セントジョーンズワートとは、西洋オトギリソウとも呼ばれるヨーロッパや中央アジアに自生する多年草です。黄色い花が特徴的で、古代ギリシア時代から抗炎症剤や殺菌剤として使われてきました。
しかし、近年ではうつ病や不安などの精神的な不調に対する効果が注目されています。
脳内の神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンの分泌を促進する成分によって、気分を安定させたりリラックスさせたりすると言われています。
そんなセントジョーンズワートをハーブティーにして飲むと、どんな効果があるのでしょうか?また、美味しく飲むにはどうすればいいのでしょうか?
この記事では、気になる効果や美味しい飲み方について詳しくお伝えしていきます。
ハーブティーには色んな効果があって、日常の悩みを軽減できる種類がいっぱいあるよ。
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セントジョーンズワートのハーブティーの効果
セントジョーンズワートのハーブティーに期待できる効果はさまざまですが、中でも注目されているのが抗うつ作用です。
セントジョーンズワートに含まれる成分が、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンなどの濃度を高めることで、気分を明るくし、不安や落ち込みを和らげるとされています。
ドイツでは医薬品として扱われており、軽度から中程度のうつ病に対しては一般的な抗うつ薬と同等かそれ以上の効果があるという臨床試験の結果もあります。
日本でも、サプリメントやハーブティーとして販売されており、うつ病だけでなく更年期障害や月経前症候(PMS)、自律神経失調症などにも効果が期待されています。
ここでは、セントジョーンズワートのハーブティーの効果として挙げられることの多い、
- 不安障害への効果
- 自律神経を整える効果
上記2つの効果について詳しくお伝えしていきます。
参考:厚生労働省 eJIM
不安障害への効果
セントジョーンズワートは、不安障害に対して抗不安作用を示すという研究結果があります。
神経伝達物質の一種であるGABA(ギャバ)の働きを強めることで、脳内の興奮を抑えて鎮静作用を発揮します。
また、セロトニンやドーパミンなどの気分に関係する神経伝達物質の代謝も調整し、不安や恐怖を和らげ、不安障害に処方される抗不安薬と同等かそれ以上の効果があるという報告もあります。
自律神経を整える効果
セントジョーンズワートは、自律神経のバランスを整える効果があります。
交感神経の働きを抑えて副交感神経の働きを促進することで、心拍数や血圧や呼吸などを安定させます。
また、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の分泌量も調整し、ストレスによる自律神経の乱れを改善します。そのほか、自律神経失調症や更年期障害などに有効であるという報告もあります。
効果が出るまでどれくらいかかる?
セントジョーンズワートのハーブティーは、抗うつ作用やリラックス効果などが期待できる素晴らしい飲み物ですが、その効果を感じるまでには時間がかかります。
個人差はありますが即効性は期待できず、一般的には約4週間ほど継続して飲む必要があると言われているため、気長に飲み続ける必要があります。
口コミを見ていると「セントジョーンズワートのハーブティーは効果なし」という意見も見られますが、飲み続けないうちに判断してしまうケースが多いように感じられます。
おおよその効果時間
セントジョーンズワートのハーブティーの効果時間は4時間程度と短いです。
つまり、飲んでから4時間後にはその効果はほとんどなくなってしまうということです。
そのため、セントジョーンズワートのハーブティーの効果を最大限に活かすためには、1日3回に分けて飲むことがおすすめです。
1回に飲む量の目安は、およそ200cc (カップ1杯)です。 飲むタイミングは、朝・昼・夜というように均等にすると良いでしょう。
報告されている副作用
セントジョーンズワートのハーブティーはうつ病などへの効果が認められる一方で、副作用も報告されています。
また、セントジョーンズワートは、他の薬やハーブと相互作用する可能性が高く、重篤な症状を引き起こすこともあるので注意が必要です。
主な副作用と注意点は次のとおりです。
副作用 | 詳細・注意点 |
日光過敏症 | 日光過敏症とは、日光に当たると皮膚が赤くなったり、かゆみや水ぶくれができたりする状態です。事例は多くありませんが、日焼け止めを塗ったり帽子や長袖を着用したりして、日光に注意してください。 |
胃腸障害 | 吐き気や嘔吐、下痢などが起こることがあります。食事と一緒に飲むと緩和される場合があります。 |
頭痛やめまい | 血圧や血糖値の変動によって起こることがあります。水分や塩分の補給を心がけてください。 |
アレルギー反応 | 発疹やかゆみ、呼吸困難などが起こることがあります。アレルギー体質の人は注意してください。 |
次に、薬や他のハーブとの相互作用についてですが、薬や他のハーブと併用すると、その効果や副作用を変化させる可能性があります。
例えば、以下のような薬やハーブと併用すると危険な場合があります。
