違いがあり、それが花言葉に表れているのがとても興味深いです。
日本での花言葉
日本でのツワブキの花言葉は以下のようなものがあります。
- 謙譲
- 謙遜
- 困難に負けない
- 先を見通す力
日本では、ツワブキはあまり日の当たらない場所でも育つことから「謙譲」や「謙遜」という花言葉がつけられました。
また、冬になっても美しい花を咲かせることから「困難に負けない」という花言葉もあります。
さらに、古くから占いに使われていたことから「先を見通す力」という花言葉もあります。
それでは次に、外国でのツワブキの花言葉について見ていきましょう。
海外での花言葉
海外でのツワブキの花言葉は、愛よ甦れ(love again)という情熱的な花言葉がつけられています。
これは、枯れたように見える古い茎からも新しい芽を出し、やがて寒さ厳しい冬に明るい黄色の花を咲かせる様子から由来しています。
ツワブキの花の色が、冬の暗さを照らす光として人々を励ましてくれるという意味もあります
ツワブキ栽培に適した環境づくり
ツワブキは、日向から明るい日陰で育てるのが理想ですが、日陰に強く、午前中に2~3時間の日射しが確保できれば十分です。
ただし、極端に暗い日陰では葉色が悪くなったり、徒長しやすくなるほか、直射日光が強すぎると葉焼けを起こすこともあるのでご注意ください。
斑入り葉の品種は日焼けしやすく、緑の葉の品種は日差しに強い傾向があるので、育てる場所を決める際の参考にしてみてください。
用土づくり
ツワブキは水はけのよい土であれば土質を選びませんが、有機質の土壌に植えると花付きがよくなります。
地植えの場合は、植え穴を掘った土に腐葉土を2~3割混ぜ込んで作るようにし、鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)7~8:腐葉土2~3の割合で混ぜ合わせた土か、市販の草花用培養土を使うと良いでしょう。
有機質の少ない用土では育ちが良くないので、植え付ける際は堆肥や腐葉土をたっぷりと混ぜ込んでおくのがコツです。
水やりと肥料の与え方
地植えの場合は、よほどの干ばつでもないかぎり水やりは必要なく、夏に晴れが続き地が乾いたら水やりをする程度で良いです。鉢植えの場合は表土が乾いたらたっぷりと与えるようにします。
開花期は水が足りないとつぼみが開かないことがあるので特に注意したいところです。
肥料は、地植えの場合は追肥を少なめにするか、または元肥のみで問題ありません。ただし、斑入り葉の品種のなかには、春に肥料が効きすぎると斑が現れにくくなるものがあるので、最初の新葉が成長している間は肥料を控えましょう。
鉢植えの場合は植え替え時に元肥として草花用のチッ素、リン酸、カリが等量の配合肥料や油かすと骨粉の配合肥料などを施します。4月から9月は月1回、同じように肥料を与えます。
種まき時期と方法
ツワブキの種まきの適期は、2月から3月です。この時期に種を播くと、秋に花を咲かせることができます。
種は市販されていないので、自分で採取する必要があります。花が終わった後にタンポポのような綿毛が出るので、飛んでいかないうちに収穫し、密閉容器に入れて冷暗所で保存しておきます。
ツワブキの種まきの方法は、以下のとおり行います。
- 育苗ポットに市販の草花用培養土を入れる。
- 水を与えて湿らせる。
- 綿毛の先端に付いている種をポットにばらまく。
- 深く埋めないように注意する。
- ポットをビニール袋などで覆って保温・保湿する。
- 暖かく明るい場所に置き、土が乾かないように水やりをする。
- 種が発芽して本葉が2~3枚になったら、間引きをして株間を広げる。
- 本葉が3~5枚になったら、元気な株を鉢や庭に植え付ける。
以上が、ツワブキの種まき時期と方法です。 ツワブキは丈夫で育てやすい植物なので、初心者でも挑戦しやすいですよ。
庭植えの時期と方法
ツワブキの庭植えの時期は、4月~5月か、9月~10月が目安です。この時期なら気温が高すぎず低すぎず、根付きやすいです。
