ミモザは春にポンポンのような黄色い花を咲かせる可愛らしい植物ですが、実は植えてはいけないと言われることもあります。
主な理由としては、ミモザは地植えすると大きく育ちすぎて、庭を占領してしまう恐れがあるためです。また、移植や剪定が苦手で、枯れやすいというデメリットもあります。
ただ、その特性を理解し適切な方法で育てることで、大きなトラブルもなくミモザを楽しむことができるようになります。
この記事では、ミモザを植えてはいけないと言われる理由の詳細のほか、ミモザを小さく育てる方法や適切な剪定方法など、ミモザを育てる際に必要な情報をまとめていますので、これから植えてみたいとお考えの方はぜひ参考にしてみてくださいね。
ミモザとは?
ミモザ(銀葉アカシア)とはマメ科アカシア属の植物の一種で、オーストラリア南西部原産の常緑高木です。ミモザという名前は、オジギソウの学名であるMimosaからきていますが、オジギソウとは別の種類です。
日本では春先に明るく黄色い花が見られる特徴があります。
ミモザにはいくつもの種類がありますが、日本でよく見られるミモザの種類としては、ギンヨウアカシア、プルプレア、フロリブンダ、ゴールデンワトルなどが挙げられます。
イタリアでは3月8日の国際女性デーに、男性から女性へミモザの花を贈る習慣があり、日本でも「ミモザの日」とされ、女性へミモザの花を贈る習慣を定着させようという動きが起こっています。
ミモザは植えてはいけないと言われる4つの理由
ミモザは可憐な花であり、多くの人々に人気のある植物ですが、時に「植えてはいけない」と言われることがあります。
ここでは、ミモザは植えてはいけないと言われる次の4つの理由についてご紹介します。
- 成長スピードが早く巨木になりやすいから
- 剪定作業が難しいから
- 寒さや害虫に弱いから
- 根が浅く強風で倒れやすいから
それぞれの理由について、次に詳しくお伝えしていきます。
成長スピードが早く巨木になりやすいから
ミモザは成長スピードが非常に早く、地植えすると巨木になりやすい特徴があります。ミモザは元々南米原産の植物ですが日本の気候にも比較的適応しやすく、品種によっては根が横に広がり、大きな木に成長してしまうことがあります。
樹高は5~10mになることもあるので、一般的な家庭の庭に植えるには大きすぎる樹木と言えます。
ミモザを地植えする場合は、その成長スピードや巨木になりやすい性質を理解し、慎重に植えることが重要です。
剪定作業が難しいから
ミモザは成長が非常に早く、枝や葉がどんどん伸びてきます。そのため、定期的な剪定が必要ですが、ミモザの枝はとても柔らかく、剪定する際に注意が必要です。
また、ミモザの花も美しいですが、剪定をすると花が咲かなくなることもあります。
ミモザの花を楽しみたい方にとっては、剪定作業が難しいと感じるでしょう。剪定作業が苦手な方であればミモザを植えることは再考の余地がありそうです。
寒さや害虫に弱いから
ミモザは耐寒性が低く、霜に当たると枝や葉が枯れてしまうことがあります。そのため、寒冷地での地植えはおすすめできません。
また、害虫にも弱い傾向があります。特にカイガラムシ、ミノムシ、コガネムシの幼虫であるネキリムシ、カミキリムシの幼虫であるテッポウムシなどの害虫による被害が多く、葉に穴が開いたり、黄色く変色したりすることがあります。
これらの理由から、寒冷地は当然ながら、害虫対策も欠かさず行うことができない場合は、再検討の余地がありそうです。
根が浅く強風で倒れやすいから
ミモザが属するアカシア属には1000種類以上の品種があり、その中には根が浅くて強風で倒れやすいものもありますが、そうでないものもあります。
ミモザは品種によっては根が浅く強風で倒れやすいものもあります。日本で人気の高い品種であるギンヨウアカシアやプルプレアなどの品種は、根が浅くて強風で倒れやすいと言われています
これらの品種は、樹高が5m~10mにもなり、枝が横に広がります。そのため、台風や強風などであおられて、木が折れたり倒れたりすることがとても多いです。倒れた木は、周囲の植物や建物に被害を与えたり、再生できなくなったりします 。
一方、フロリブンダやゴールデンワトルなどの品種は、根が深くて強風に強いと言われています 。これらの品種は、樹高が2m~8mほどで、花はクリーム色や明るい黄色で大きめです。根が深く伸びることで、水分や栄養を効率的に吸収できるだけでなく、強風にも耐えられる植物なのです 。
