ペニーロイヤルミントはアロマオイルとして人気のある植物ですが、実は毒性が高く、過剰摂取や誤った使用方法によって重篤な副作用を引き起こす可能性があります。
一方で、消化促進や鎮痛、抗菌、抗炎症などの効能もあり、正しい使用方法を守れば、健康や美容に役立つハーブとして活用できます。
また、強い香りはノミ、ダニなどの害虫を寄せ付けない効果もあり、自然な虫除けとしても使えます。
この記事では、ペニーロイヤルミントの毒性と効能について詳しく解説し、安全な使用方法と虫除け効果についても紹介します。
ペニーロイヤルミントの毒性
ペニーロイヤルミントは香りも良く一般的に栽培されているガーデンハーブですが、毒性があることから、基本的には食用や飲用に用いることはできません。
また、ペニーロイヤルミントの精油は非常に危険で、経口摂取はもちろんのこと皮膚へ触れることでも
毒性による健康リスク
ペニーロイヤルミントに含まれる精油の主成分であるプレゴンという物質には毒性があり、嘔吐、発熱、頭痛、痙攣、子宮収縮作用などの症状を引き起こす可能性があります。
特に妊娠中の女性や乳幼児には危険です。重篤な場合には、呼吸停止や多臓器不全に至って死亡する可能性もあるため注意が必要です。
古代から中絶薬や婦人科系の薬として使用されてきたと言われています。ただし、現代でもその効果ははっきりしておらず、一説によると効果を得るには致死量に近い量を摂取しなければならないとされています。
なお、ペニーロイヤルミントの毒性については、現在も詳細や作用機序は解明されていません。
犬や猫に対する危険性
ペニーロイヤルミントの毒性は、人間と同様に犬や猫などのペットにとっても危険です。
かなりの量の生の葉や茎を摂取すると、無気力、嘔吐、下痢などの中毒症状が現れる可能性があります。
また、精油が体についたり口に入ったりすると、さらに深刻な症状を引き起こすことがあります。重篤な場合には、けいれん、肝障害、出血、呼吸困難、昏睡、死亡などに至る危険性があるので注意が必要です。
精油は、ペットのノミやダニを駆除するために使われることがありますが、効果は確実ではなく危険な行為なのでおすすめできません。
万が一、犬や猫がペニーロイヤルミントを口に入れてしまった可能性がある場合は、すぐに獣医に連絡するようにしてください。
ペニーロイヤルミントの効能
ペニーロイヤルミントには毒性がある一方で、体に嬉しい効果があることも科学的に証明されています。
基本的には虫除けとしての効能を求めて用いることが多いですが、服用することで得られる効能としてもあるので、あわせてご紹介していきます。
主な効能
ペニーロイヤルミントの主な効能は虫除けや防虫です。ペニーロイヤルミントには一部の害虫を寄せ付けない成分が含まれています。
グランドカバーにしたり、乾燥させてポプリにしたりすることで虫除けの効果が期待できます。(ただし、殺虫効果はないのでご留意ください)
他にも胃痛やお腹の不調を和らげる効能があると言われています。
ペニーロイヤルミントティーには抗痙攣作用があるので胃の調子を改善してくれるということですが、前述したとおりペニーロイヤルミントには毒性があるため内服はおすすめできません。
科学的に証明された効能
ペニーロイヤルミントの効能は、古くから民間療法として伝えられてきましたが、科学的な根拠はまだ十分に確立されていません。
ただし、以下のような効能については科学的な証明がなされているようです。
下痢,疝痛(周期的に起こる内臓痛),熱っぽいカゼ,月経痛に用いる.妊婦は利用しない.イギリスではブラックプディング(材料に血液を加えるソーセージ)に利用する.ヨーロッパではノミよけとして利用され,新鮮な地上部を布にくるんでベッドに入れて利用された.一週間に一度換える.