ツワブキの庭植えの方法は、次のように行います。
- 植える場所を決めて植え穴を掘る。(深さと幅ともに20~30cmほど)
- 掘った土に腐葉土を2~3割混ぜ込む。
- 株同士の間隔は20~30cm空けて苗を植える。
- 根元が空気に触れないようにしっかりと押さえる。
- 植え付け直後はたっぷりと水を与える。
- その後は土が乾いたら水やりを続ける。
植える場所選びとしては、ツワブキは日なたか明るい日陰で育ちます。真夏などは直射日光や西日に当たると葉が焼けてしまうので避けた方が無難です。
また、水はけのよい場所を選びましょう。水はけが心配なときは、10~20cmほど土を盛ってから植えると良いです。
有機質の少ない土では育ちが良くないので、堆肥や腐葉土をたっぷりと混ぜ込んでおくようにします。
鉢植え・プランターで育てる方法
ツワブキは庭に植えることもできますが、鉢植えやプランターで育てることも可能です。
ここでは、ツワブキを鉢植えやプランターで育てる方法について紹介します。
鉢やプランター選びのポイント
ツワブキは、深さの浅い平鉢(半鉢)を使うと全体がバランスよくまとまります。 また、小さな鉢で育てると鉢の大きさに見合ったコンパクトな姿になります。
鉢やプランターの素材は、陶器やプラスチックなど何でも構いませんが、排水性の良いものを選ぶようにします。鉢底に穴があることを確認し、鉢底石や鉢底ネットを敷いて水はけを良くするのが上手に育てるポイントです。
植え付ける時期と方法
ツワブキの植え付けの適期は、春(4月~5月)と秋(9月~10月)です。この時期に植え付けると、根の回復が早く花付きや葉色も良くなります。
植え付けの方法は、以下のとおりです。
- 鉢やプランターに市販の草花用培養土を入れる。
- 水を与えて湿らせる。
- 苗をビニールポットから抜き出し、古い土や枯れた根を取り除く。
- 苗が大きくなっている場合は株分けをして小さくする。
- 鉢やプランターの中央に苗を置き、株の周りに培養土を詰めて固定する。
- 水をたっぷり与えて、日陰に置いて根が張るまで様子を見る。
- 根が張っているのが確認できたら日なたへ移動する。
日常の管理方法のポイント
日常の管理としては、水やりと肥料を与える必要があります。
土が乾いたらたっぷりと水やりをします。土の表面が乾いたら指で触ってみて、指先に土がつかなければ水やりの目安です。 水やりは朝か夕方に行い、葉にかからないように注意しましょう。
肥料は、春から秋にかけて液体肥料や緩効性肥料を与えます。月に1回程度、鉢やプランターの周りに肥料をまいて、水やりと一緒に土に混ぜ込むようにして与えます。
植え替え時期と方法
ツワブキは根詰まりを防ぐために定期的に植え替えを行う必要があります。
ツワブキの植え替えの適期は、春(4月~5月)と秋(9月~10月)です。 この時期に植え替えると、根の回復が早く花付きや葉色も良くなります。
鉢植えの場合は、2~3年に1回を目安に植え替えを行います。 庭植えの場合は、5~6年に1回程度で十分です。
植え替えの方法は次のとおりです。
- 鉢から株を抜き出し、古い土や枯れた根を取り除く。
- 株が大きくなっている場合は、株分けをして小さくする。
- 新しい鉢に市販の草花用培養土を入れ、株を中央に置く。
- 株の周りに培養土を詰めて固定する。
- 水をたっぷり与える。
- 日陰に置いて根が張るまで様子を見る。
植え替えをすることでより美しく健康に育てることができるので、定期的に行うようにしましょう。
室内で育てる際のポイント
ツワブキはそれほど寒さには強くないので、寒冷地では鉢植えやプランターで育てて室内に取り込む必要があります。
ここでは、ツワブキを室内で育てる際のポイントについて紹介します。
温度
ツワブキの一般的な耐寒性は0℃ですが品種によって多少異なります。 冬でも常緑で美しい葉を保ちますが、氷点下になると枯れてしまうので注意が必要です。