つまり、ミモザは、根が浅く強風で倒れやすいというのは、一概には言えないことがわかります。
ミモザを地植えすると後悔する理由
これまでミモザを植えてはいけないと言われる4つの理由についてお伝えしました。
もしかすると、どの理由も植えることを躊躇するほどではないと感じる人もいるかもしれません。できるだけ小さく育てて剪定や害虫対策をすることで大きな問題になることなく育てられるのも事実です。
ただ、それでもミモザを地植えして後悔する人がいるのは、想定を上回る状況になりがちな点が挙げられます。
思っていたよりも大きくなってしまったり、剪定作業が難しかったりと、こんなはずじゃなかったと後悔するケースは少なくありません。
ミモザを植えてはいけないと言われる理由とその対処法について正しく認識することで、後悔する可能性を減らすことができるでしょう。
ミモザを植えて近隣に迷惑をかける可能性
ミモザを地植えして適切な処置を行わないと、周囲への影響や迷惑が生じることがあります。
ミモザの巨木になりやすい特性は、地植えすると近隣の建物や他の植物に影を落とし、日照不足を引き起こす恐れがあるので注意が必要です。
また、ミモザは根が浅く強風で倒れやすいという特性があるため、地植えすると、強風の際に倒れて周囲の物に被害を与える可能性があります。
特に、住宅地や公共施設の近くに植える場合は、植える前にしっかりとミモザの特徴について知っておくことが大切です。
ミモザの剪定時期と方法
ミモザの剪定時期は、花が咲き終わった4月から6月上旬までに行うのが最適です。この時期に剪定することで、翌年の花芽を切り落とさないようにできます。また、枝数を増やして花付きを良くすることもできます。
ミモザの剪定方法は、主に次の3つがあります。
- 芯止め
- 切り戻し
- 透かし剪定
それぞれの方法とポイントは以下のとおりです。
1.芯止め
樹高を抑えるために主幹の一番上を切り落とす方法です。これにより、樹高が高くなりすぎるのを防ぎ、主幹を太く安定させることができます。切る位置は勢いのある枝の少し上で、トップ止めとも呼ばれます。
2.切り戻し
枝数を増やしてボリュームのある姿にするために枝を短く切る方法です。切り戻すと、その先が枝分かれして生長していきます。
ミモザは枝の先に花を咲かせるので、枝数を増やせば花が多く咲くようになります。切る位置は花が咲いた位置よりも少し主幹に近いあたりの葉の上で、必ず葉が出ているところで切ることがポイントです。
3.透かし剪定
混み合ってきた枝を整理し、風通しを良くするために枝を間引く方法です。奥の方の葉が出ていない枝や、元気がなくなってしまった枝、徒長している枝、他の勢いの良い枝の邪魔をしている枝など、不要な枝を整理します。
透かし剪定の際は枝の付け根から切り取るようにしましょう。
以上のように、ミモザの剪定時期と方法は、花芽や枝の状態に注意しながら行うことが大切です。
ミモザを丸く剪定する方法
ミモザを美しく育てるためには、剪定が欠かせません。特に地植えの場合は、周囲への影響や迷惑を考慮しながら行う必要があります。
ここでは、ミモザの丸く剪定する方法をご紹介します。
まず、剪定を行う時期は花が終わった春(4月~6月上旬)がおすすめです。春に剪定することで、新しい芽が出やすくなります。また、剪定には専用の剪定用具を使用しましょう。
剪定の手順は以下のとおりです。
ミモザの枝をよく観察し、不要な枝や伸びすぎた枝を見つけます。次に、剪定用具を使って、不要な枝を切り取ります。
切る位置は、花が咲いた位置よりも少し主幹に近いあたりの葉の上です。枝ぶりを少しコンパクトに仕立てたいのであれば、理想の位置まで切り戻してもよいでしょう。
注意点としては、必ず葉が出ているところで切るようにすることです。葉がないところまで切り戻してしまうと、新しい枝が出てこなくなる可能性があります。
また、ミモザの剪定は丸く形を整えることがポイントです。木の上から下へ長くなるように剪定することで、見た目を丸くすることができます。
小さく育てるには鉢植えがおすすめ
ミモザを小さく育てる方法は、鉢植えでの育成がおすすめです。鉢植えならば成長をコントロールしやすく、比較的管理もしやすいです。
鉢の大きさはミモザの根が広がることを考慮して、根がゆったりと広がれる大きさを選ぶことが重要です。また、鉢の底には排水穴を開け、水はけを良くすることも大切です。
ミモザは水を好む植物なので、乾燥に注意しながら、適度に水やりを行いましょう。また、日当たりの良い場所に置き、風通しも良くすることで、ミモザは小さく美しく育つことができます。