ペニーロイヤルミントの虫除け効果
ペニーロイヤルミントは、虫除け効果のために用いれられることが多く、科学的根拠もあるとされていますが、探してみた範囲内ではありますが、一般的に広く公表されているわけではなさそうです。
ここでは、ペニーロイヤルミントの虫除け効果としてどういった虫に効果があるのかについてもご紹介します。
虫除け効果に関する科学的根拠
ペニーロイヤルミントの虫除け効果は、モノテルペンという化合物の一種であるプレゴンという成分によるものです。(プレゴンは植物が防御や誘引などの目的で作り出すもの)
参考:ケミカルス覚書 プレゴン
プレゴンの忌避作用については、いくつかの研究が行われていて科学的根拠があると言われているものの、ネット上で検索する範囲においては見つけることができませんでした。
ゴキブリやカメムシにも効果があるのか
ペニーロイヤルミントの虫除け効果は、カメムシやノミ、アリなどに有効ですが、ゴキブリには効果がないと言われています。
ゴキブリはペニーロイヤルミントの香りに対して鈍感で、毒性も無視してしまうからです。
ゴキブリを寄せ付けないハーブとしては、ミントやローズマリー、ラベンダーなどがおすすめです。これらのハーブは強い香りがゴキブリの嗅覚を刺激して嫌がらせる効果があります。
副作用と対処法
ペニーロイヤルミントは、ハーブティーや薬草として利用されることがありますが、その成分には毒性があることを知っておく必要があります。
ペニーロイヤルミントに含まれるプレゴンという化合物は、肝臓や腎臓に損傷を与えたり、子宮収縮作用を持ったりするため、過剰摂取や長期摂取は危険です。
副作用としては、以下のような症状が報告されています。
- 嘔吐
- 発熱
- 頭痛
- 痙攣
- 肝障害
- 腎障害
- 出血
- 中絶
- 死亡
ペニーロイヤルミントの副作用に対する対処法は、まずは摂取を中止し、医師に相談することです。症状が重篤な場合は、救急医療を受ける必要があります。
の摂取量や期間、症状などを正確に伝えることが重要です。
副作用を避けるためには、以下の点に注意してください。
- 料理やハーブティーには使わない。
- 精油は非常に危険なので、絶対に服用しない。
- 妊娠中や授乳中の女性、子供、肝臓や腎臓に問題のある人は避ける。
ペニーロイヤルミントのグランドカバーで雑草対策は可能か
ペニーロイヤルミントは、地を這うように広がり、踏みつけにも強い植物であることから、グランドカバーとして利用することができます。
グランドカバーとして地面を覆うことで、土の流出や乾燥を防止したり、目立たせたい花や木にスポットを当てたりすることができるだけでなく、特有の香りが虫を寄せ付けない効果があることから雑草対策としても有効です。
ペニーロイヤルミントのハーブティーの効能
ペニーロイヤルミントのハーブティーには、以下のような効能があると言われています。
- 発汗解熱作用
- 風邪やインフルエンザ症状の緩和
- 痛みや炎症の抑制
- 女性ホルモンの調整
- 生理痛や月経不順の改善
ペニーロイヤルのハーブティーは、人体への刺激がないとは言えないため、一週間以上続けて服用したり、妊娠中の服用は控えるようにしてください。
まとめ:ペニーロイヤルミントの毒性と効能
ペニーロイヤルミントは毒性が高いハーブですが、効能も豊富で様々な用途に使えます。
安全に使用するためには、以下の点に注意しましょう。
- 妊娠中や授乳中、子供やペットには絶対に与えない。
- ペニーロイヤルミントのオイルは、絶対に飲まない。
- 使用した後に吐き気や頭痛、腹痛などの症状が出たら、すぐに医師に相談する。
ペニーロイヤルミントはノミ、ダニなどの害虫を寄せ付けない虫除け効果もありますハーブやオイルを家の中や外の場所に置いたりスプレーしたりすることで、自然な虫除けとして活用できます。
ただし香りは人にとっても強烈なので、使用量や場所には注意しましょう。