かわいらしい花を咲かせるネモフィラですが、なかなか上手に育てることができないという人も多いでしょう。
気を付けるべきポイントさえ押さえれば、失敗の可能性は大幅に減らせるので、ぜひ挑戦してみて欲しいと思います。
ネモフィラを上手に育てる環境づくりから、切り戻しや冬越しの方法についてお伝えしていきます。
ネモフィラ栽培に適した環境づくり
ネモフィラは日当たりが良い場所で花付きがよくなります。また、病気や虫の予防には風通しの良い場所に植えると良いです。
ネモフィラを育てる際の用土づくりや水・肥料の与え方について、次にまとめました。
なお、ネモフィラの種まき方法についてはこちらのページで詳しくご紹介しているので合わせて確認してみてください。
用土づくり
ネモフィラは水はけの良い土を好みます。水はけの悪い土では根腐れや灰色カビ病などの病気にかかりやすくなるのでご注意ください。
市販の草花用の培養土を使うか、赤玉土やくん炭などを混ぜて排水性を高めましょう。
酸性土を嫌うため、土のpHが5.5以下の場合は、苦土石灰や木灰などを混ぜて中和しましょう。
水やりと肥料の与え方
ネモフィラは乾燥気味の土壌を好むため、水やりは土の表面が白く乾いてから行い、鉢植えの場合はたっぷりと与えます。
地植えの場合は、根が張るまでは水やりを行い、その後は降雨に任せます。
ネモフィラは丈夫な植物なので、肥料は少なめに与えます。地植えの場合は、元肥として化成肥料を施せば、後は特に与える必要はありません。
地植えの時期と方法
ネモフィラは直根性で移植を嫌うので、地植えする場合は庭に直接種をまくのが理想です。
苗を買ってきた時など、地植えのする際は根を傷つけないように優しく植えるように、15~20cmくらいの間隔を空けて植えるようにします。
風通しを良くして病気や虫の予防にもなるほか、花の色や形も美しく見えます。
ネモフィラを鉢植え・プランターで育てる方法
ネモフィラを鉢植え・プランターで育てる場合は、赤玉土(小粒)6:腐葉土4を混ぜあわせた用土か、市販の草花用培養土を使いましょう。
水はけを良くするために鉢底石を敷いて排水性を確保してから土を入れます。
鉢植えの場合は、3号鉢に3株ほど、プランターの場合は株間を10~15cmほど空けて植え付けるくらいが望ましいです。
植え替え時期と方法
ネモフィラの根は直根性で移植を嫌うので極力植え替えをしないようにしたいですが、どうしても植え替えが必要となった場合は、根を傷つけないように注意してください。
ネモフィラの植え替え時期は春の彼岸頃が適期です。この時期なら、根が張る前に移植することができます。
鉢から苗を取り出すときは、土を少し乾かしてからやさしくほぐしましょう。
室内での育て方
ネモフィラを室内で育てる方法は、鉢植えやプランターでの育て方と変わりはありません。
ただし、十分な日光とほどほどの冷気がないと健康に育たないので、屋外で育てる方が向いています。
どうしても屋内で育てたい場合は、日当たりと温度に気をつけて、土が乾いたらたっぷりと水を与えるようにしましょう。
ネモフィラの花が咲く時期と香り・花言葉
ネモフィラの花は、春(3月末~5月中旬)に開花します。
ほのかに甘い香りがしますが、香りは強くなく、近づいて嗅がないと分からない程度です。
ネモフィラの花言葉は、「可憐」「清々しい心」「どこでも成功」「あなたを許します」などがあり、花の形や色、ギリシャ神話などが由来とされています。
また、ネモフィラは4月7日の誕生花とされています。
剪定(花がら摘みと切り戻し)する方法と目的・時期
ネモフィラは大幅な剪定は必要ありませんが、株元の黄色くなった葉や枯れた花を取り除き、風通しを良くすると元気に生育します。
花がら摘みをすることで、新しい花芽をつけやすくなります。
ただし、花がら摘みをすると種の採取ができなくなるので、種を取りたい時には花がら摘みをしすぎないよう注意しましょう。
剪定は開花期間の3月から5月までの間で行うようにします。
ネモフィラの夏越しができない理由
ネモフィラは春に咲く一年草で暑さには弱いハーブなので、夏越しができないことがほとんどです。
種を採取して秋に種まきをして春に花を楽しむのがネモフィラを楽しむ一般的なサイクルになります。
耐寒性と冬越しの方法
寒冷地では春に種まきをするため冬越しをさせることはありませんが、温暖地では秋に種を蒔いて冬越しさせます。
ネモフィラは軽い霜には耐えられますが、マイナス5℃以下になると凍結の危険があるため、地域によってはマルチングなどの防寒対策が必要になります。
種の収穫時期と方法
ネモフィラの種は、花が咲き終わってから約1ヶ月後に収穫できます。
花弁が落ちた後、実が徐々にふくらんで茶色く枯れていきます。実が半分に開きかけた状態が収穫の目安です。
ネモフィラの種はとても小さく、手でひとつひとつ取るのは大変です。実ごと採取して、新聞紙やキッチンペーパーの上で乾燥させてから種を取り出すのがおすすめです。
種はしっかり乾燥させてから、冷暗所で保存しましょう。
ネモフィラの育て方に関するQ&A
ここでは、ネモフィラの育て方に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。
- 根元がぐらぐらする原因は?
- ネモフィラがしおれる原因は?
- 葉っぱばかりになる原因は?
- 植えっぱなしでも大丈夫?
上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。
根元がぐらぐらする原因は?
ネモフィラの根元がぐらぐらする原因は、主に根腐れによるものです。根腐れは、以下のような要因で起こります。
- 日照不足
- 水分過多
- 肥料の過不足
- 密植
ネモフィラの根元がグラグラしている原因を探る際はこれらの点を探ってみてください。
ネモフィラがしおれる原因は?
ネモフィラがしおれる原因としては次の4つが考えられます。
- 水分過多
- 日照不足
- 霜や凍結
- 病気や害虫
ネモフィラはポトリチス病にかかりやすいので、枯れ葉や傷んだ葉は定期的に取り除くようにしましょう。
葉っぱばかりになる原因は?
ネモフィラが葉っぱばかりになる原因はいくつかありますが、よくある原因は以下の3つがあります。
- 肥料の与えすぎ
- 日当たりの悪さ
- 病気や害虫の被害
病気や害虫によって葉が傷んだり栄養が奪われたりして、花が咲きにくくなることで葉っぱばかりになってしまうことがあります。
植えっぱなしでも大丈夫?
ネモフィラは植えっぱなしでも大丈夫な花です。ネモフィラは一年草なので、特に植え替えは必要ありません。
ただし、根腐れや病気を防ぐために、日当たりと風通しを良くし、水やりと肥料を適切に行い、株間を空けて植えることが大切です。
まとめ:ネモフィラの育て方のポイント
ネモフィラは日当たりと風通しの良い場所で育てるのがポイントです。
排水性の良い鉢やプランターを使用し、軽く押さえた園芸用土を入れます。苗は15〜20cm間隔で植え、水やりは土が乾いたらたっぷりと行い、過湿に注意します。
成長期には月1〜2回の液体肥料を与え、摘心や剪定で形を整えます。寒冷地では冬の霜よけ対策も重要です。