室内では暖房器具の近くに置かないようにしましょう。 温度は10℃~15℃が適しています。
日当たり
ツワブキは、日向から明るい日陰で育てるのが理想です。 日陰に強く、午前中に2~3時間の日射しが確保できれば十分です。ただし、極端に暗い日陰では葉色が悪くなったり、徒長しやすくなるので室内での置き場にはご注意ください。
ただし、直射日光が強すぎると葉焼けを起こすこともあります。特に斑入り葉の品種は日焼けしやすいので注意しましょう。
水やりと肥料
ツワブキは、土が乾いたらたっぷりと水やりをします。土の表面が乾いたら指で触ってみて、指先に土がつかなければ水やりの目安です。
肥料は、春から秋にかけて液体肥料や緩効性肥料を与えます。月に1回程度、鉢やプランターの周りに肥料をまいて水やりと一緒に土に混ぜ込みます。
ツワブキの花が咲く時期と香り
ツワブキは、 日本の山や海岸に自生する植物で秋から冬にかけて鮮やかな黄色の花を咲かせる常緑多年草です。ここでは、ツワブキの花が咲く時期と香りについて紹介します。
花が咲く時期
ツワブキの花が咲くのは、10月から12月初旬です。他の品種の花が少なくなる秋から冬にかけて鮮やかな黄色の花を咲かせます。光沢のある葉と、明るい黄色の花のコントラストが美しく、庭の中でアクセントのような役割を果たしてくれます。
花は株の中心から出て、先端に10~30輪ほどのキクに似た花径3cm前後の黄色い花を咲かせます。
花の香り
ツワブキの花にはほとんど香りがありません。花色や形はキクに似ていますが、キク科ではなくセリ科に属する植物です。セリ科の植物は、葉や茎に独特の香りがあることが多いですが、ツワブキも例外ではなく、甘い香りがあります。
この香りは、漢方薬として用いられることもある成分であるフラフグリンという物質によるものです。フラフグリンは、抗炎症作用や抗アレルギー作用などがあるとされています。
花が咲かない原因と対策
ツワブキは、秋から冬にかけて鮮やかな黄色の花を咲かせる常緑多年草ですが、生育状況によっては花が咲かないこともあります。
ここでは、ツワブキの花が咲かない原因とその対策についてご紹介します。
原因1:日光不足
ツワブキは、日向から明るい日陰で育てるのが理想です。日陰に強く、午前中に2~3時間の日射しが確保できれば十分ではありますが、あまりにも暗い日陰では葉色が悪くなったり、徒長しやすくなるほか、花芽分化という花が咲くための準備ができなくなるため花が咲きません。
日当たり不足で花が咲かないと懸念される場合は、窓際やベランダなどに置いたり木陰や建物の影にならない場所に植え替えることで、葉色が良くなるだけでなく、秋になって日長が短くなることを感じて花芽分化を起こしやすくなり、花が咲くようになるでしょう。
原因2:肥料過多
ツワブキは肥料をあまり必要としない植物で、肥料を与えすぎると、葉や茎が大きく育ちすぎて、花が咲くエネルギーが不足します。また、肥料に含まれる窒素が多すぎると、花芽分化を抑制することもあります。
肥料過多で花が咲かないと懸念される場合は、肥料の量や回数を減らしてみましょう。適切な肥料の頻度や量については、ツワブキ栽培の環境づくりの項をご参照ください。
花が終わったらすべきこと
ツワブキの花が終わった後のお手入れ方法についてご紹介します。
剪定・花がら摘みをする
ツワブキの花が終わったら、まずは花がら摘みをしましょう。花がら摘みとは、枯れた花や花茎を切り取ることです。
花がら摘みをする理由は、以下のとおりです。
- 見栄えを良くする
- 種を作るエネルギーを節約する
- カビや病気の予防をする
花がら摘みの方法は、花茎の根元から切り取るか、手で摘み取るだけなのでとても簡単です。種を採取したい場合は、花茎を残しておくようにします。
種はタンポポのような綿毛になって飛んでいってしまうので、飛ぶ前に収穫しておきましょう。
枯れ葉を取り除く
ツワブキの花が終わったら枯れ葉も取り除きましょう。枯れ葉は、美観を損ねるだけでなく、カビや病気の原因にもなってしまうためです。