また、肥料は春から秋にかけて月に1回程度与えると良いです。ただし、過剰な肥料は成長を促しすぎるため、適量を守るようにしましょう。
注意すべきミモザの毒性について
ミモザも他のアカシア属と同様に多くのアルカロイドが含まれています。アルカロイドは人間にとっても軽い毒性を示すことがあり、皮膚や胃に炎症を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
また、ミモザには根から花びらまでタンニンというポリフェノールの一種が含まれています。
タンニンは、犬や猫にとって非常に刺激の強い成分であり、摂取すると嘔吐、食欲不振、元気喪失、肝臓や腎臓へのダメージがあるだけでなく、場合によっては死に至ることもあります。
そのため、ミモザをインテリアとして飾る際は、以下の点に注意しましょう。
- 赤ちゃんやペットの手の届かない場所に置く
- 花瓶の水はこまめに換える
- 誤食した場合は、すぐに医師・獣医師に連絡する
ミモザの花言葉は怖いのか
Googleでミモザについて調べていると、良く検索される言葉の中に「ミモザ 花言葉 怖い」という文字列が出てきます。
ミモザの花言葉は怖いのかと気になる人もいると思いますが、ミモザの花言葉は怖いということはありません。花の色や地域によっても変わるものの、どれもポジティブな意味が多く、相手を思いやる気持ちが込められています。
ミモザは、春の訪れを告げる美しい花です。その花言葉には、怖いものはありません。むしろ、大切な人に贈ると喜ばれる花として扱われています。
結婚式に最適な花言葉
ミモザは結婚式に最適な花言葉としても知られており、ウェディングシーンでは、花束やブーケに使われることがあります。
ミモザの花言葉は「幸せ」とされており、花嫁の幸せを願う気持ちを込めて贈られることが多いです。
また、フランスではミモザが春の象徴とされ、結婚式や母の日に贈られることもあります。さらに、ミモザの花言葉は「感謝」を表す国もあります。
ミモザの美しい黄色の花は、特別な日のお祝いや感謝の気持ちを伝えるのにぴったりの花です。
フランスでの花言葉は「感謝」
ミモザの花言葉は「感謝」である国もあります。
ミモザは、黄色い小さな花が集まってできた球状の花が特徴的で、春の訪れを感じさせてくれます。
その美しい花は、感謝の気持ちを伝えるのにぴったりです。特にフランスでは、ミモザの花言葉が「感謝」であることから、毎年3月8日にミモザの日が制定され、国民の感謝の気持ちを表す日として祝われています。
また、他の国でもミモザの花言葉を「感謝」としている場合があります。ミモザの花を贈ることで、感謝の気持ちを伝えることができるので、特別な日や大切な人に贈ると喜ばれることでしょう。
ミモザの品種にはどれくらい種類があるか
ミモザの品種はとても多く、その数は1000を超えるといわれていますが、日本で流通しているのはその中の一部で比較的よく見かけるのは以下のような種類です。
ミモザの品種 | 主な特徴 |
ギンヨウアカシア | 銀色がかったグリーンの葉と、春先に咲く明るい黄色の花のコントラストが美しい。シンボルツリーとして人気が高い |
プルプレア | ギンヨウアカシアの一種で、新芽が紫色に染まる。紫色と黄色のコントラストがおしゃれ |
スノーウィーリバー | 多湿に耐える丈夫な品種。細い棒状の葉と、房状に咲く黄色の花が特徴 |
フロリブンダ | クリーム色の優しい花色が魅力。ヤナギのような細長い葉がよく茂る |
ゴールデンワトル | 弧状にしなる美しい樹形と、大きな黄色い花が印象的。オーストラリアの国花としても親しまれている |
フサアカシア | モザの代表品種のひとつで、ふわふわとした黄色い花をたくさん咲かせる。切り花としても人気が高い |
サンカクバアカシア | 三角形の葉と、黄色い花が特徴。葉の形が変化するのがおもしろい |
以上が、ミモザの主な品種の一部です。それぞれに特徴や魅力がありますので、自分の好みや庭の雰囲気に合わせて選んでみてくださいね。
ミモザに関するQ&A
ここでは、ミモザに関するQ&A(質問&回答)を紹介します。
- アカシアとの違いは?
- 葉が落ちる原因と対策は?
- シンボルツリーにするのは問題ない?
- 冬越しの方法は?
上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。
アカシアとの違いは?
