ステビアは天然由来の甘味料で、カロリーや糖質がほとんどなく、虫歯にもなりにくいというメリットがあるので、砂糖の代わりにステビアを使っている方は多いと思います。
しかし、ステビアには発がん性や不妊へのリスクがあるという意見もあり、心配になっている方も多いでしょう。
この記事では、ステビアの危険性・安全性について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ステビアとは?自然由来の甘味料の基本情報
ステビアは天然由来の甘味料で、砂糖の200〜300倍の甘さがありながらもカロリーや糖質がほとんどないという魅力的なハーブです。
ここではステビアの歴史や甘さの秘訣、食品への利用方法などについてご紹介します。
歴史と原産地
ステビアは南アメリカが原産のハーブで、パラグアイやブラジルの先住民グアラニー族が約1500年前から甘味料や薬草として利用していたとされています。
16世紀にはスペイン人によってヨーロッパにも伝えられましたが、広く普及することはありませんでした。
1971年に日本の守田化学工業が世界で初めてステビアの甘味料を商品化し、その後、多くの国で食品添加物として認可されるようになりました。
甘さの秘密:ステビオシドとレバウジオサイドA
ステビアの甘さは、その葉から抽出される化合物、特にステビオシドとレバウディオサイドAによるものです。
これらの化合物は砂糖よりも約200倍の甘さを持ちながら、カロリーはゼロです。そのため、ステビアはダイエットや糖尿病の方におすすめの天然甘味料として利用されています。
ステビアは南アメリカが原産のハーブで、日本では主に甘味料として使われていますが、ハーブティーやシロップにも加工できます。また、ステビアには抗菌作用やアレルギー予防などの効果も期待できます。
利用方法と食品への応用
ステビアの利用方法と食品への応用について、いくつかご紹介します。
砂糖の代わりに利用する
ステビアの葉は生のままでも乾燥させても砂糖の代わりに利用できます。
少量で十分な甘さが得られるので、カロリーや糖質を気にする方におすすめです。
煮出してシロップにする
ステビアの葉を煮出してシロップにすると、飲み物や料理に加えやすくなります。コーヒーや紅茶、ジュースやスムージーなどに入れると、さわやかな甘みを楽しめます。
ハーブティーとして飲む
ステビアの葉を乾燥させてハーブティーとして飲むこともできます。
ステビアの葉には抗菌作用やアレルギー予防などの効果も期待できるといわれています。
ハーブティーの淹れ方や効能についてはこちらのページで詳しくお伝えしています。
食品加工に用いる
ステビアは熱にも低温にも強いため、あたたかいお菓子や料理から、アイスクリームなど冷たいものまで、さまざまな食品加工に適しています。
ステビアは食品の変色や変質を防ぐ効果もあります。漬物やジャム、ケーキやクッキーなどに使うと、保存性が高まります。
ステビアの危険性と安全性について
ステビアは安全に用いることができるハーブですが、時に毒性や発がん性、不妊への影響が心配される意見が挙がることもあります。
ここではステビアの危険性を安全性についてそれぞれご紹介していきます。
毒性があるか
ステビアには毒性はありません。ステビアについてはこれまでに多くの研究がなされていて、安全性が認められています。
含まれる甘味成分は、腸内で分解されても毒性はないことが明らかになっています。
発がん性の危険性はあるか
過去には、ステビアの成分が遺伝子に影響を与える可能性があると指摘された論文(1968年に発表)がきっかけでステビアには発がん性があるという疑惑がありました。
しかし、その後の多くの研究により、ステビアには発がん性や毒性がないことが明らかになり、現在では、日本をはじめ、アメリカ・中国・EUなど、多くの国でステビアの使用が認められています。
不妊への影響
発がん性とともに、ステビアには不妊への影響があるという疑惑がありました。これも1968年の論文をきっかけに広がりました。
しかし、これも発がん性と同様に、不妊への影響はないことが以後の研究によって明らかにされています。
ただし一部では、長期間摂取することによる蓄積効果によって不妊の原因になる可能性はあるという意見もあるので、常用していても不妊への影響はないと断言することはできない可能性もあります。
危険性・安全性に関する科学的根拠