枯れ葉は、地際から切り戻すか手で抜くだけでOKです。
枯れ葉は堆肥にすることもできますが、病気に感染している可能性があるので処分する方が安全です。
水やりと肥料を減らす
ツワブキの花が終わったら水やりと肥料を減らしましょう。
水やりをしすぎて過湿になると根腐れや病気の原因になりますし、肥料を与えすぎると葉や茎が大きくなりすぎて、花付きが悪くなってしまいます。
夏枯れを防ぐ夏越しの注意点
ツワブキは、秋から冬にかけて鮮やかな黄色の花を咲かせる常緑多年草です。 日本の山や海岸に自生する植物で、葉や根茎には漢方薬としての効能もあります。 ツワブキは暑さに強い植物ですが、夏越しには以下のような注意点があります。
直射日光を避ける
ツワブキは日向でも育ちますが、真夏の直射日光に当たると葉が焼けてしまうことがあるため、夏越しには木漏れ日程度の明るい日陰に移動させましょう。庭植えの場合は、木陰や建物の影になる場所に植え替えたり日よけを設けると良いです。 鉢植えの場合は、窓際やベランダなどから離しておけば問題ないでしょう。
水やりを調節する
ツワブキは水切れに強いですが、過湿になると根腐れや病気の原因になります。 そのため、夏越しには水やりを調節しましょう。
庭植えの場合は、よほどの干ばつでもない限り水やりは不要です。鉢植えの場合は、土が乾いたら少量ずつ与えます。
水やりは朝と夕方の比較的気温の低い時間に行います。
肥料を控える
夏越しには肥料を控えましょう。肥料を与えすぎると、葉や茎が大きく育ちすぎて、花が咲くエネルギーが不足します。また、肥料に含まれる窒素が多すぎると、花芽分化を抑制することもあります。
適切な肥料の頻度や量については、ツワブキ栽培の環境づくりの項をご参照ください。
耐寒性と冬越しの方法
ツワブキの耐寒性は品種や地域によって異なりますが、一般的には-10℃程度まで耐えられるとされています。ですが、-5℃以下になると葉が傷んだり、根が凍ったりする可能性があるので、寒冷地では早めに冬越しの対策をしてくと良いでしょう。
そのほか、リュウキュウツワブキや斑入り品種などは3℃以上が必要となれるので、もっと早い段階で防寒対策が必要です。
ツワブキの冬越しの方法は、以下のとおり行うと良いでしょう。
庭植えの場合
寒冷地では庭植えで冬越しするのは難しいですが、温暖な地域では株元に落ち葉や枯草などを厚く敷いて保温して冬越しが可能です。
霜よけ用の不織布やビニールなどで覆うことでも可能ですが、通気性をしっかりと確保するようにしましょう。
水やりは控えめにして、乾燥しない程度を目安にします。
鉢植えの場合
寒冷地であれば鉢を室内や温室に取り込みます。温暖な地域では鉢底や鉢周りに落ち葉や新聞紙などを敷いて保温しても冬越しは可能です。
鉢植えの場合も、霜よけ用の不織布やビニールなどで覆うことも可能ですが、通気性の確保は必須です。
水やりも同様に乾燥しない程度を目安にします。
ツワブキを株分けで増やす方法
ツワブキは株分けで増やすことができます。適期は4月~5月が適期で、植え替えと同時に行うと便利です。
株分けの方法は次のとおりです。
- 鉢植えの場合は、株を鉢から抜き出す。
- 地植えの場合は、株をスコップなどで掘り出す。
- 根茎をハサミやナイフで切り分ける。(それぞれの株に茎が2~3本残るように)
- 切り口が乾くまで日陰で乾燥させる。
- 新しい鉢や庭に植え付ける。
ツワブキが増えすぎるのを防ぐ方法
ツワブキが増えすぎる最大の原因は、花が咲き終わった後に飛散する種子です。
種子は綿毛のようなものに付いていて、風に乗って遠くまで飛んでいきます。そのため、増えすぎるのを防ぐためには花が咲き終わったら花茎を根元から切り取るか、手で摘み取ることが重要です。これにより、種子の飛散を抑制することができます。
花が咲く時期は10月から12月初旬なので、この時期は様子を見ながら花柄摘みを行うようにすると良いでしょう。