ミモザとアカシアは、見た目が似ているため混同されることがありますが、アカシアとミモザは異なる植物です。
まず、アカシアはアカシア科の植物であり、世界中に約1,200種類以上存在しています。一方、ミモザはアカシア科の中でも特定の種を指し、日本では銀葉アカシアと呼ばれています。
見た目の違いとしては、アカシアの花が黄色や白色であり、ミモザの花は黄色が特徴です。また、葉の形状も異なり、アカシアの葉は細長い形状であるのに対し、ミモザの葉は小さくて丸い形状です。
さらに、アカシアは世界各地で観賞される植物であり、乾燥地にも適応しています。一方、ミモザは主に地中海沿岸地域に自生しており、観賞用として栽培されることが多いです。
以上から、アカシアとミモザは見た目や生育環境などにおいて、いくつかの違いがあることがわかります。
葉が落ちる原因と対策は?
ミモザの葉が落ちる原因としては、主に次の4点が考えられます。
- 気温が低い
- 日光不足
- 水不足
- 肥料不足
それぞれの原因と対策について次に補足していきます。
1.気温が低い
ミモザは寒さに弱く、耐寒性は約-5℃ほどと言われています。
冬場は室内に移動させるか、ビニールや寒冷紗などで覆って保温する必要があります。
2.日光不足
ミモザは日光を好むため、十分な日光を浴びるようにしましょう。
3.水不足
ミモザは水が好きな植物であり、乾燥すると葉が枯れてしまいます。
土の表面が乾いたら水を与えるようにします。
4.肥料不足
ミモザには栄養が必要であり、定期的に肥料を与えることが大切です。
ミモザはマメ科の植物で、根粒菌という微生物と共生して空気中の窒素を利用できる性質を持っているため、窒素が多い肥料は必要ありません。むしろ、窒素過多になると根腐れや枯れの原因になります。
そのため、ミモザに適した肥料は、窒素が少なくカリウムとリン酸が多い化成肥料や油かすなどの有機肥料です。
肥料の与え方は、春から夏にかけての生長期に月に一回程度、鉢の縁から少し離して土の表面に散布し、水やりをしてなじませます。冬は休眠期なので、肥料は与えません。
肥料の量は、肥料の種類や鉢の大きさによって異なりますが、基本的には控えめにします
シンボルツリーにするのは問題ない?
ミモザはその美しい黄色い花で知られる植物ですが、ミモザの特性を知らずにシンボルツリーとして植えることは問題があります。
なぜなら、ミモザは成長スピードが非常に早く、地植えすると巨木になりやすいからです。ミモザの成長は急速であり、剪定作業が難しいため、管理が非常に難しくなります。また、ミモザは寒さや害虫にも弱く、根も浅く強風で倒れやすいため、地植えすると後悔することが多いです。
そのため、ミモザをシンボルツリーにする際は注意が必要です。
ただし、ミモザの特性を知った上でシンボルツリーとして植える分には何も問題ありません。むしろ美しい花を咲かせる大木として存在感のあるシンボルツリーとなるでしょう。
冬越しの方法は?
ミモザは寒さに弱い植物なので、-5℃以下になる地域では、鉢植えの場合は室内に入れるか、霜に当たらない軒下などに移動する必要があります。
ただ、ミモザは移植が苦手なので、冬場に植え替えをすると枯れる原因になります。植え替えをする場合は、春から夏にかけての生長期に行い、根っこを傷つけないように注意して行います。
地植えのまま冬越しをする場合は、株元に布や段ボールなどを巻き付けたり、根元に腐葉土やビニールなどでマルチングをしたり、枝が折れないように支柱で支えたりする対策が必要です。
注意点としては、休眠期である冬に強剪定を行うと枝葉が生長できずに枯れる原因になってしまうので、生長期に剪定を済ませておくことです。ミモザは生育が早く、枝葉がどんどん成長するので、考慮しながら剪定時期を計画しましょう。
まとめ:ミモザは植えてはいけないと言われる理由と上手に育てる方法
この記事では、ミモザは植えてはいけないと言われる理由や、地植えすると後悔する理由をご紹介しました。
ミモザは大きく育つ品種が多く、地植えにすると管理が難しくなります。また、移植や剪定が苦手で枯れやすいというデメリットもあります。ミモザを植えたいと思っている方は、鉢植えにして、日当たりや水やり、肥料や害虫などに注意して、小さく育てる方法を試してみましょう。
ミモザは繊細な植物なので、丁寧に管理して、春にはポンポンのような黄色い花を楽しみましょう。