ステビアには毒性がないこと、発がん性や不妊への影響がないことなど、ステビアの危険性や安全性に関する科学的根拠はいくつか論文によって示されています。
ここでは、ステビアの安全性に関して科学的根拠を示す資料をご紹介します。
【参考】
日本食品化学研究振興財団による平成8年度 厚生科学研究報告書。
ステビア工業会の公式サイトで、ステビアの安全性に関する研究報告書や試験結果が紹介されています。
副作用について
キク科の植物に対してアレルギー反応がある方にとっては、かゆみや発疹、呼吸困難などの症状を引き起こす可能性があります。
また、子どもは特にステビアが持つ血圧を下げる働きによって低血圧を引き起こす危険性があるため、注意が必要です。
そのほか、砂糖以上の甘さを持つステビアの甘さに慣れてしまうことで、日常的に甘味料の摂取量が増えてしまう可能性もあります。
こうした点はステビアの副作用として認識したうえで、用いる際は適量を使うようにしておきましょう。
摂取量と安全基準
ステビアの摂取上限量は、国際基準となっている1日あたりの許容量(ADI)を参考にすると、体重50kgの人で約500mgに相当します。
この摂取上限量の安全基準値は、過去の調査結果や長期試験データをもとに設定した数値となっていて、長期的な使用の見地からも問題なく採用できる基準値となっています。
ステビア代替品とその安全性:他の甘味料との比較
ステビアの代替品としては、サッカリンやアスパルテーム、アドバンテームなどの人工甘味料があります。
これらは人工的に合成した甘味料で、「カロリーゼロ」や「糖質ゼロ」と書かれた食品に使われているので、名称を目にしたことがある人も多いと思います。
しかし、これらの甘味料は人工的に生成された成分であるため、摂取しすぎると体に害を及ぼす可能性があるので注意が必要です。
最新の研究では、人工甘味料の摂りすぎは糖尿病発症のリスクを上昇させ、カロリーゼロであっても体脂肪が増加して太りやすくなることが分かっています。
また、下痢や腹痛などの胃腸炎症状を引き起こす可能性もあるので注意が必要です。
その点、ステビアはこうした副作用の心配もなく活用できるため、これからのさらなる広がりが期待できそうです。
ステビアの危険性に関するよくある質問と回答
ここでは、ステビアの危険性に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。
- 子供や妊婦に安全か?
- アレルギー反応はあるのか?
上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。
子供や妊婦に安全か?
ステビアにはいくつかの種類があり、それぞれ安全性や摂取量が異なります。
一般に、FDAによって承認されたステビオール配糖体と呼ばれる精製抽出物は、子供や妊婦にとっても安全であると考えられています。
しかし、ステビオール配糖体は、ブドウ糖やマルトデキストリンなどの他の甘味料と混合されている場合があります。これらの成分は、血糖値や体重に影響を与える可能性があります。
また、ステビアの全葉や粗抽出物は、FDAによって承認されていません。その安全性に関する研究は不足しており、妊娠中に摂取すると性ホルモンの減少や妊娠率の低下などの副作用がある可能性があります。
したがって、子供や妊婦の場合は、ステビオール配糖体を含むFDA承認の製品を適度に使用するか、純粋なステビア抽出物を選択することがおすすめです
アレルギー反応はあるのか?
ステビアはキク科の植物であり、キク科の花粉やヨモギなどにアレルギーがある人は、ステビアにもアレルギー反応を起こす可能性があります。
ステビアに対するアレルギー反応は、じんましんや鼻水、喉の痒みや腫れ、咳や呼吸困難などの症状が現れることがあります。
重度の場合は、アナフィラキシーショックという命に関わる状態になることもありますので、注意が必要です。
ステビアに対するアレルギー反応は、非常に稀であると言われていますが、キク科アレルギーの方は、ステビアを摂取する前に医師に相談することをおすすめします。
まとめ:ステビアの危険性や発がん性や不妊へのリスク
この記事ではステビアの危険性について紹介しました。
一部の意見ではステビアの発がん性や不妊へのリスクを危惧する声がありますが、これまでの研究結果からこうした心配がなく用いることができることがわかっています。
ただし、キク科アレルギーをお持ちの方など、多少の危険性はあるのでリスクについてしっかりと確かめてから用いるようにして欲しいと思います。