また、ツワブキは根茎で地下に広がって増えていきます。そのため、株が大きくなりすぎた場合は、株分けをして小さくすることが必要です。
上記のとおり、ツワブキが増えすぎるのを防ぐには、花がら摘みと株分けが欠かせません。
収穫時期と方法
ツワブキの収穫時期は、1月から4月までを目途に行いますが、収穫する部位によって最適な時期が異なります。
適期に収穫することで、ツワブキの成長が盛んで葉や茎が柔らかくて美味い状態で収穫できます。
収穫に適した時期 | 収穫方法 | |
茎 | 3月から4月が適期で、葉が開く前の若いものを収穫します。葉が開いてしまうと硬くなり、食感や味が悪くなります。 | 土に近い根元から切り取ります。(土に埋まっている部分は硬くて食べられませんので、切り捨てる) 茎に付いている産毛はスチールウールなどでこすって取り除きます。 |
根茎 | 1月から2月が適期で、花が咲き終わった後の冬から春にかけて収穫します。 | スコップなどで掘り起こし、土や泥を洗い流してから切り分け、細い根や芽は取り除きます。 |
ツワブキの育て方に関するQ&A
ここでは、ツワブキの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。
- 枯れる原因は何が考えられるか
- 縁起が良い?風水への影響は?
上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。
枯れる原因は何が考えられるか
ツワブキは丈夫で育てやすい植物ですが、時には枯れてしまうこともあります。
ツワブキが枯れる主な原因は次の3つが挙げられます。枯れてしまった場合はまずはこの3つの要因を確認してみてください。
1.冬の寒さ
ツワブキは耐暑性が強いですが、耐寒性はそれほど強くありません。品種によっては3℃以上の気温が必要なものもあるので、寒冷地の場合は寒くなってきたら早めに屋内に移動させるようにしましょう。
2.夏の直射日光
夏場の強い日光を浴びすぎると葉焼けを起こしてしまうことがありますが、葉焼けした部分は元に戻ることはありません。 株自体が弱ってしまい、枯れる原因になります。
午前中だけ日光が当たり、午後は日陰になる場所か明るい日陰で育てるようにしましょう。
3.病気や害虫
ツワブキにはカビが原因の病気にかかることがあります。
班葉病やうどんこ病などは、葉に灰白色や黄赤色の斑点が現れ、病斑の縁が枯れた色になります。褐班病では、葉全体が茶色く枯れてしまいます。
これらの病気にかかった場合は、早めに殺菌剤を散布して拡大を防ぎましょう。
害虫では、アブラムシやハダニなどが発生することがあります。アブラムシは葉や茎の先端に集まり、吸汁して株を弱らせます。ハダニは葉裏に住み着き、葉を黄色く変色させます。
害虫に被害された場合は、早めに殺虫剤を散布して駆除しましょう。
縁起が良い?風水への影響は?
ツワブキは特に縁起物のような扱いはされませんが、良い印象を与えやすい植物と言えます。
秋から冬にかけて咲く黄色い花は、太陽の色として明るく元気なイメージがありますし、花言葉も前向きな言葉が並ぶポジティブな印象があります。
また、風水では運気の出入り口と言われる玄関に黄色い花を飾ると運気が上がると言われていますが、ツワブキは飾るのに最適な色をしています。
また、ツヤのある葉は金運を表すとも言われていますが、 ツワブキは常緑で葉が光沢を持つので、花だけでなく葉も金運アップにも効果的だと考えられています。
まとめ:ツワブキの育て方のポイント
この記事では、ツワブキを植えてはいけないと言われる理由として挙げられる、毒性と繁殖力についてお伝えしました。
確かに植えることでデメリットはある植物ですが、特性を知った上で植えることで大きな後悔もなく育てられるので、その点も参考にして育ててみていただけたらと思います。
ツワブキはハーブとしての効能もありますし、キレイな花を楽しむことができるので、植えてはいけないという意見だけを鵜呑みにせずに特性について知っていただけるととても嬉しいです。