薬やハーブ | 症状 |
抗うつ薬 | セロトニン症候群という重篤な状態を引き起こす可能性があります。セロトニン症候群は、高熱、けいれん、不安、錯乱などの症状を伴います。 |
経口避妊薬 | 避妊効果を低下させる可能性があります。妊娠を避けたい場合は、別の避妊方法を併用する必要があります。 |
抗凝固薬 | 出血リスクを増加させる可能性があります。血液検査や手術を受ける前には医師に相談してください。 |
抗HIV薬 | HIVウイルスに対する効果を減少させる可能性があります。 |
シトクロムP450酵素に影響する薬やハーブ | 肝臓で代謝される薬やハーブの効果や副作用を変化させる可能性があります。このような薬やハーブには、ステロイド、抗不整脈薬、抗てんかん薬、抗結核薬、抗がん薬などが含まれます。 |
これらは一例であり、他にもセントジョーンズワートと相互作用する可能性のある薬やハーブは多数存在します。日常的に薬を飲んでいる方は、事前に必ず医師や薬剤師に相談してください。
禁忌
セントジョーンズワートのハーブティーは、有用な面がある一方で禁忌もあります。
ここでは、セントジョーンズワートのハーブティーを飲むべきでない人や状況について詳しく解説します。
禁忌 | 補足 |
妊娠中や授乳中の女性 | 子宮を刺激する作用があるため、流産や早産のリスクを高める可能性があります 。 また、母乳に移行する可能性があり、赤ちゃんに影響を与える可能性があります 。 |
薬を服用している人 | 薬と併用するとその効果や副作用を変化させる可能性があります 。 例えば、抗うつ薬や経口避妊薬などはセントジョーンズワートと相性が悪く、危険な場合があります。 |
うつ病の治療中の人 | 抗うつ薬と併用するとセロトニン症候群という重篤な状態を引き起こす可能性があります 。 セロトニン症候群は、高熱、けいれん、不安、錯乱などの症状を伴います。 |
日光に当たる予定がある人 | 日光過敏症を起こす人は少数ですが、日焼け止めを塗ったり帽子や長袖を着用したりして、日光に注意してください。 |
セントジョーンズワートのハーブティーの作り方
セントジョーンズワートのハーブティーを作るには、以下の材料が必要です。
材料 | 補足 |
セントジョーンズワート | 市販のティーバッグやリーフタイプなどがあります。1杯分につき約1.5gが目安です。 |
お湯 | 沸騰したお湯を使用します。1杯分につき約200mlが目安です。 |
はちみつやレモンなど | お好みで味付けに使用します。無糖でも飲めますが、苦みがあるため甘みや酸味を加えると飲みやすくなります。 |
上記の材料を揃えたら、以下の手順でハーブティーを作っていきましょう。
- カップにセントジョーンズワートを入れる。
- 沸騰したお湯を注ぐ。
- カップにフタをして約7分ほど蒸らす。(蒸らす時間が長いほど苦みが強くなる)
- 茶こしやフィルターなどでハーブを取り除く。
- お好みではちみつやレモンなどを加えて味付けする。
以上で完成です。カップに入れるセントジョーンズワートは、ティーバッグタイプならそのまま、リーフタイプなら茶こしやフィルターなどを使用します。
飲むタイミングで最適なのは?
そのままだと苦いと感じる場合は、蜂蜜やレモンなどで味付けすると飲みやすくなるでしょう。
いつ飲めばいい?と飲むタイミングを気になる人は多いと思いますが、気分が落ち込んだり不安になったりするときに飲むと効果的です。摂取タイミングは個人差や目的によって異なりますが、以下を目安として飲むのが良いでしょう。
タイミング | 期待できる効果 |
朝 | 一日の始まりに気分を明るくし、活力を与えることができます。 |
昼 | 昼食前や昼食後に摂取することで、午後の仕事や勉強に集中力や忍耐力を高めることができます。 |
夕 | 夕食前や夕食後に摂取することで一日の疲れやストレスを和らげ、リラックスすることができます。 |
就寝前 | 就寝前に摂取することで不安や緊張を解消し、快適な睡眠を促進することができます。 |
ただし、効果を感じるまでに時間がかかることもあるため、毎日継続して飲むことが大切です。
主な販売店
セントジョーンズワートのハーブティーを飲んでみたいという方向けに、主な販売店として
- オンラインショップ
- カルディ
- 生活の木
- 成城石井
上記4つの店舗についてお伝えしていきます。
オンラインショップ
セントジョーンズワートのハーブティーは、オンラインショップで探すのが便利です。
オンラインショップでセントジョーンズワートのハーブティーを購入する際は、信頼できる販売店やメーカーから購入することが大切です。(セントジョーンズワートは、品質や安全性に影響する成分が多く含まれているため)
また、有機栽培や無農薬などの表示がある場合は、認証機関や基準などを確認しておきましょう。
オンラインショップでセントジョーンズワートのハーブティーを購入する場合は、以下のようなサイトがおすすめです。
オンラインショップ | 補足 |
ハーブ専門店「enherb」 | サントリーグループのハーブ専門店であり、高品質なハーブティーを販売しています。 セントジョーンズワートは茶葉タイプで、20gから購入できます。 |
