ジャスミン茶を飲むとワキガになるという噂がありますが、結論から言うと医学的根拠はありません。
ワキガは、アポクリン汗腺の分泌物が皮膚常在菌により分解されて生じる臭いであり、基本的には遺伝によって決まる体質です。ジャスミン茶が原因でなることはないのでご安心ください。
ただ、ワキガにならずとも、飲み過ぎることによって少なからず体臭への影響はあるという意見もあるため、体臭が気になる方は念のため注意しておくと良いと思います。
そこでこの記事では、ジャスミン茶を飲むとワキガになる説に対する真相と、体臭をはじめとした効果や効能と副作用について詳しくお伝えしてきます。
ジャスミン茶とは
ジャスミン茶(ジャスミンティー)とは、中国語で「茉莉花茶(モーリーフアチャー)」と呼ばれている、緑茶や白茶などの茶葉にジャスミンの花を混ぜて香り付けしたお茶です。
中国ではもっとも有名な茶のひとつで、香りが高くリラックス効果や美容効果が期待できます。
ジャスミン茶には様々な種類がありますが、一般的には茶葉の品質や花の量によってグレードが分かれます。高級なジャスミン茶は花の香りが強く、甘く爽やかな味わいが特徴です。
なお、ジャスミン茶には、以下のような種類があります。
香片茶(しゃんぴんちゃ) | 茶葉にジャスミンの花の香りを7~8回吸わせたもので。沖縄ではさんぴん茶と呼ばれる。高級ジャスミン茶の一つとして扱われている。 |
真珠花茶(しんじゅふぁちゃ) | 茶葉を丸く形作り、ジャスミンの花の香りを吸わせたもの。丸めた茶葉の形が真珠に似ていることから名付けられた。高級ジャスミン茶の一つとして扱われている。 |
茉莉銀毫(もうりぎんごう) | 茶葉の新芽にジャスミンの花の香りを吸わせたもの。新芽が銀色に見えることから名付けられた。高級ジャスミン茶の一つとして扱われている。 |
茉莉繍球(もうりしゅうだま) | ジャスミンの花の香りを吸った茶葉を丸めて作ったもの。お湯を注ぐと茶葉が花のように開き、見た目も美しい。工芸茶として扱われている。 |
「ジャスミン茶を飲むとワキガになる」が誤りである根拠
最近、SNSやインターネット上で「ジャスミン茶を飲むとワキガの原因になる」という噂が広がっています。
この情報の真偽について、医学的な観点から検証してみましょう。
結論から言えば、ジャスミン茶を飲むとワキガになるという話は完全な誤りです。むしろ、ジャスミン茶には体臭を改善する効果があることが分かっています。
なお、専門家によるとワキガの主な原因は以下の3つとされています。(参考:日本医科大学のサイト)
- 遺伝的要因
- アポクリン腺の活動
- 皮膚常在菌との反応
これらの要因は、ジャスミン茶に限らず飲み物の摂取とは直接的な関係がありません。
実際、ジャスミン茶に含まれるポリフェノールには抗酸化作用があり、体内の余分な脂肪の酸化を抑制する効果があるとされています。
これは逆に、不快な体臭の軽減に役立つ可能性があるということです。
体臭が気になる場合は、以下のような総合的なアプローチを検討することをお勧めします。
- 適切な衛生管理
- バランスの取れた食事
- 十分な睡眠
- ストレス管理
ジャスミン茶は、むしろ健康的な生活習慣の一部として取り入れることができる飲み物と言えるでしょう。香り高い一杯を、安心して楽しんでください。
ジャスミン茶を飲み続けると体臭が変わるのか
ジャスミン茶に含まれる成分には、体臭を軽減してくれる可能性があるものもあれば、逆に悪臭を強めてしまう可能性があるものもあります。
例えば、ジャスミン茶に含まれるポリフェノールには抗酸化作用があり、体臭の原因となる活性酸素を除去できるとされています。
一方で、ジャスミン茶に含まれるカフェインは、利尿作用があり、汗の量を増やす可能性があります。
汗は体臭の原因となる雑菌の繁殖を促進するため、体臭が悪化してしまう可能性があります。
このように、ジャスミン茶の成分が体臭に与える影響は、成分の種類や量、個人の体質などによって異なるため一概に断言することはできません。
影響はそれほど大きくなく気にするほどではありませんが、もし、ジャスミン茶を飲んだ後にニオイが気になる場合は、飲む量を減らしたり、他の飲み物に切り替えるなど、様子をみて調整してみてください。
また、体臭が気になる場合は、ジャスミン茶を飲むだけでなく食生活や生活習慣の見直しも必要です。バランスの良い食事を心がけ、適度な運動を行い、十分な睡眠を取るようにしましょう。
ジャスミン茶を飲みすぎることによる副作用・デメリット
ジャスミン茶は、多くの健康効果が期待できるお茶として知られています。
しかし、飲みすぎることで副作用やデメリットが生じる可能性もあります。主な副作用は以下のとおりです。
カフェインによる症状 | 過剰摂取すると、不眠、頭痛、震え、不安などの症状が現れることがあります。 |
消化不良 | ジャスミン茶は胃液の分泌を促進します。空腹時に飲むと、胃痛や吐き気などの消化不良を引き起こす場合があります。 |
貧血 | ジャスミン茶には鉄分の吸収を阻害するタンニンが含まれています。鉄分不足の方は、貧血になるリスクが高まる可能性があります。 |
アレルギー | 体質によっては湿疹、かゆみ、呼吸困難などのアレルギー反応を起こす人もいます。 |
カフェインによる依存 | 毎日大量に飲むと、カフェインの離脱症状が現れる場合があります。 |
利尿作用 | 過剰摂取すると、脱水症状になるリスクが高まります。 |
妊娠・授乳中の注意 | 妊娠中や授乳中は、カフェインの過剰摂取を避ける必要があります。ジャスミン茶の飲み過ぎには注意が必要です。 |
適度な摂取量としては、1日3~4杯程度です。体調に合わせて量を調整することが大切です。また、空腹時や就寝前には飲まないようにしましょう。
ジャスミン茶は、適量であれば体に良い影響を与えますが、飲みすぎると体に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
ジャスミン茶を飲む際の注意点
上記のとおり、ジャスミン茶は少なからず副作用の危険性などのデメリットがあるものの、適量を適切なタイミングで飲むことで健康効果を享受することができます。
注意点としては主に次の4点が挙げられます。
- 1日2~3杯程度にする。
- 空腹時や寝る前は避ける。
- 鉄分が不足している人は注意しながら飲む。
- アレルギー症状がある人は飲まない。
ジャスミン茶を飲む際は、自分の体調や体質に合わせて飲むようにすると良いでしょう。
ジャスミン茶の効能・効果
美味しく飲めるジャスミン茶ですが、味以外にも飲むことによる効能や効果があります。
特に美容面で効果が期待でき、ジャスミン茶に含まれるビタミンCやポリフェノールは優れた抗酸化作用を持つため、肌の老化を防ぐ助けになります。
また、利尿作用があり、体内の余分な水分や塩分を排出することで、むくみを和らげます。
さらに、リラックス効果やストレス軽減効果があり、心身のバランスを整えるサポートをします。
ジャスミン茶のデメリットや副作用に関するQ&A
ここでは、ジャスミン茶のデメリットや副作用に関するQ&A(質問&回答)を紹介します。
- ジャスミン茶のカフェイン含有量は?