ハーブティー専門店 Design with Tea Salon | ハーブティーの専門家が厳選したハーブティーを販売しています。 セントジョーンズワートは茶葉タイプで、20gから購入できます。 |
楽天市場 | 様々な販売店やメーカーからセントジョーンズワートのハーブティーを購入できます。 セントジョーンズワートはティーバッグタイプや茶葉タイプなどがあります。 |
カルディ
カルディで取り扱いのあるセントジョーンズワートのハーブティーは、「yogi ヨギティー セントジョーンズワート」です。
この商品は、セントジョーンズワートだけでなく、フェンネルシードやシナモンやスペアミントなどの様々なハーブやスパイスをブレンドしたインド伝統のティーです。
ティーバッグタイプで手軽に楽しめ、味もシナモンが効いていて飲みやすくて人気です。
生活の木
生活の木で取り扱いのある「有機セントジョーンズワート」は、有機JAS認証を取得したセントジョーンズワートだけを使用したシングルハーブティーです。( リーフタイプとティーバッグタイプあり)
また、セントジョーンズワートを含む9種類のハーブをブレンドした女性向けのハーブティーとして「私の30日茶女性の味方ブレンド」も販売されています。
黒大豆やルイボスレッドなどの美容に良い成分が含まれています。
レディースマントルやセントジョーンズワートなどの女性の味方になる成分も配合されているのが特徴です。
成城石井
成城石井では、「ネイチャーホリック セントジョーンズワートブレンド 12p」が販売されています。
気持ちを落ち着かせたい時、前向きになりたい時に使いやすいよう、セントジョーンズワートにペパーミントが配合されたハーブティーです。
セントジョーンズワートのハーブティーに関するQ&A
セントジョーンズワートのハーブティーに関するQ&A(質問&回答)を紹介します。
- 一日の摂取量は?
- バレリアンとの違いは?
- セントジョーンズワートのサプリはDHCにある?
上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。
一日の摂取量は?
セントジョーンズワートの一日の摂取量は、商品によって異なりますが、一般的な目安としては以下のようになります。
摂取形態 | 摂取量の目安 |
ハーブティー | 成分の含有量は商品によって異なりますが、一般的にはサプリメントよりも少ないと考えられます。 1日に2~3杯程度が目安です。 |
サプリメント | セントジョーンズワートエキス末を含むサプリメントの場合は、商品に記載されている用法や用量を守ってください。 |
摂取量はあくまで目安であり、自分に合った量を見つけることが重要です。 効果が感じられない場合や副作用が出る場合は、摂取量を減らしたり増やしたりするか、使用を中止するかを検討してください。
バレリアンとの違いは?
セントジョーンズワートとバレリアンは、ともに心身の健康に役立つハーブとして人気があります。
両者の違いを以下に簡単にまとめました。
セントジョーンズワート | バレリアン | |
植物学的な違い | オトギリソウ科の多年草で、黄色い花を咲かせます。 ヨーロッパ原産で、古くから魔除けや傷の治療に使われてきました。 有効成分は、ヒペリシンやヒペルフォリンなどのフラボノイド類。 | オミナエシ科の多年草で、白やピンクの花を咲かせます。 ヨーロッパやアジア原産で、古代ギリシャから不眠や神経症に使われてきました。 有効成分は、バレポトリエートやバレニック酸などのイリドイド類。 |
効果的な違い | 気分を高めたり安定させたりする効果が期待されるハーブです。 ヒペリシンやヒペルフォリンは、神経伝達物質のセロトニンやドーパミンなどの代謝に影響し、抗うつ作用や抗不安作用を示すと考えられています。 | 睡眠を促したり深めたりする効果が期待されるハーブです。 バレポトリエートやバレニック酸は、神経伝達物質のGABA(ギャバ)の働きを強めることで、鎮静作用や筋弛緩作用を示すと考えられています。 |
副作用的な違い | 医薬品や他の栄養補助食品との相互作用に注意が必要 | 左に同じ |
セントジョーンズワートのサプリはDHCにある?
セントジョーンズワートのサプリはDHCにもあります。DHCのサプリには以下の成分が配合されています。
- セントジョーンズワートエキス末
- フラボノイド
- オリーブ油
DHCのセントジョーンズワートは、気分を高めたり安定させたりする効果だけでなく、抗酸化作用や免疫力を整える効果も期待できるサプリメントです。
まとめ:セントジョーンズワートのハーブティーの効能や作り方
この記事では、セントジョーンズワートのハーブティーについてご紹介しました。
うつ病や不安などの精神的な不調に効果があると言われているハーブで、飲むと気分を安定させたり、リラックスさせたりすることが期待できます。
ただし、副作用や相互作用もありますので、注意が必要です。特に、抗うつ薬や避妊薬などの薬を服用している場合は、医師に相談してください。
また、美味しいセントジョーンズワートのハーブティーを作るには、水温や浸出時間に気を付けることが大切です。さらに、レモンやはちみつなどを加えると、風味や効果がアップします。セントジョーンズワートのハーブティーを楽しむための参考にしてみてください。