- ジャスミン茶とさんぴん茶の違いは?
- ジャスミン茶は健康に悪い?
- 寝る前にジャスミン茶を飲むと眠れない?
上記の問いについて詳しく回答していますので、参考にしてみてくださいね。
ジャスミン茶のカフェイン含有量は?
ジャスミン茶は、緑茶にジャスミンの花を加えて香り付けしたお茶です。緑茶にはカフェインが含まれていますが、ジャスミン茶のカフェイン含有量は、緑茶よりも低くなっています。
一般的に、緑茶のカフェイン含有量は100mlあたり20mg程度ですが、ジャスミン茶のカフェイン含有量は100mlあたり5mg程度です。これは、緑茶に含まれるカフェインの一部が、ジャスミンの花に吸収されるためです。
また、ジャスミン茶のカフェイン含有量は、抽出時間によっても異なります。抽出時間が短いほど、カフェインの抽出量は少なくなり、抽出時間が長いほど、カフェインの抽出量は多くなります。
ジャスミン茶とさんぴん茶の違いは?
ジャスミン茶と同様に、さんぴん茶も飲むとワキガになると言われることがあるお茶ですが、このジャスミン茶とさんぴん茶は、同じツバキ科の植物から作られるもの、以下のような違いがあります。
1.使用する茶葉の違い
まず、使用する茶葉が異なります。
ジャスミン茶は緑茶をベースに、さんぴん茶は烏龍茶をベースに作られます。そのため、ジャスミン茶はすっきりとした味わいで、さんぴん茶はよりコクのある味わいが特徴です。
2.製法の違い
ジャスミン茶は、摘んだ茶葉をジャスミンの花と一緒に寝かせ、香りを移すことで作られます。一方、さんぴん茶は、茶葉を何度も発酵と乾燥を繰り返すことで作られます。
3.香りの違い
ジャスミン茶は、ジャスミンの甘い香りが特徴ですが、さんぴん茶は、より複雑なフローラルな香りが特徴です。
このように、ジャスミン茶とさんぴん茶は、ベースとなる茶葉、製法、香りなど、いくつかの違いがあります。どちらも飲みやすく、リラックス効果のあるお茶なので、お好みによって選んでみてください。
ジャスミン茶は健康に悪い?
ジャスミン茶は適量であれば健康に良いと言われています。
しかし、カフェインが含まれているため、飲みすぎると体に悪影響を及ぼす可能性がある点にはご注意ください。
寝る前にジャスミン茶を飲むと眠れない?
寝る前にジャスミン茶を飲むと眠れないと言われるのは、ジャスミン茶に含まれるカフェインが理由です。
ジャスミン茶に含まれるカフェイン量はそれほど多くないので、寝る前に飲んでも眠れなくなることはない人は多いでしょう。
ただ、普段はカフェインを摂取していない人にとっては眠りを妨げる可能性もあるので、寝る前に飲まないようにした方が良いと言えます。
まとめ:ジャスミン茶のワキガへの影響や副作用について
ジャスミン茶とワキガの関係について、多くの誤解が広がっていますが、医学的な観点から見ると、ジャスミン茶を飲むことでワキガになることはありません。
ワキガは主に遺伝的な要因で決まる体質で、アポクリン腺から分泌される特殊な汗と皮膚常在菌が反応することで特徴的な臭いが発生します。このメカニズムは、お茶などの飲み物とは直接的な関係がありません。
実際のところ、ジャスミン茶には体に良い効果が多く含まれています。緑茶をベースとしているため、ポリフェノールなどの抗酸化物質が豊富で、これらには体内の脂肪酸化を抑える作用があります。そのため、むしろ体臭の軽減に役立つ可能性があるとされています。
ただし、カフェインを含むため、過剰摂取は不眠や胃の不調などの原因となる可能性があります。1日2〜3杯程度を目安に適量を守れば、副作用の心配なく楽しむことができます。
体臭が気になる場合は、ジャスミン茶の摂取を心配するよりも、日々の衛生管理や食生活の改善、ストレス管理など、生活習慣全体を見直すことをお勧めします。